2013年08月08日
コンテンツ番号1319
小学生議員がまちづくりに提案
(2013.8.8)
北秋田市として初めての小学生による子ども議会が、8月8日(木)議事堂で開かれ、26人の議員がまちづくりに対する新たな提案をして、津谷市長や三澤教育長の考えをただしました。
子ども議会は、次代を担う子どもたちが、政治や市の課題に関心を持ち理解を深めるとともに、自分の考えを積極的に発言できる子どもの育成をねらい開催されました。
議員には、市内13校から6年生2人ずつが選ばれ、事前研修として議会の仕組みや議員の役割、市の行政について学習し、 議長団や市民生活、観光・産業、教育・スポーツ、健康・福祉のグループに分かれて、議事の進め方、質問書や説明資料などを作成し、議会に臨みました。傍聴席は、保護者や教員、議員などで満席となりました。
議会では、議長団による開会宣言、経過報告に続き、「ルールを守り、いじめをなくす活動に進んで取り組みます」など5項目からなる「北あきた子ども議会宣言」が議長団から提案され全会一致で採択されました。
この後、4つのグループの子ども議員が「伊勢堂岱遺跡が世界遺産登録になったら縄文ランドの建設を」「スポーツイベントに連続、関連性を持たせるために、スタンプラリーの導入を」など7項目について、質問内容と提案理由を説明するとともに、図などを使いながら分かりやすく質問しました。この内、「伊勢堂岱遺跡が世界遺産登録になったら縄文ランドの建設を」の質問に対しては、津谷市長が「皆さんの力で新しい伊勢堂岱遺跡の活用を描いていただき、これまで実施したことのある土器づくりやパン作り体験のほか、ご提案のあった発掘体験や生活体験などを取り上げながら、一緒に意見を出し合って進めてまいりますので、よろしくお願いします」と答弁しました。
閉会にあたり、議長団を務めた松岡優奈さん(合川小)が「議会に参加できたことは貴重な経験となりました。市の行政の内容や議会の仕組みなどについて知ることが出来たこと、市の未来について考える機会をいただいたことなど、大変勉強になりました。経験や勉強したことを学校生活はもちろんのこと、自分の生き方にも生かしていきたいと思います」と子ども議会を代表してあいさつしました。
閉会行事では、子ども議員が感想発表を行い、最後に佐藤吉次郎市議会議長が「どのグループも、現在当市が抱えているそれぞれの懸案事項について、要点をついた鋭い質問内容であったと思います。それにもまして、提案理由を見ると、これを実現することにより、このようなメリットがあるという提言を述べており、どのグループも素晴らしい質問であったと思います。今日の提案は、市長はすぐに出来るものはしっかりと実行していただきたいと思います。これからのまちづくりには、皆さま方の若い力と新しい発想が大事です。今回の子ども議会の開催を契機に、市当局と議会の役割など、市民が今まで以上に市政に関心を持っていただければと願うものです」と講評しました。
北あきた子ども議会宣言
- 毎日楽しく学校に行き、笑顔で元気に学校生活を送ります。
- ルールを守り、いじめをなくす活動に進んで取り組みます。
- 人のためになる活動を自主的に行います。
- 北秋田の歴史や文化を受け継ぎ、これからも守っていきます。
- ねばり強さと判断力を身につけ、どんな困難も自分の力で乗りこえられるよう、一生懸命がんばります。
質疑の要旨は次のとおりです。
新オールLED化による安全安心なまちづくりと、元気な商店街づくり
道路の街灯をLED化し、数を多くすれば明るくなり犯罪も減ることにつながり、安心して歩くことができます。
市役所でも維持管理に係るお金が少なくなることに加えて、環境にもやさしいという良い点があることから、LED化を進めていくことにしています。 ただし、限られたお金の中で進めていくことになりますので、市が管理している街灯は、修理が必要になったときに、LED街灯に取り替えるなど、少しずつLED化を進めています。また、すでに公民館などの公共施設にソーラー式LED街灯を設置していますし、これからみなさんが通う小中学校にもソーラー式のLED街灯を設置する予定です。
商店街をLEDでライトアップすることによって、元気で人が集まる場所に。
商店街をライトアップするということは、とてもよいアイディアだと思います。しかし、明るくするばかりではなく、みんなが集まってくれるような魅力がそこになければ人が集まってくれませんし、長続きしません。商店街や市民の皆さんの意見を聞きながら、どうすれば魅力ある商店街になるか、そして、人が集まる賑わいをつくれるのか、一緒になって、知恵を出し合いながら考えていきたいと思います。
