2014年12月21日
コンテンツ番号7464
森林資源との関わりについて学ぶ
「『古文書に見る』近世の村と林業」と題した講演会が12月21日(日)、阿仁ふるさと文化センターで開かれ、市内外から参加した約70人が歴史調査の意義や森林資源との関わりについて学習しました。
講演会は、地域に恩恵を与えた林業の歴史を学んで今後の方向性を探ろうと、市の提案型まちづくり事業を活用し阿仁合駅周辺活性化実行委員会と阿仁合駅ぶらぶらガイドグループの会が開催したものです。
講師は平成22年から北秋田市内で古文書調査を実施している筑波大学大学院生命環境科の加藤衛拡教授、滋賀県立琵琶湖博物館の渡部圭一学芸技師、日本学術振興会の芳賀和樹特別研究員の3人。
加藤教授は、北秋田市に調査に入り、阿仁の旧荒瀬村で肝煎りを務めていた湊家文書などの整理作業を進めてきた過程と意義を解説。「地域が多様な個性を持っているのが重要で、そのことを明らかにしたい。地域の未来を考えるには地域の歴史や個性を知ることが大切」などと話しました。
渡部学芸技師は、古文書を示しながら「単独では自立が難しい小集落であっても、それぞれが協力することによって、行政、日々の暮らし、資源利用などを支える仕組みが江戸時代から長く形成されていたことがわかった」と述べました。
芳賀特別研究員は、当時の絵図を紹介しながら、阿仁銅山が必要とする薪炭を材木山、炭木山、焼木山などの区域に分けて30年間供給できる林材計画を立てていたことなどを解説。さらに芳賀特別研究員は「林政史を専門にしていたが林材や薪炭の生産の研究が主で、草山のことが手薄になっていた。それは藩の資料に村人が日常的に使っていた草山がでてこなかったため。今回地方文書がでてきたので調査を進めていきたい」と話しました。