2014年12月12日
コンテンツ番号7471
雪害対策などについて4議員が一般質問
平成26年北秋田市議会12月定例会の本会議が、12月12日(金)に議事堂で再開され、4議員が「雪害対策について」や「産業振興について」などの事項について一般質問を行いました。
このうち、雪害対策についての質問に対しては「福祉の雪事業については、県内では対象者の年齢を70歳や75歳以上としている市町村も多いが、市では基本的に65歳以上としており、限度額が4万円で作業費用の10分の8の助成を受けられることなど、全県的にも充実した内容の支援になっている。また、今年度は6つの自治会が事業者として登録していただいていますが、今後も自治会等での組織づくりも検討しながら、地域の支え合いによる共助を促進していきたいと考えている。」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
山田博康議員(清和会)
(順位:2-1)
森吉山及び周辺の観光促進の取り組み
阿仁避難小屋のトイレ設置について
ゴンドラ駅舎からの木道補改修の実施について
避難小屋は設置から十数年が経過し、本年11月に入口土間部分の改修を行ったところであり、トイレについても、管理者である県に対して以前から改善のお願いをしているところです。
現在、県と協働で「まるごと森吉山観光振興プロジェクト事業」を推進しており、より多くの観光客を迎えるためにも施設改善は不可欠と考えていますので、今後も継続して県に対する働きかけを行い、早期に改善するよう取り組んで参りたいと考えています。
また、ゴンドラ駅舎からの木道補修・改修については、平成22年に県の補助を受け、整備を行っていますが、今後も登山者が安全で安心して登山できるように管理者の県と協議を進めながら、取り組んでいきたいと考えています。
安滝、幸兵衛滝の整備について
市道ブナ森線については、トンネル工事は完了していますが、傾斜が急な地形の他、地すべり地帯であるなどの多くの難題を抱えており、改良が難しい状況です。
また、東北森林管理局との併用の安滝林道と打当沢林道については、毎年、降雨災害などによる一時的な通行止め等により、利用者の皆さんに不便をかけている状況であり、東北森林管理局や米代東部森林管理署上小阿仁支署へ改良についての要望を行っていきます。
今年度は米代東部森林管理署から砕石の提供を受け、市が路面の穴埋めや敷き均しを行っていますが、改良が必要であると認識しており、今後も継続した協議や要請を行っていきます。
ぶな森トンネル経由での誘客促進の看板設置について
市道ブナ森線のトンネル前後部分は未改良道路を含め、通行の難所です。また、降雨災害などによって通行止めの状況でもありますので、誘客の動線としては現状では不可能と考えています。
しかし、八幡平、玉川温泉などの観光客を一人でも多く北秋田市へ取り込むための非常に大きな期待が持てる路線でもあり、安全な通行の確保ができるように努めていきたいと考えています。
雪害対策について
高齢者世帯への安全・安心な雪害への行政対応について
福祉の雪事業は自立した生活の継続を可能にすることを目的に、間口の雪寄せと屋根の雪下ろし等の援助を実施しているものであり、住民税非課税世帯の方で65歳以上の方のみの世帯、心身に障害を持つ方、配偶者の無いひとり親世帯の方等を対象者としています。
県内では対象者の年齢を70歳や75歳以上としている市町村も多いですが、北秋田市では基本的に65歳以上としていますし、限度額が4万円で作業費用の10分の8の助成を受けられることなど、全県的にも充実した内容の支援になっているものと認識しています。
また、福祉の雪事業は事業者登録制となっており、今年度は6つの自治会に活動していただいていますが、今後も自治会等での組織づくりも検討しながら、地域の支え合いによる共助を促進していきたいと考えています。
なお、社会福祉協議会では、ボランティアや自治会の方に使用していただけるように貸出し用の除雪機や軽トラックを備えておりますので、こちらもご利用いただければと考えています。
行政支援、対応が一律でよいのか
北秋田市は広大な面積を有しており、地域により降雪量にもかなりの差があります。福祉の雪事業においても、地域により利用件数や申請額に差が出ており、地域を区切った検討の余地はあると思いますが、当面は現行どおりの運用を行いたいと考えています。