新しいクリーンリサイクルセンターの建設と活用について
新しいクリーンリサイクルセンターの建設に関して、ごみの焼却で生まれる熱を効果的に役立てることができるような施設に。
発生した『熱』を利用するというのはとてもよい素敵な発想だと思います。 現在、計画している施設は、家庭などから出る「ごみ」と下水道処理施設から出る「汚泥」と呼ばれる泥を一緒に燃やす方式の施設ですが、提案にありました、温泉・温水プール施設などへの利用は、焼却炉の規模が小さく、熱量が少ないので、残念ながら難しいと考えられています。 しかし、少ないとはいえ、発生した熱を無駄にすることはできません。そこで今考えているのは、ごみと一緒に燃やす汚泥を乾かすことです。汚泥は85%の水分を含んでいるので、燃えやすいように乾かします。また、冬には、施設内の暖房や敷地と屋根の雪を融かすことに活用することで、燃料代を節約することも考えています。 残念ながら焼却施設としての規模が、人口が多いところと比べて小さいため、熱の使い方は限られたものになりますが、施設の運営や管理のために、発生した熱を活用するのも立派なリサイクルと考えます。
リサイクルできるペットボトルや紙、空き缶、空きビンなどについて、再利用製品を作る工場を建てたり、技術者を呼んだりすることも考えられます。作った製品を販売することも良いと思います。
リサイクルについては、容器包装リサイクル法という法律によって、 古紙以外のペットボトルや空き缶などの扱いについて、それぞれ役割が決められております。 その役割というのは、市民のみなさんは「ゴミを分別して出す」、市役所は「出されたゴミを集めて保管する」、リサイクル業者は「それを再資源化すること」とされています。 ご提案のありました再利用製品を作る工場の建設や製品の販売というのは、限りある資源を大切に、そして、製造から販売までを効率よくおこなえるという、すばらしい考えだと思います。しかし、先ほど説明しました役割分担からいきますと、再資源化というのは、リサイクル業者がその役割を果たすと担当いうことになります。 市役所としては「資源になるごみ」をできるだけ無駄にすることなく集めて、効率よくリサイクル業者へ引き渡すという役割がありますが、それだけではなく、社会全体で効率のよいリサイクルシステムを作り上げていけるように、みなさんやリサイクル業者と一緒に取り組んでいきたいと考えています。
伊勢堂岱遺跡が世界遺産登録になったら、縄文ランドの建設を
伊勢堂岱遺跡が世界遺産登録になれば、間違いなく多くの人がやってきます。遺跡と展示館だけでは、最初は多くの人が来てもやがて少なくなっていきます。遺跡の周辺に様々な施設を作って、いつまでも人が来るようにしてはどうでしょうかか。
北秋田市が、世界遺産登録を目指す大きな目的は貴重な遺跡を保護し、次の世代に引き継いでいくことにあります。大事な縄文遺跡や周辺の自然が壊されないようにみんなで力を合わせて守っていかなければなりません。みなさんからご提案のあった遺跡の利活用について、観光や産業の賑わいの面からも検討していくことになります。 現在、伊勢堂岱遺跡整備計画に沿って遺跡の中や周辺の環境整備を進めており、計画では遺跡の近くに展示施設や駐車場を設置することになっております。 その施設周辺の環境整備が完了すれば、縄文まつりなどのイベントができるようになりますので、皆さんの力で新しい伊勢堂岱遺跡の活用を描いていただき、これまで実施したことのある土器づくりやパン作り体験のほか、ご提案のあった発掘体験や生活体験などを取り上げながら、一緒に意見を出し合って進めてまいりますので、よろしくお願いします。
スポーツイベントの連続・継続性を
市では様々なスポーツイベントが行われていますが、スタンプラリーのようにして、多くのイベントに参加する工夫をすることはできないのでしょうか。
