2014年09月23日
コンテンツ番号7389
動物と共に生きる
秋田県が主催の「あに動物愛護シンポジウム」が9月23日(火)、阿仁ふるさと文化センターで開催され、女優の加藤夏希さんの記念対談やパネルディスカッションを聴きながら、動物愛度の取り組みと地域の活性化などについて考えました。
このシンポジウムは、阿仁熊牧場くまくま園のリニューアルオープンを機に、動物を大切にするというメッセージを発信しながら今後の動物愛護の取り組みや周辺地域の活性化を探るために、9月20日から26日までの動物愛護週間に合わせて開催されました。
開会にあたり、佐々木誠・秋田県生活環境部長が「平成24年4月の八幡平クマ牧場での痛ましい事故のあと様々な議論がありましたが、クマ達は阿仁熊牧場を安住の地として移ることができました。新しいヒグマ舎は昨年の7月に工事着手し、11月にはヒグマが移送され、今年の6月には運動場が完成。7月19日には『くまくま園』という愛称を付けながらリニューアルオープンし、9月21日の時点で1万8千人と大変多くの方にご来場いただいています。秋田県はくまくま園、秋田犬、猫のミール、男鹿水族館の豪太とクルミ、そういう意味で秋田県は極めて動物と縁のある県であり『動物に優しい秋田』を象徴するシンボルとなっています。命の尊さと大切さ、動物との共生を学習し体験する場所として、このリニューアルした熊牧場を北秋田市と共に県内外に強く発信していきたいと考えています」などと主催者を代表してあいさつしました。
次に、「人にやさしく、動物にもやさしい秋田」と題し、秋田県のイメージアップのけん引役「あきた美の国大使」として活躍中の女優・加藤夏希さん(由利本荘市出身)と、司会者の大島貴志子さんによる記念対談が行われました。このうち、加藤さんは「くまくま園のリニューアルオープンで、クマたちが安心して生活できる場所ができたことに安心しましたし、受け入れてくれた地元の方の優しさが素晴らしいと思います。子どもたちには、小さい頃から動物と親しむことで、自分や人間以外も成長し亡くなっていくという『命の大切さ』と『生きる』という事を心のどこかで感じ、優しい大人になってほしいと思います」などと語りました。
続いて行われた動物ふれあい体験では、岡村動物プロダクションの岡村淳市さんと岡村裕美さんが会場内でハリスホークを自在に操り、来場者を驚かせました。また、来場者の中から希望した方が、飛んでくるハリスホークを腕の上で受け止めるふれあいフライト体験も行われました。
最後に行われたパネルディスカッションでは、大森山動物園の小松守園長をコーディネーターに、加藤夏希さん、岡村裕美さん、阿仁地区猟友会会長の松橋光雄さん、マタギの里観光開発㈱の久住昭宏さんがパネリストとして参加し、「動物と共に生きる~一人ひとりができること~」をテーマに、4人のパネリストが動物に接するそれぞれの立場で答弁をしました。このうち、実際に熊牧場で熊の管理を行っている久住さんは「くまくま園は研究施設も併設しており、皆さんに熊の生態をじっくり観察してもらいたい。そして、自然を愛する施設として何度も訪れてもらえるような園づくりをしていきたい」と決意を述べました。
パネルディスカッションの最後は、小松園長が「動物と共に生きるためには、動物に対する愛情を持つことが大事であり、その気持ちは豊かな自然から育まれると考えている。熊牧場が『人間と動物は生かし、生かされている』という姿勢を学ぶ場所として外に発信することにより、北秋田市だけでなく秋田県の刺激になるのではないか」とまとめ、来場者は動物を大切にする愛護の心と、秋田の自然が生みだす環境の素晴らしさについて再確認する機会になりました。