2014年09月07日
コンテンツ番号7403
「秋田内陸阿房列車」を先行上演
平田オリザさんの脚本・演出による「秋田内陸阿房(あほう)列車」が、9月7日(日)にプレ上演され、市や国民文化祭の関係者のほか、一般招待者、報道機関など約30人が、角館駅発の演劇列車に乗り込みました。
秋田内陸阿房列車は、10月の「第29回国民文化祭あきた2014」のなかの『内陸線アート』の一環として、北秋田市と仙北市の共同事業として行われるもので、劇作家・平田さんが小説家の内田百閒(ひゃっけん)の紀行文を基に劇のために書き下ろし、20年以上にわたり各地の小劇場で上演されてきた平田版「阿房列車」を、秋田内陸線からの風景を織り込み、車内を劇場として限定公演されるもの。今回のプレ上演は、国民文化祭本番を1か月後に控え、関係者に演劇を公開してPRを図ることを目的に行われました。
この日、角館駅で行われたセレモニーでは、主催者を代表して津谷市長が「国民文化祭まで約1か月となり、たいへん盛り上がってきた。今日は普段の内陸線と違う景色を皆さんと一緒に楽しみたいと思っている。このプレ公演を通じて、秋田内陸阿房列車、国民文化祭のPRをしていただき、さらに盛り上げてくださることを期待する」などとあいさつ。続いて内陸線アート事業総合ディレクターの中村政人さんと平田さんがあいさつを述べ、そのうち平田さんは「母が大館市出身で、北秋田市にも親類がたくさんいることからも、このお話をいただいた時は、喜んで引き受けさせてもらった。これまで美術館や野外など様々なところで公演してきたが、列車で行うのは初めて。どうなるのか私たちにも分からないが、皆さんには楽しんでもらいたい」などとあいさつを述べました。
演劇列車の車両は、角館駅発の通常運行されている一両を貸し切りにしたもので、車内には中央に一段高くなった座席が設けられ、走行中の車両の中でも出演者の声が鮮明に聞こえるよう、所々にスピーカーが取り付けられています。
この物語は、汽車に乗った夫婦と偶然に相席することになった女性の3人が、移りゆく車窓の景色を眺め、何気ない会話をしながら共に旅をするストーリー。風景が移りゆくなかで、無言で車窓の風景を眺める場面も多く、夫婦のとりとめのない会話が独特の雰囲気を醸し出し、車内は普段は味わうことができない不思議な世界に包まれます。また、内陸線の沿線にある『田んぼアート』や名所をセリフに織り交ぜるなどしながら、汽車の進行とともに変わっていく風景に合わせて会話の内容も変化し、実際の列車を劇場とした演劇列車ならではの演出がされています。
本番の国民文化祭では、10月11日から13日までの3日間、それぞれ1日に角館駅発と鷹巣駅発の1回ずつ公演することになっています。鑑賞チケットは一般が5500円(前売5000円)、高校生以下・障がい者が5000円。チケット購入は、コミュニティステーションキタキタ(0186-84-8519)及びWEBチケット(http://engekiressha.peatix.com)で行っています。