多くの市民がスポーツに親しむことにより、地域の活性化と健康づくりに繋がるスタンプラリー方式は良い考えだと思います。スタンプラリー方式には、個人のスタンプ数を競う個人戦と、子ども、親、祖父母の家族の合計や地域でのスタンプ数を競うといった団体戦なども考えられるため、とてもおもしろいアイディアであると思います。特に団体戦は、家族や地域の人たちの協力が必要となり、スポーツイベントに参加することで家族や参加者同士の交流が増え、健康づくりだけでなく、明るい地域づくりにも繋がります。また、100キロチャレンジマラソン大会等で、ボランティアに参加した人にポイントを与えることで、スポーツへの関心を高めることができ、選手と地域住民の交流も深めることができると思いますので、皆さんのアイデアを生かすことを考えていきたいと思います。来年は、スタンプラリー方式を用いて、チャレンジデーで勝ちたいと思いますので、皆さんの協力をお願いします。
学校の校舎のリフォームと新築を
古い校舎では、雨漏りがあったり、遊具がこわれていたり、洋式のトイレが少なかったり不便な思いをしながら過ごしている子どもがいます。少しでも早く、新しい校舎で快適に過ごせるようにできないでしょうか。
古い校舎でしかも、雨もりがあったり、様々な故障があったりして不便な思いをさせていることは大変申し訳なく思っております。故障の修理などは、今まで通りできるだけ素早くやっていくことを約束します。 学校の新築には10億から20億円位かかります。これは、北秋田市の1年間の予算の1/20から1/10に相当します。学校ばかり建てると市民の生活に影響を及ぼしますので、計画的に建てるようにしています。みなさんにぜひお願いしたいことがあります。皆さんが入っている古い校舎は、今までお父さんやお母さん、先輩方が学んできた校舎で、大事に心を込めて掃除をしたり、磨いたりして大切に使ってきました。また、ボランティアで机やイスの修理、校舎の掃除等をしてくれる地域の人たちもいます。たくさんの皆さんの思いがこもっていることを忘れないで、大切に使ってほしいと思います。たとえ校舎が古くても、勉強や部活動で皆さんの心にたくさんのよい思い出が残るよう元気いっぱいがんばってくれることを心から願っています。
お年寄りが生き生きと活躍できる場を広げよう
私たちが知っているお年寄りには、とても元気な人が多く、たくさん知識や知恵、特技を持っている人がいます。その人たちが、様々な場所で活躍できる「しくみ」を作ってほしい。
まず初めに、今の北秋田市の65歳以上の高齢者の状況をお知らせいたします。 今年の6月末で市全体の人口3万5千668人のうち、65歳以上の人口が1万3千408人で、約2.66人に一人が高齢者となっています。 現在、高齢者の皆さんは、老人クラブで活動されたり、元気でいろいろな仕事や農業などに取り組んでいる方々がたくさんいらっしゃいます。 また、市役所の事業として、小学校や中学校で花の苗を植えたり、昔の遊びを教えたり、料理をしたりと、さまざまな知識や特技を持った人たちが学校の活動を支援したり、高齢者のための大学で学んだり、活動したり、また、公民館でボランティア活動をしている人もいます。 高齢者の方々が活躍できる「しくみ」を作ってほしいというご提案ですが、これは、お年寄りの方々が元気の出るとてもよい提案だと思います。そのためにも、まずは、いま紹介した活動などに、高齢者の方々がお互いに誘い合って参加していただき、さまざまな交流を通じて仲間を増やし、明るく元気に過ごしていただきたいと考えております。
市民病院に医療系の大学などの設置を
医師や看護婦が不足していると聞きました。市民病院に付属する医療・福祉系の学校を作ることができれば、その道に進む人を育てることができるのではないでしょうか。
今、北秋田市民病院では医師や看護師が不足していて、一部の病室が使用されていない状態にあります。医師や看護師不足は全国的な問題で、いろんな地域で大きな悩み事となっています。今回の皆さんからのご提案は、とてもタイムリーで有意義なものであると思います。
ご提案のように、看護学校を新しくつくるとすると、専門の知識を持った先生方の確保、建物や教育器材、持続可能な運営など、事前に解決しなければならない課題がたくさんあります。市民の皆さんからの大切な税金で学校を継続的に運営できるかどうかも見極めながら検討して判断しなければなりません。 しかし一方では、市内に大学ができれば、若者が増えることによる地域の経済への波及効果や志のある北秋田市出身の学生が入学し、病院での看護師不足が解消されるなど、良い影響も期待できます。 北秋田市が新しく大学等を建設することはなかなか難しいことですが、医師や看護師不足を解消するためにも、どんな解決策があるのか、今後、地域の人たちと相談しながら検討しなければならないと思います。