2014年06月20日
コンテンツ番号7305
企業誘致についてなど5議員が質問
平成26年北秋田市議会6月定例会の本会議が、6月20日(金)に議事堂で再開され、5議員が「企業誘致について」や「移住人口について」などの事項について一般質問を行いました。
このうち、企業誘致の取り組みについての質問に対しては「働く場の確保については、市民の期待が大変大きいものであると認識してる。取り組みとしては、県主催の東京、大阪、名古屋で開催されるセミナーに継続的に参加し、様々な企業や関係機関との情報共有を図っていくほか、市内進出企業の親会社や関連会社等を訪問し、情報交換や企業側からの要望等を聞きながら信頼関係の構築を図っていく。また、企業誘致に係る担当職員を首都圏に専従させることも視野に入れながら、首都圏企業の情報収集を積極的に行っていく」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
松橋隆 議員(みらい)
(順位:2-1)
企業誘致について
今までに企業誘致に取り組んできた結果の検証をしているのか
現在、市内に所在している県及び市指定の誘致企業は32事業所。合併以降は3つの企業による進出または新設があり、着実に誘致企業による雇用が拡大されてきたが、一方では撤退や倒産をした事業所もあった。全県的には「秋田県・県内市町村と誘致企業との懇談会」が年に1回開催され、市独自でも市内の誘致企業との交流会を行ない、様々な意見交換や情報交換を行ってきている。進出いただいた理由や進出に至らなかった理由等を検証しながら、市として対応が可能か、あるいは県へ要望しなければ実現できない事柄なのかなどを分析して取り組んでいる。
現在北秋田市独自で誘致に向けて折衝している企業はあるのか
事業拡大や進出の意向がある企業には積極的に、国や県及び市の補助金や制度を紹介し、密接な連絡を取りながら、当市への進出を検討していただいている。先方の立場や戦略的考え方などもあることから、詳細な発表は控えさせていただくが、現在数社の企業と折衝中です。
合併当初(17年6月議会)私は企業誘致対策室の必要性を訴え18年4月に対策室が設置され専任職員がいたはずでありましたが現在はそれが見当たりません。どういった理由で廃室になったのかお伺いいたします
企業誘致推進室は、平成17年10月1日に企画部内に専任職員1名を含む3人体制で設置されていたが、平成18年7月から産業部に所属が移り、平成21年4月の機構改革を経て、産業部商工観光課商工労働班が企業誘致に関する事務を引き継いだことにより、発展的に廃止されたものです。
企業だけではなくて国、県の分室あるいは研究所みたいな役所の誘致は考えられないか
あらゆる分野へのアプローチはもとより、秋田県東京事務所との情報共有を密接にしながら、情報の収集を進めている。打当地区の秋田県内水面試験池で予定されている「クニマス増殖事業」については、地域産業への波及効果や雇用増大に繋がるものとの観点から、積極的に施設の規模拡大等への働きかけを行っていきたい。
今後この企業誘致に関しての取り組みについて基本的考え方を伺いたい
企業誘致による働く場の確保については、市民の期待が大変大きいものであると認識しています。隣の大館市をはじめ、県内各地で企業誘致に成功していることから、当市においても空港と高速道路が交わるという地の利を生かしながら、その他の条件整備を行って積極的に誘致に繋げていく所存です。具体的な取組みとしては、県主催で東京、大阪、名古屋で開催される「あきたリッチセミナー」に継続的に参加しながら、様々な企業や関係機関との情報共有を図っていくほか、市内進出企業の親会社や関連会社等を訪問し、施設の増設や雇用の増大についての情報交換や企業側からの要望等を聞くことで、企業との信頼関係の構築を図っていく。また、企業誘致に係る担当職員を首都圏に専従させることも視野に入れながら、首都圏企業の情報収集を積極的に行っていきたい。
介護予防について
先進的取組自治体は
