2014年08月07日
コンテンツ番号7371
中学生議員がまちづくりへの提案
きたあきた子ども議会が、8月7日(木)議事堂で開かれ、15人の中学生議員がまちづくりに対する新たな提案をして、津谷市長の考えをただしました。
子ども議会は、次代を担う子どもたちが、行政や市の課題に関心を持ち理解を深めるとともに、本市の教育課題である「問いを発する子ども」の育成と、ふるさとを愛し支える自覚と高い志をもつ子どもの育成などをねらいに開催されました。
議員には、市内5校の中学校から3人ずつ選ばれ、事前研修として議会の仕組みや議員の役割、市の主な施策・事業について学習しました。また、 議長団のほか、安全で住みよい街、観光・産業、教育・スポーツ、健康・福祉のテーマごとのグループに分かれて、議事の進め方、質問書や資料などを作成し、議会に臨みました。
市当局からは、通常の市議会と同様に、津谷市長、虻川副市長、工藤副市長、三澤教育長を始め部長や担当課長が出席しました。
議会では、議長団による開会宣言、経過説明に続き、「北秋田の歴史や文化に関心を持ち、北秋田の将来を支える一人として学んでいきます」など5項目からなる「きたあきた子ども議会宣言」(案)が議長団から提案され全会一致で採択されました。
この後、4つのグループの子ども議員が「市民が一斉に雪かきをする日を設けてはどうか」「北秋田市の名所をめぐるツアーをつくったらどうか」「チャレンジデーで金メダルを目指すための取り組みは」「高齢者を支えるシステムについて」など8項目について、提案も入れながら分かりやすく質問しました。この内、「市民が一斉に雪かきをする日を設けては」の質問に対しては、津谷市長が「一斉雪かきは、お年寄りの方々が助かるだけでなく、地域の皆さんと話をし、元気をもらうことができるすばらしい取り組みだと思います。どのような工夫をすればみんなが参加しやすい雪かきが可能となるかを検討したい」と答弁しました。 また、「高齢者を支えるシステムについての、テレビカメラや音声付きの通信機器の配布やお年寄りが使いやすく、便利なシステムをつくっては」との提案に対しては、「これからお年寄りにとって、より使いやすいものが製品化されることを望みながら、市として今できることから取り組み、高齢者を支えるシステムをつくりたい」などと述べました。
傍聴席には、保護者や先生、市議会議員など多くの傍聴者が詰めかけ、子ども議員による議事進行や質問に熱い視線を注いでいました。
閉会にあたり、議長団を務めた福森樹さん(阿仁中3年)が「市の行政の内容や議会の仕組みなどについて知ることが出来たこと、市の未来について考える機会をいただいたことなど、たいへん勉強になりました。この経験を学校生活や自分の生き方にも生かしていきたい」と子ども議員を代表してあいさつしました。
閉会行事では、子ども議員が感想発表を行い、最後に松尾秀一市議会議長が「どのグループも市の懸案事項について要点をついた鋭い質問内容であったと思います。子ども議会宣言は、ふるさと北秋田市を思う気持ちを表現し立派で、議長団も円滑な議事運営がなされ素晴らしかった。これからのまちづくりには、皆さま方の若い力と新しい発想が大切ですので、今まで以上に市政に関心を持っていただきたい」と講評しました。
きたあきた子ども議会宣言】
- 仲間と共に、今しかない時間をより有意義なものにしていきます。
- 自分の行動に責任を持ち、良好な人間関係を構築できるように行動します。
- 周囲に気を配り、人の力になれるよう自主的に行動します。
- 北秋田の歴史や文化に関心を持ち、北秋田の将来を支える一人として学んでいきます。
- 精神力・判断力・礼儀を身に付け、逆境も仲間と支え合い、乗り越えていきます。
主な質疑は次のとおりです。
◎北秋田市は降雪量が多く、お年寄りで一人暮らしをしている人は、雪かきがたいへんなので、市民が一斉に雪かきをする日を設けてはどうでしょうか
▽市民で一斉に雪かきを行うためには、雪かき後の排雪作業や必要な機械の準備などの関係から、広い面積を持つ北秋田市では、一斉に行うことは難しいところですが、自治会ごとに区域を分けて、地域の皆様のご協力をいただきながら、実施する日にちをずらして行うなどの工夫により、可能になるのではと考えています。
一斉雪かきは、お年寄りの方々が助かるだけでなく、地域の皆さんと話をし、元気をもらうことができるすばらしい取り組みだと思います。市としても、どのような工夫をすれば参加しやすい雪かきが可能となるのかを検討していきたいと思います。
◎北秋田市の自然を生かして、名所をめぐるツアーをつくってはどうでしょうか。
∇市内には名所があるにもかかわらず、北秋田市民の中には、「聞いたことはあるが行ったことがない」、あるいは「観たいけど交通手段がない」といった方もいると思われます。市では、内陸線やタクシーを利用して観光地へ行ける「乗合タクシー運行事業」や、内陸線・タクシー・遊覧船などの交通機関を格安で利用して、主要な観光地3コースを選択できる「森吉山観光パス」といった商品を作っていますので、市民の皆様にもぜひご利用いただき、地元の見聞を広めていただきたいと考えています。
ご質問は、新たな取り組みとして、すばらしいご提案であると思いますので、充分検討させていただきますが、まずは本日の子ども議員の皆様を始め、市民の皆様が身近な地元の観光地や観光施設を訪れ、その魅力を感じていただきたいと思います。そして、その体験を基にしたツアーメニューのご提案や、どうすれば興味を持ってもらえるのかなどのアイデアをいただければと考えています。北秋田市は全域が観光名所であり、市民全員がツアーガイドであるという気構えで、皆様と一緒に市の魅力を全国に発信していければと考えています。
◎チャレンジデーで金メダルを目指し、どんな取り組みをしていきますか。
▽自治会長会議や町内会の会議など、機会あるごとにチャレンジデーをPRしながら、将来的には、自治会や町内会の年中行事になるようにお願いをしていきたいと考えていますし、市内の企業にも、会社ぐるみで取り組んでもらえるようにお願いし、参加率50%以上を目指したい。
今後とも、多くの市民の皆さんに気軽にチャレンジデーへ参加していただくことで、地域のコミュニケーションが図られ、地域が活性化されるとともに、スポーツ通じた元気なまちづくりを目指していきたいと考えています。
◎一人暮らしのお年寄りが、安心して毎日生活できるように、お年寄りと病院や消防署、地域の人をつなぐ通信システムを作ったり、テレビカメラや音声付きの通信機器を配布したりしてはどうでしょうか。
∇現在、当市では緊急通報システム「あんしん電話」事業を行っています。これは、65歳以上の一人暮らし、又は、高齢者のみの世帯に緊急通報装置を無料で貸し出すもので、ボタンを押すだけで、消防署へ直接通報が届くシステムです。さらに、社会福祉協議会へ直接電話が通じ、何か困ったことがあった時に気軽に相談することができるようになっています。
また、「テレビカメラや音声付きの通信機器の配布やお年寄りが使いやすく、便利なシステムを作っては」とのご提案ですが、今は、パソコンやインターネットが普及している現代社会とはいえ、お年寄りには、より簡単な操作で使えることが何より大事ですので、これからお年寄りにとって、より使いやすいものが製品化されて、将来的に皆さんの家庭で使用できるようになることを望みながら、市として、今できることから取り組み、高齢者を支えるシステム作りをしていきたいと思います。
一人暮らしのお年寄りが安心して毎日生活ができるように、また話し相手ができるようにという、思いやりのある優しいご提案をいただきありがとうございました。