自主防災組織の取り組みについて
市内においての自主防災組織の設置の実態は
組織化に向けた行政の取り組み、支援は
市では、災害による被害の防止及び軽減を図るために、平成24年度から自主防災組織の結成を推進しており、現在までに鷹巣地区9組織、合川地区4組織、森吉地区3組織、阿仁地区10組織の計26組織が結成されています。
また、自主防災組織の自発的な活動事業と資機材の整備を推進するために、補助金を交付しており、その育成強化にも取り組んでいるところです。今後も組織化を検討している地域への助言や説明を行うなどして、より多くの組織が結成されるように努めていきます。
地域力を高めるための行政と地域の共同の取り組みは
防災の基本は、自分の生命、身体及び財産は自分で守ることであり、平常時より災害に対する備えを心がけておくことが重要であると考えます。
阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では、災害発生直後の自主防災組織などの地域コミュニティ団体の協力による救出・救助活動が成果を挙げたと言われており、現在では防災に限らず、まちづくり、子育て、教育、環境、観光などの様々な場面において、地域コミュニティによる地域課題への主体的な取組みが期待されているところです。
市では、地域自治の体制確立に向けた支援をさせていただきたいと考えていますので、市職員が機会を捉えて自治会・町内会等に出向き、地域の声を聞き、地域の課題を把握しながら、地域とともに解決を図っていく協働の取組をこれまで以上に積極的に推進していきたいと考えています。
高齢化の進行の中で防災避難所の確保、運営をどう進めるか
市では要配慮者の支援業務を的確に行うために県、医療機関、社会福祉施設、自治会等と協力のもと「災害時要配慮者支援プラン」及び個別計画を作成することにしています。集落での避難所の確保、運営について維持管理が難しくなっている状況は認識していますが、災害発生時の初期段階では地域の協力や支援が不可欠ですので、地域課題の解決に向けて横断的に検討を加え、対応していきたいと考えています。
三浦倫美議員(日本共産党議員団)
(順位:2-2)
安全にかかわる設備等の保守点検、管理体制について
カーブミラー等の破損、劣化、傾き等の事例が多数あるが、行政の責任として調査、保守点検、管理をしっかり行うべきではないか。
市内の生活安全についての施設や設備は、市民の安全安心のためにもしっかりとした管理を行わなければならないと考えており、たとえ管轄外であっても国や県等の関係機関には随時、要請を行っています。市では限られた人数の中できめ細かに廻って状況把握に努めていますが、相当な数であり、全てを網羅できないところもあるので、地元の方々にも協力を頂きながら、異常などがあった場合に連絡いただければと思います。
また、補修や修繕が必要な箇所については、安全対策上の状況を見極めながら順次対応していきたいと考えています。
自助、共助が強調され、自治会や町内会等の過重負担になっていないか。
行政がもっと地域に入り込んで地域の実情を自治会等と共に把握し、協力し合う体制が必要ではないか
市職員が自治会・町内会に出向き、地域とともに解決を図る協働の取組が、ますます求められるものと認識していますので、これまで以上に積極的に推進していきたいと考えています。
自治会等の要望に対して改善がなく、また回答すらないことに住民の不満が大きい。早急に改善するべきではないか
市へ寄せられた要望は、担当職員による現地確認や現地の立会いをお願いしながら、要望に対する市の現状と考え方を明確にした上で回答をしています。
要望書として書面で提出いただいた場合は文書により回答しているところですが、自治会のほか個人からの電話や窓口での口頭による要望については件数が非常に多いことから、街灯の玉切れの指摘などは修繕の事実をもって回答に代えるなど、そのすべてを回答してはいませんでした。
今後は、その対応状況につい、電話で報告するなど、できるだけきめ細かい対応に努めていきたいと考えています。
デマンド型公共交通網、実証運行について
10月から半年間の予定で、デマンド型交通の実証運行が行われているが、現状と成果と課題についてどのように把握しているか