介護予防において、全国的に注目されている埼玉県和光市の取り組みを紹介します。和光市では、要介護状態になる前のケアを重視した予防型の仕組みをいち早く確立しており、具体的な事例としては、高齢者になるべく外出してもらうように、歩いていける範囲内にたくさんの小規模な施設を設置し、そこでトレーニングマシーンを使った運動や地元の野菜を使った料理教室の開催などを行っているとのことです。また、「アミューズメント・カジノ」の施設を造ったり、学校の空き教室を利用した「喫茶サロン」の提供と併せて看護師や管理栄養士による複合的なサービス行うなど積極的な介護予防事業を実施した結果、要介護認定者数が5年間で12%から10%に下がったという報告もなされているとのことです。
当市の介護予防への取組~成果は。
当市の取り組みとしては、介護認定を受けていない方のうち、機能低下が考えられる方に対して、理学療法士による運動機能訓練や訪問型運動指導を実施したり、また、保健師や歯科衛生士、栄養師による各種健康教室を開催し、高齢者の低栄養改善を含めた介護予防事業を行っています。平成25年度中に実施した介護予防教室には、121名の参加者があり、運動機能の向上がみられたほか、地域交流の場を兼ねて自主的に活動を継続している地域もできています。要介護の原因では、脳血管疾患のほか、心臓病や糖尿病などの生活習慣病によるものが最も多く、要介護リスクが高くなる前に生活習慣を改善することが大切です。そのためには自分の健康状態を知ることが必要であり、市では健康ガイドに年間の各種検診や健康教室、介護予防教室の開催日程を掲載しています。
移住人口について
移住者に対しての対応、対策は。
大森議員へのご質問でもお答えしましたとおり、移住・定住対策として、昨年から策定を進めてきた「定住促進基本方針」を3月に成案化し、事業の実施に向け準備と検討を進めてきました。既に開始している事業としては、市のホームページのリニューアル事業や保育料の階層区分の見直しを行っており、今後具体化する事業としては「北秋田市奨学金返還支援制度」の創設や空き家バンク制度などの実施について検討しています。
この2、3年の旧町ごとの移住者の数は。
平成24年度は市全体の転入者が640人で、その地区別の内訳は、鷹巣415人、合川87人、森吉76人、阿仁62人となっています。平成25年度は市全体の転入者が615人で、その地区別の内訳は、鷹巣404人、合川84人、森吉79人、阿仁48人となっています。
佐藤重光 議員(新創会)
(順位:2-2)
市政について
2期目の市長の公約について。8つの目標は力強く前進しているのか
1つ目の「財政の健全化」については、実質公債費比率、将来負担比率等の25年度の数値が、まだまとまっていませんが、ここ2・3年の数値と大きく差がでるとは考えていません。また、財政調整基金残高ですが、平成25年度末では24年度末よりも7億9千6百万円増の62億3千4百万円を見込んでおり、地方交付税の一本算定による減少に備えた取組みを進めています。
2つ目の「中心市街地活性化」については、積雪寒冷期における高齢者などの歩行者に配慮した、歩いて暮らせる街づくりと、児童生徒の安全な登下校や人のにぎわいのある中心市街地の形成に適した歩行空間の確保を図るため、鷹巣駅前の歩行空間整備事業を平成29年度の完成を目指して取り組んでいます。(仮称)生涯学習交流施設については、中心市街地活性化に向けたワークショップを開催し、市民の声を反映させた賑わいづくりの具体策をまとめていきます。
3つ目の「交流人口と雇用の拡大」については、(仮称)生涯学習交流施設を拠点として、特産品の開発やチャレンジブースなど、空き店舗解消に向けた商業関係者の育成や、賑わい創出のための交流事業の実施、さらには新たな来訪者を呼び込むイベントの開催などに取り組むほか、観光情報の発信や中高生の自由な交流の場と活発な市民の活動の場を創りあげることで、交流人口の増加につなげていきたい。また、平成25年度から事業実施している「まるごと森吉山観光振興プロジェクト」の着実な実行をとおして、交流人口を拡大し、活性化を図ります。青少年による国際交流として、昨年度は市内の中高生5人が中国への訪問しましたが、今年度は中国から学生を受け入れ、交流を深めることとしています。珪藻土については、新たな商品開発を支援し、雇用につなげていきます。
