2013年01月21日
コンテンツ番号7484
胃がんとがん患者の緩和ケアについて学ぶ
(2013.1.21)
市の生活習慣病予防事業「第2回すこやか健康講座」が1月21日(月)、市保健センターで開かれ、参加した市民約100人が講演を通して病気への理解を深めました。
講座は、市民の生活習慣病予防を目的に、毎回テーマを変え開催しているもので、今回は全5回のうちの2回目。
講座の開催にあたり、北秋田市健康推進課の斎藤彦志課長が「5回行われる健康講座を受講し、色々学んだ中から、自分にあっ実践方法を見つけ、長く継続していくことで健康保持に努めてください」などどあいさつ。
この日の講座では、北秋田市民病院外科科長の宇佐美修悦氏が「胃がんの予防から治療まで」と題し、また、山本組合総合病院緩和ケア認定看護師の小林真紀氏が「がん患者と家族を支えるケア」と題した2つの講演が行われました。
始めに行われた「胃がんの予防から治療まで」と題した講演で宇佐美氏は、秋田県におけるがんの死亡率が全国1位となっているが、部位別では、胃がんによる死亡率が男が全国1位、女も高率であることを紹介し、「秋田県のがん死亡率を改善する上で、胃がんを減らすこと、また、確実に治していくことが極めて重要である」と説明しました。
また、早期胃がんの多くは無症状で、症状がでてからは遅いこともあるので、検診を受けて、要精査になったら必ず受診するよう呼びかけました。
さらに、胃がんの治療法として、化学療法(抗がん剤)のみでの完治は困難なことや放射線治療は効果が不明として、手術が最も確実な治療であるとし、早期がんに対しては内科的手術も考慮され、進行がんに対しては手術に抗がん剤も組み合わせた治療が行われると説明しました。また、がんの進行度による生存率を紹介したうえで、「胃がんは、早期であればほとんどの人が治る、少し進行していても早めに治療すればだいたい治る、すごく進行してしまったがんは、手術だけでは治りにくい」と述べ、「胃がんは治る病気であり、何よりも早期発見・早期治療が重要で、検診を受けることと症状があればすぐに医療機関を受診しましょう」と強調しました。
続いて行われた「がん患者と家族を支えるケア」と題した講演では、小林氏が自分や家族が、突然がんですと言われたとき、どんな気持ちで過ごしたらよいのかを説明しました。小林氏は「がんですと言われたときは、動揺して何も覚えていない、不安でいっぱい、食欲がない、眠れないなどといったことがあるが、すべて当たり前のこと」と述べ、親しい人や家族、主治医や看護師などへつらい気持ちを話してみること、自分がリラックスできることをしてみることが大切だと話しました。また、がんと言われてから 2〜3週間経つと、何とかがんばってみよう、早く治療を受けよう、これからのことを考えようと思うようになりますが、もし、眠れない、食べたくない、表情が暗くふさぎ込んでいるなど普段の生活が送れない日が何日も続いた場合には、うつ病も考えられるので専門家へ相談するよう話しました。
さらに、自分の病気を知るため、主治医や医療者に聞いたり、インターネットを活用して情報を集めることの必要性や、他に迷惑をかけられないと一人で抱えこむことのないようにと話しました。
最後に小林氏は「どんな状況にあっても自分らしく生きさえすればたいがいのことは大丈夫です。がんと言われた時も、治療を一生懸命頑張っているときも、人生の最期が近づいた時も、自分らしく生きられる。そうなるために、自分はいったいどうしたらよいのかを考えてみるのもいいのではないでしょうか。もし、あなたやあなたの家族ががんと言われたら、決して一人では悩まないでください。病院には、お手伝いしたいと思っている医療者がたくさんいます。あなたの回りには、手伝いたいと思う方が必ずいます。大切な人とよく話をしてください」と話し締めくくりました。
参加者は、メモをとったり講師の話にうなずいたりしながら熱心に受講していました。
今後のすこやか健康講座の日程
会場:北秋田市保健センター
時間:13:30〜15:00
回 | 月日 | 内容・講師 |
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3 | 1月31日(木) | 「冬場に多い皮膚トラブル〜乾燥肌、低温やけど〜」 たさき皮ふ科クリニック理事長 田崎理子氏 |
4 | 2月20日(水) | 「高齢者の肺炎予防〜肺炎球菌ワクチンについて〜」 たむら内科クリニック院長 田村豊一氏 |
5 | 2月27日(水) | 「丈夫な歯のはなし〜健康の秘訣はお口から〜」 佐藤歯科医院院長 佐藤正孝氏 |