現在、公共交通の空白域である福田、新田目、本城から道城、上杉を経由して市民病院へ向かうデマンド型乗合タクシー「市民病院南線」の実証運行を行っており、11月末までの2か月間の実績は、片道単位で23便運行され、延べ利用者は41人となっています。
また、課題として診療科目によっては乗車時間までに診察が終わらないとか、週3日の運行日が通院日と合わないというご指摘をいただいているところであり、他にも利用者の方々から意見を伺う機会を設けて柔軟に対応していきます。
市の懸案事項である市内全域の公共交通網の整備をどのように充実させていくのか
高齢化と商店の減少により、通院だけでなく買い物が困難になる方も増えると認識しており、実証運行の検証を踏まえてJRや内陸線、市町村をまたぐバス路線などの運行数が多い幹線と乗合タクシーや市内完結のバス路線など枝線との接続の工夫などの様々な対策を検討していきます。
福祉灯油の実施について
市民生活が厳しいなか、国や県も灯油の助成に前向きに検討していますので、北秋田市でも昨年に続いて、今年も実施するべきではないか
灯油購入費の助成は、現在、県内2市で実施予定であると伺っています。
灯油の宅配18リットル当たりの価格は、本年8月の1,944円がピークでしたが、それ以降は価格が下がり続けています。今後も価格は下がるものと見込まれていることから、助成は今のところ考えてはおりませんが、今後の価格動向に対応する形で実施を検討していきます。
佐藤文信議員(新創会)
(順位:2-3)
市長の政治姿勢について
財政運営について
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普通交付税の見通しについて
平成26年度の算定から支所に要する経費の算定についての一部見直しが行われ、平成26年度以降の3年間で段階的に3分の1ずつ加算される方針が示されており、平成26年度は2億3千5百万円、平成27年度は4億7千百万円、平成28年度は7億7百万円が加算される見込みです。
また、平成27年度以降は人口密度等による需要の割増しと標準団体の面積の見直しの見直し方針が示されていますが、数字を試算できるような詳細な情報はまだ明らかにされていません。
これまで合併算定替と一本算定の差額を大雑把に約20億円と説明してきましたが、この見直しによって半分程度に圧縮されればと期待しているところであり、今後も継続して要望していきたいと考えています。 -
平成27年度における予算編成に関する基本的な考えについて
経常的な市単独補助金に対する基本的な考え方は削減の方向です。
しかし、補助金を資金源に公に資する活動を行っている各種団体の存続に影響を及ぼしかねないので、調整の難しいところですが、平成27年度予算の編成においてはいくつかの補助金の見直しを行うことになると考えています。
基金については、普通交付税の段階的な減額に備えて年度間の財源調整を主な目的に積み立ててきたものであり、今後の各年度の予算編成において必要に応じて出し入れを行うことになります。
産業振興について
農業政策について
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担い手確保対策について
新規就農者に対する給付金として国が行う青年就農給付金は所得制限があり、市独自の加算は今のところは考えていません。JAと協力した新規就農者の確保は、JA鷹巣町の協力のもとに平成24年に設置した営農研修センターでの研修生に対する助成を行っており、今後もこのような取り組みを支援しながら新規就農者の確保に努めたいと考えています。
また、市としての認定農業者の確保目標数は定めていませんが、平成26年3月末現在の認定農業者数(法人含む)は278名であり、うち70歳以上の認定農業者は45人であることから、高齢による離農等を考慮して平成32年度までに年間7人の青年新規就農者を確保する目標を定め、農地の維持確保と集積、規模拡大を図っていくことにしています。 -
農地中間管理機構の活用について
県内において、農地中間管理事業を秋田県農業公社が行うことになっていますが、窓口相談業務や出し手と受け手の掘り起こし等については、市が公社からの委託を受けて行っています。