4つ目の「生み育てやすい子育て環境の整備」については、平成24年度に設置した「保育園等の在り方検討委員会」の提言を受け、昨年度「保育園等整備計画」を策定しており、今年度は、子育て世帯の負担軽減を図るため、保育料の引き下げを行いましたし、今後も生み育てやすい子育て環境整備のための事業を順次展開していきます。昨年度からは、新たに不妊・不育症治療費の助成を行っており、特に特定不妊治療に関しては県の助成費に市単独で上乗せを行っていますし、一般不妊及び不育症治療助成は、市独自の取り組みです。
5つ目の「再生可能エネルギーへの取組強化」については、遊休地へのメガソーラーの誘致に取り組んでおり、昨年、種苗交換会跡地に設置されたメガソーラー施設は順調に稼働しておりますし、本日は市民を対象とした啓発イベントが開催されることになっています。また、ケアタウンたかのす横に設置された施設では、今年の夏にも売電が開始される見込みとのことです。公共施設においても、各所にLED街路灯を設置するとともに、統合合川小学校、森吉庁舎、消防本部などに太陽光パネルと蓄電池を設置することとしており、再生可能エネルギーの積極的な導入に努めています。
6つ目の「住宅支援と定住促進」については、子育て世帯支援策として、県の福祉医療制度に市独自の上乗せをすることで、全ての小学校生の医療費無料化をはじめ、中学生についても、入院は全て無料としたほか、外来時の医療費も1診療当りの月額上限を1,000円とする制度を実施しています。
7つ目の「産業の振興」については、夢プラン実現事業等により、市内の6認定農業者が機械・施設の導入を行い6次産業化に取り組んでいるほか、市単独では昨年度からマーケティング活動や販売ルート開拓のためのソフト事業である「推奨品目等販売促進事業」を実施しており、両JAと1農業法人が取り組んでいます。また、住宅リフォーム緊急支援事業については、今年度も継続して実施しており、平成22年度から25年度までの実績は、1,569件、補助対象工事費33億3千73万8千円、補助額2億2千924万4千円となっています。
8つ目の「スポーツ振興と芸術文化活動の推進」については、誰もが気軽にスポーツを行うことができるよう、総合型地域スポーツクラブの各中学校区1クラブの設立に向けて取り組んでいます。今年3月には、合川スポーツクラブが設立され、残る阿仁中学校区でも設立準備委員会が立ち上がっており、引き続き設立支援を行っていくとともに、子どもから高齢者までスポーツに親しめる環境づくりを推進していきます。また、国民文化祭については、北秋田市主催事業である「チェンソーアートフェスティバル」「内陸線アート」「現代詩フェスティバル」とも開幕の準備が順調に進んでおり、広く県内外から多くの方に当市を訪れていただくよう情報発信に努めています。世界遺産登録を目指している伊勢堂岱遺跡は、5カ年計画で見学環境整備を実施しており、今定例会に提案しているガイダンス施設の建設に加え、駐車場、遺跡内看板などの整備を進めていきます。また、後継者の育成が課題となっている伝統芸能の伝承については、市の無形民族文化財に指定するなど保護、保存に努めています。
以上、今までの取り組みの状況の一部をご報告申し上げましたが、これらに留まらず、活力ある元気な北秋田市の実現に向け取り組んでいきます。
今後の政策を推進していくうえで
人口減少社会への対応について
若者定着や少子化対策、経済規模や活力の維持、平成37年度における人口目標2万9千人への3つに対する取組については、昨年から策定を進めていた「定住促進基本方針」を本年3月に成案化し、事業の実施に向け準備・検討を進めてきました。既に開始している事業としては、市のホームページのリニューアル事業や保育料の階層区分の見直し、今後具体化する事業としては、「北秋田市奨学金返還支援制度」の創設や、空き家バンク制度などを検討しています。
