2013年03月16日
コンテンツ番号7535
最後の卒業生5人が巣立ち137年の歴史に幕を下ろす
(2013.3.16)
北秋田市立浦田小学校(神成寿寛校長、児童数21人)の閉校式並びに卒業式・修了式が3月16日(土)、同校で行われ、最後の卒業生5人が学び舎を巣立つとともに、同校は137年の歴史に幕を下しました。
同校は、明治8年10月に浦田学校として創立され、同20年に浦田尋常小学校、昭和17年に浦田国民学校、同22年に浦田小学校と改称されました。同27年に現在地へ校舎が新築され、同30年には創立80周年記念式典が行われ、校歌、校章、校旗ができました。同31年には町村合併により米内沢町立から森吉町立浦田小学校となりました。平成4年には木造平屋建ての現校舎が完成、同8年には児童減少のため複式学級が設置され、同17年に創立130周年記念式典が開催されています。
現校名となった昭和30年代は、200人近くの児童が在籍していましたが、現在は21人。同校は児童数減などにより平成24年度を最後に閉校し、平成25年度から児童は米内沢小学校と前田小学校に分かれて通学することになり、浦田学校から始まった137年の歴史に幕を下ろします。 同校の卒業生数は、最後の卒業生5人を合わせ2187人です。
式では、国歌斉唱のあと卒業証書の授与が行われ、5人の卒業生が壇上に上がり、神成校長が「おめでとう」と一人ずつ声を掛けて卒業証書を授与し、卒業生たちは「ありがとうございます」とお礼を言って受け取りました。 また、在校生も一人ずつ壇上に上がり、神成校長から修了証書を受け取りました。
続いて、津谷永光市長が「長い歴史と伝統ある浦田小学校の最後を飾る記念すべき年に巣立ってゆく5名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、それぞれの学年でこの一年間一生懸命頑張って、今修了証書を授与された皆さん、おめでとうございます。皆さんが、毎日明るく元気に過ごしたこの浦田小学校は、この3月31日をもって137年というとても長い教育の歴史に幕を閉じることになりました。これまで卒業していった二千人を超える皆さんの先輩達が、地域への思いを胸に、市内はもとより国内外においてそれぞれの分野で活躍されておりますことは、まさに市の誇りであります。浦田小学校は在校生・卒業生はもとより、地域の皆様にとって大切な心の拠り所でありますとともに、市にとりましても地域の賑わいを生み出し、文化の発展をもたらす重要な拠点でありました。思い出あふれる校舎とのお別れには大変感慨深いものがありますが、これまでに子どもたちを中心として先生方やご家族そして地域全体で育んできた信頼関係は、この学校の歴史と伝統とともに、地域にしっかりと根付き、次世代に引き継がれるものと確信しております。これまで本校を支えてくださいました全ての皆様に、本校設置者として心からの御礼を申し上げます」などと式辞。
神成校長は「本日は、皆様のご臨席を賜り、閉校式並びに卒業証書授与式、修了証書授与式を挙行できましたことを心からお礼申し上げます。彩冬さん、恭花さん、栞さん、桃歌さん、梨沙さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、この6年間、人として正しく生きていくための基礎、基本を力いっぱい学び取ってくれました。部活動では、恵まれた素質と努力ですばらしい成績を収め、小さな学校でもがんばればできるという自信と勇気、そして感動を与えてくれました。さらに、各種行事や児童会活動では、常にリーダーとして自分の役割を果たすとともに、下級生に対し温かく接してくれ、先生にも下級生にも頼もしい6年生として慕われました。すべての面において、浦田小学校の最後の1ページを飾る6年生にふさわしい活躍をしてくれました。森吉中学校では、自分の夢の実現に向けて、精一杯努力してください。そして、16名の皆さん、修了おめでとうございます。6年生を支え、全校児童が一つになって最後の年を終えることができました。楽しい思い出がたくさんできたと思います。4月からは、米内沢小学校、前田小学校に行くことになりますが、早く新しい学校になれて、家の人たちに学校のことをたくさん教えてください。本校は、3月31日で閉校することになりますが、浦田小学校での素晴らしい思い出と、長年にわたって皆様方から賜りました愛情、この浦田地区の教育に懸ける強い信念と志は、永遠に語り継がれ、新しい明日へ向かって羽ばたく子どもたち、そして地域の皆様の心の支えになるものと信じております。これまで、本校の教育活動推進のため、長きにわたりご尽力賜りました多くの皆様に深く感謝申し上げます」などとあいさつ。
来賓祝辞では、同校の久住昭宏PTA会長、県教育庁北教育事務所の藤田良博所長、市議会の佐藤吉次郎議長がそれぞれ祝辞。卒業、進級、閉校記念品贈呈のあと、全校児童がステージに並び、閉校式呼びかけ「ありがとう浦田小学校」を、歌を交えながら行いました。呼びかけの中では、運動会や学習発表会、浦田っ子まつりなどの思い出を振り返りながら、「いつもぼくたち浦田っ子を温かく包んでくださった地域のみなさん、本当にありがとうございました」と地域の人たちに感謝を伝え、5年生以下の児童は「今ぼくたちは、この学校から巣立つ時を迎えました。浦田小学校の友だちとの別れ、新しい友だちとの出会い。ぼくたちは胸をはって前へ進みます」と述べ、6年生は「浦田小学校最後の卒業生として誇りを持って新しい未来に羽ばたきます」とそれぞれ決意を述べました。
このあと、神成校長から津谷市長に校旗が返納され、式の最後は出席者全員で校歌を斉唱し浦田小学校137年の歴史に幕を下しました。
式典終了後、全校児童による閉校記念アトラクション「みんなの浦小物語」が披露され、開校当時から戦争中の学校の様子などを再現した劇を子どもたちが熱演し、出席者からは大きな拍手が送られていました。
閉校記念アトラクションのあと、浦小ランドと呼ばれる校庭の一角にある敷地では、閉校を記念して建立された記念碑の除幕式が行われました。
また、会場を森吉コミュニティセンターに移して行われた「思い出を語る会」には、卒業生や旧職員、地域の方々など約140人が参加し、同校の歴史と伝統を振り返りながら思い出を語り合いました。