2013年01月10日
コンテンツ番号7491
ローカル線は地域おこしのツール
(2013.1.10)
「秋田内陸線と地域のかかわりを考えるフォーラム」が1月10日(木)、阿仁ふるさと文化センターで行われ、講演やディスカッションで内陸線の在り方を探りました。
フォーラムは、秋田内陸線エリアネットワーク、秋田内陸線の存続を考える会などで組織した実行委員会の主催。 市内外から130人が参加し、熱心に耳を傾けていました 。
はじめに、主催者を代表しNPO法人秋田内陸線沿線地域エコミュージアム会議代表理事の三浦陽一さんが「お忙しいなか、いずみ鉄道の鳥塚社長さん、山形鉄道の野村社長さんにお越しいただき、ご理解とご協力のもとでフォーラムが実現できた。フォーラムが厳しい中にも、鉄道と地域が一緒に行動していく新しい道のりを築ける機会となることを期待している」などと述べました。続いて津谷市長が「平成24年度も残り3カ月を切っている。本年度は、秋田内陸線存続に向けての正念場の年で、秋田県、北秋田市、仙北市、会社の4社合意の最終年度です。何としても経常損失を2億円以内に収めなければならない大命題があり、官民一体となって運動を展開していますが、何といっても、地域の皆さんをはじめ多くの皆さんの協力がないと存続は厳しい。このフォーラムが、内陸線存続に向けての力強い方向性が見出せるような意味深いものになることを祈念します」などとお祝いを述べました。
フォーラムは、基調講演とディスカションの2部構成で行われ、基調講演では、公募で社長に就任している、いすみ鉄道株式会社代表取締役社長の鳥塚亮氏と山形鉄道株式会社代表取締役社長の野村浩志氏が、ローカル線にかける思いや取り組みなどを話しました。このうち鳥塚社長は、ムーミン列車の運行や昭和時代に活躍したボンネットバスの活用、ディーゼルカー「キハ52」の導入などで、地域に来る観光客が増えていることなどを紹介しました。 鳥塚氏は「今あるものをどうやって活用するかというのが地域おこし。ローカル線を廃止し、とっておけばよかったと思っている地域はいっぱいある」と述べ「こういう風景を守りたい、ふるさとの風景を次の世代に残したいと思うのがスタート。どこかにいくための足だったら車で十分。地元と一体となってローカル線を盛り上げ、そこから先、地域がどれだけのしあがっていくかにあり、あくまでローカル線はツール。ローカル線の新しい使い方で観光客をどう呼び込むかを地域と鉄道が一緒になって考えていただきたい」と力説しました。
引き続き、『内陸線と沿線地域の「いままで」と「これから」』をテーマにディスカッションが行われました。くまのたいら企画の大穂耕一郎氏をコーディネーターに、地域沿線で存続や乗車運動に取り組んでいる団体の代表らがパネラーを務め、積極的な意見交換が行われました。