2014年11月21日
コンテンツ番号7443
鉱山文化の振興で地域活性化を
秋田大学「地(知)の拠点整備事業」フォーラム2014in 北秋田が11月21日(金)阿仁ふるさと文化センターで開かれ、約200人が参加して鉱山文化の振興による地域活性策を探りました。
地(知)の拠点整備事業は、地域から提案された超高齢社会を見据えた課題について、秋田大学と秋田県、事業参画市(北秋田市、横手市、潟上市)の3者が地域住民と協働で解決に向けた取り組みを進めるもの。北秋田市では、かつて鉱山で栄えた阿仁の文化を発掘・復活させ、これを核とした文化振興による新たな地域づくりを目指そうと「鉱山の隆盛がもたらした阿仁文化の現代への活用」をテーマとした取り組みが行われており、今回のフォーラムでは記念講演と事業報告が行われました。
はじめに秋田大学の澤田賢一学長が「北秋田市には文化を大切にし、それを継承していこうという地域としての意志と力強さがある。秋田大学としても市の教育、研修のフィールドとして多くの学生、教職員を地域に送り込み、問題解決に取り組んでいる。このフォーラムを契機に、秋田県、北秋田市、秋田大学の3者が、それぞれの持ち味を発揮し、緊密に連携し、大きな成果を上げることを確認したい」とあいさつしました。つづいて津谷市長は「市は、自然、歴史、文化等、地域資源の保全と活用をまちづくりの主要課題の一つに掲げている。鉱山で栄えた阿仁の文化を発掘し復活させ、これを核とした新たな地域づくりが大切であると考えている。鷹巣阿仁地域の礎となった阿仁鉱山を学び、文化を発掘させ、新たな地域づくりに取り組むことが北秋田市にとって意義があり重要であると考えている」と述べました。
フォーラムでは、高知大学教育研究部人文社会学科部門教授の荻慎一郎氏が「江戸時代の阿仁鉱山と地域」と題して記念講演を行いました。
講演で荻氏は「幕府は長崎輸出銅を確保するため、銅の流通を統制し、さらに1716年から長崎輸出銅の割当て制を敷き、秋田阿仁1120トン、別子・立川1020トン、南部尾去沢240トン、生野255トンなど主要銅山に課した。阿仁銅山は別子銅山と並ぶ二大銅山であった」と解説し、「阿仁で生産された銅は、長崎からアジア各国へ中国商人やオランダ東インド会社、対馬藩によって輸出され、日本のみならず各国の銅銭鋳造の原料となり、東アジアの経済発展にも大きく寄与した」と強調しました。
また、秋田大学北秋田分校長の濱田純氏が司会を務め、秋田大学教育文化部人間文化講座教授の志立正知氏、同教育文化学部地域社会講座教授の篠原秀一氏、同国際資源学部技術部技術専門員の千田恵吾氏が、これまでの事業報告を行いました。