2013年04月12日
コンテンツ番号7565
北秋田市で初の伝統工芸士に
(2013.4.12)
経済産業大臣指定伝統的工芸品「秋田杉桶樽」の伝統工芸士に認定された佐藤秋男さん(61歳)=浦田字大渕=が市役所を訪れ、このたびの認定を市長に報告しました。
「伝統工芸士」は、全国の伝統的工芸品産地において、伝統的技術・技法に熟練した従事者の中から厳しい認定試験に合格した者に対して、通商産業大臣が認定する称号で、各産地を代表する最高の技術保持者です。
高度な技術と知識を持つと同時に、産地で若手を育てる指導者でもあり、伝統的工芸品の普及や伝統技術・技法の継承する責務を負っています。
佐藤さんは、35歳まで鉄工業の仕事をしていましたが、知人から声を掛けられたことや職人の方たちと話をしたことがきっかけで転職を決意。昭和63年に大館市の桶樽(おけたる)製造業・日樽に入社し、桶樽作りに必要な高度な技術を身に付けていきました。12年以上の勤務者に受験資格が与えられる伝統工芸士の試験に、昨年初めて挑戦し、9月の実技、10月5日に行われた全国一斉の知識試験に見事合格し、県内で7人目となる桶樽伝統工芸士になりました。
この日、市役所を訪れたのは、佐藤さんと日樽の社長で秋田杉桶樽協会長でもある日景義雄社長の二人。
このたびの伝統工芸士の認定について報告したほか、日景社長は佐藤さんの勤務について「25年間、従業員の誰よりも朝早く出社し、夏も冬も続けている。たいへんな努力家」と紹介しました。
報告を受け、津谷市長は「市から伝統工芸士が誕生し、市の誇りでもあり大変うれしく思っている。これを機に学校の授業などでも、子ども達に実際にみてもらったり体験してもらって、小さい時から伝統芸能に感心をもってもらえる環境をつくっていきたい。この素晴らしい技術を今後に伝えていくことを我々も応援していきたいと思っている」などとお祝いの言葉を述べました。
佐藤さんは、伝統工芸士となった感想として「今回、伝統工芸士になり最初に思ったのは自分で良かったのかなという不安な思い。伝統工芸士になっても、まだまだ覚えることはたくさんあるので、これからも精進して前に進んでいきたい」などと抱負を述べました。