2013年02月18日
コンテンツ番号7511
食と人と地域のつながりを考える
(2013.2.18)
「地域・元気力 UP!セミナー」が2月18日(月)、市交流センターで開かれ、約370人の参加者が、食文化について理解を深めました。
このセミナーは、中央公民館一般公開講座、高齢者大学合同講座として開催され、食と人と地域のつながりを考え、食の安全と郷土の食を通した「いきがい」づくりを探るとともに、秋田北鷹高校家庭クラブによる、郷土食の研究成果を地域づくりにいかすことを目的としています。
セミナーは、研究発表と講演が行われました。 はじめに秋田北鷹高校家庭クラブが「発見 古くて新しい北秋田の味プロジェクト VOL.1〜バターの香りに包まれて〜」と題して発表。生徒たちは、地域に伝わるバター餅の作り方や材料などを研究しながら、新たに「しょうゆバター餅」を考案し、好評を博したことを紹介。「まだ、販売が実現していないため、北秋田市にどんな成果があるか未知数ですが、地域の盛り上げ役になりたい」などど発表しました。
続いて農林水産省6次産業化ボランタリープランナーの泉牧子氏が「食文化とわたしたち」と題して講演。泉氏は秋田県の食の現状を紹介し「消費者が購入しているのは、米ではなく『ごはん』。これを知らないで、私たち農家は第一次産品をどんどん生産していっても、第一次産品として購入する消費者はそうはいない。何かしら手を加えないといけない」と指摘。さらに、「地産池消は秋田県から生まれた言葉だが、県内には消費する人が減っており、地産地消では農業者は生きていけない。これからは、おいしいものを外に売って外からお金を得る地産外消が必要」と話しました。また、最近、食べ物を噛まないことにより、歯が生えない、喉に筋肉がない、唾をだせない子どもが増えていることを指摘したうえで、「これは安い加工品を使ってミンチ状にしたものを食べてきたから。土から生まれた命をきちんと与えられるか、輸入品の加工品に頼ってしまうか。何が当たり前の食べ物なのかを子どもたちに伝えていきたい」などど述べ、「農村に伝わる味や本来の食べ物の姿を伝えることは、私たちの使命」と強調しました。
参加者は、北鷹高校生の堂々として発表に目を細めたり、講師の泉氏の話に納得したようにうなずいたりしながら、真剣な表情で聴き入っていました。