これまで、受け手に対する説明会を3回、関係機関との意見交換会を4回、集落単位での説明会を4回開催した他、全農家に対する制度説明のリーフレットの配布や意識調査アンケートの実施、さらには市ホームページへの掲載を行うなど、中間管理機構の周知に努めているところであり、今後も関連資料の配布や戸別相談、集落説明会等の実施により、周知していきたいと考えています。
また、中間管理機構の有効活用のための農地集積センター等の組織については、公社からの委託業務により、年度途中から農林課内の担当職員の他、臨時職員を1名増員して業務を行っているところです。
なお、出し手と受け手の数と面積につきましては、11月末現在、出し手が33件、面積が33.1haとなっており、受け手は199件、面積が1,268haとなっています。 -
水田フル活用交付金の有効活用について
主食用米の在庫増大等により平成27年産米の生産数量が減り、生産調整面積が増加する状況下では、土地利用や農家所得の向上の面からも飼料米作付けについては、有用な生産調整の方策と認識していますが、飼料用米の作付拡大は、生産者・集荷業者・実儒者の連携が必要になります。
そのような中、JAあきた北央では、今年10月にJAあきた北央飼料用米利活用推進協議会が設立され、飼料用米による地域循環型への取組みや調査研究が行われると伺っていますが、市でも今後も生産者、JA、関係機関と連携しながら飼料米等の拡大を推進したいと考えています。
また、稲わらの利用については、耕畜連携助成の交付対象が稲わら専用種又は飼料用米となっていますので、品種の特性を検討しながら本市における稲わら利用を検討したいと考えています。 -
平成27年度の営農に向けての支援について
平成26年産米の概算金が大きく下落したことにより、農業所得も大きく落ち込むことが予想されていることから、市でも来年度の農家の生産意欲が減退するのではと危惧しており、両JAと協議を重ねているところです。
今後は、米の相対価格の動向や概算金の追加払いの有無をふまえ、農家の生産意欲の喚起と農家負担の軽減を図るため、生産調整を確実に実行し、農家所得の向上が見込める飼料用米や加工用米の種子助成と併せ、主食米の種子助成についても検討していきたいと考えています。
また、農地中間管理機構における担い手への農地や機械作業の集約による効率的機械利用体系の構築に必要な機械のリース導入については「攻めの農業実践緊急対策事業」によって、経営面積の拡大や農業経営の複合化、雇用等のための機械導入については「経営体育成支援事業」で支援することにしています。
なお、支援対象者は中間管理事業で規模拡大を行った農業者や、「人・農地プラン」に位置づけられた中心経営体です。
地域経済の振興について
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冠婚葬祭における地域振興券の活用について
市では、観光客やお土産品購入者への紹介用として、「北秋田市のおすすめ品」と称した市特産品のパンフレットを作成していますが、商品ギフトのような仕組みにはなっていません。
市特産品を活用したカタログギフトを作成するとした場合は、様々な分野の商品群を揃え、その内容も魅力あるものにしていくことが大切であると考えますので、商工会や市内の関係事業者の皆さんと連携を図りながら地元の商品を消費できる仕組みを検討していきたいと考えています。
中嶋洋子議員(みらい)
(順位:2-4)
森吉山県立自然公園を「十和田八幡平国立公園」に編入することについて
森吉山の自然を守る会、山岳会、有識者などから森吉山の現状と要望を聞くべきではないか
協議会を設立し、県と一緒に環境省へ運動を展開するべきでないか。
東日本大震災で壊滅した三陸国立公園のように地方創生事業の一つとして森吉山の国立公園への編入へ取り組むべきでないか。
森吉山を国立公園に編入という話は初めて聞いた話であるし、森吉山に関係する各団体からは一度も話しを聞いたことはない。国立公園にすることが地元にとって大きなメリットであれば、沢山の方々の声を巻き込んで一緒に行動すべきだと思いますが、周辺環境に影響を及ぼすというデメリットもあるため、各団体から話しを聞き見極めたうえで、様々な角度から勉強させていただきたい。
地方創生法案は最近可決されたばかりであり、東日本大震災での復興の観点から再建された三陸国立公園とは分けて考えなければならない。地方再生法案は地方再生への大きなチャンスであり、中身をしっかり検討したうえで、関係機関と連携をとりながら対応していきたい。