2014年09月27日
コンテンツ番号7385
定期検診を心がけて、がんの早期発見を
北秋田市医療講演会が9月27日(土)、北秋田市文化会館で行われ、日本人の死因のうち3分の1を占めるがんについて講演を聴きながら理解を深めました。
今回の医療講演会は、胃がん手術の分野でご活躍されているスーパー外科医の東京医科歯科大学低侵襲医学研究センター特任教授小嶋一幸先生が講師を務め、「体にやさしい胃がんの腹腔鏡下手術」と題して、小嶋先生自身にも北秋田市民病院で執刀していただいている胃がんの腹腔鏡下手術について講演が行われました。小嶋先生による講演は、昨年11月に行われた医療講演会で行われる予定でしたが、濃霧により飛行機が着陸できず、講演が中止になっていたものです。
開会にあたり、津谷市長が「市のがん治療を取り巻く環境は、秋田県内の2次医療圏の中で唯一がん診療連携拠点病院、がん診療連携推進病院のない医療圏であり大変厳しい状況です。このような中、がん治療の質の向上のために秋田大学のご指導のもとに、昨年度よりがんプロフェッショナル養成基盤推進プラン、次世代がん治療推進専門科養成プランにより北秋田地域の医療レベルの向上に向けて取り組んでいます。ご講演いただく小嶋先生には胃の腹腔鏡下手術を北秋田市民病院で執刀していただいており、市民病院の外科の先生方にも最先端の医療技術を指導いただいています。このような最先端の治療が、この北秋田市で受けられることを市民の皆さんに知っていただくいい機会だと思っており、市でも皆さんが安心して暮らせるように市の医療のさらなる向上に鋭意取り組んでいきますので、更なるご理解とご協力をお願いします」などと主催者を代表してあいさつを述べました。
このあと、北秋田市民病院の神谷院長を座長に講演が始まりました。小嶋先生は、腹腔鏡下手術について「従来の開腹する手術に比べ、傷も小さく治りも早いため入院日数も短くて済む。また、術後は合併症も少ない。医師側も、肉眼より確実な高性能のカメラでモニターを確認しながら、細かくて緻密な施術ができる」と説明し、北秋田市民病院においても東京医科歯科大学と同じ設備を整えているため、同じ施術が可能なことを紹介しました。
そして、日本人の死因の3分の1を占めるがんのうち、かかる可能性の高いがんは胃がんが男性では1位、女性では3位と紹介しながら、「特に60歳から80歳までにがんになる確率が高くなる。がんは進行してしまうと転移し、腹腔鏡下手術では根元から直すのは難しくなります。タバコと塩分は控えて緑黄色野菜や果物でがん予防に努め、危険因子とされるピロリ菌を除菌するためにも定期検診を心がけて早期発見早期治療につとめましょう」と呼びかけました。