元気な長寿社会に向けた医療、福祉について
生涯を通じた健康増進と高齢者を地域で支える体制づくりに向けた施策としては、各種検診事業の実施により生活習慣病の予防やがん等の早期発見・早期治療に向けた取組みを行うとともに、高齢者に対しては、介護予防対策としての予防教室を行うなど、保健部門と介護部門との連携を取りながら実施しています。今後も「自分の健康は自分で守る」という意識の高揚を図りながら、それぞれのライフステージに応じた健康づくりに取組み「健康寿命」を延ばしていけるような施策を講じていきます。また、医師確保策の一環として「秋田医師総合支援センター」との連携については、現在、「秋田医師総合支援センター」のセンター長が、当市の新医療整備基本構想を策定した際に座長を引き受けいただいた長谷川教授という縁もあり、医学生の研修会等を北秋田市民病院で開催していただくなど、機会あるごとに協力をいただいています。また、高齢者の方々が住み慣れた地域で安全・安心に暮らしていくために今以上の努力をということについては、医療・介護・福祉の連携による安定したサービス提供と地域全体で高齢者の自立した生活を支援するための取組みが必要であり、市では平成27年度より始まる「高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画」の中で医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが適正に提供できる「地域包括ケアシステム」を構築し、早急に具現化できるよう取り組んでいきます。
国の米政策見直しへの対応について
今回の政策の見直しが土地利用型農業中心で、コメへの依存度の高い本市農業に与える影響は多大であることから、憂慮の念を強くしています。国はこの改革を実効性のあるものとするために、米政策の見直しや経営所得安定対策の見直しと併せ、農地中間管理機構の整備や日本型直接支払制度の創設を行いました。市としても、国や県の施策や活用方策等について農家へ周知して、米依存からの脱却に向けた構造改革を推進するため、国県事業への協調助成や市単独事業の拡充に努めたい。
農業政策について
重点事項9つについて
県では「ふるさとあきた農林水産ビジョン」を見直し、今年度からビジョン実現のため各種施策を展開しており、市としても活用方策等について農家に周知を図り、事業導入にあたっては指導・助言や協調助成を行い取り組んでいきたい。
農地集積の取組について
中山間地域の農地における集積の支援策については、今年度に創設された農地中間管理機構の業務として、市が事務委託を受け集積から農地の配分計画の作成までを行うことになるので、議員が危惧されていることにも、十分留意して取り組んでいきたい。また、農地集積の出し手となる農地面積と農業者数については、中間管理機構による出し手、受け手の公募が7月となっていることから、現段階では把握できていないが、市内認定農業者を受け手として考え、それ以外の農家を出し手とすると、農地面積は2千462ha、経営所得安定制度への加入者は2千650人。そして、2014年の農家戸数は4千90戸で、年齢別農業者はでは20代が879人、30代が895人、40代が1千15人、50代が1千854人、60代が2千549人、70代が2千156人、80代以上が2千134人となっています。また、今後計画されている基盤整備の地区名と面積については、カラムシ岱地区40ha、三ッ屋岱地区63haですが、これ以外にも今年度に入ってから、数カ所で基盤整備に向けた動きがあると聞いています。
経営所得安定対策の見直しについて市の支援策は
経営所得安定対策の見直しは、今回の農政改革の目的が主食用米偏重から、需要のある作物の生産を併せ、農業を足腰の強い産業とするための構造改革であり、従来の経営所得安定対策では一律の支払方式であったことから、構造改革にそぐわなくなってきたため、一定期間をかけて減額及び廃止をすることになったものです。市としても、先にも述べまたように、米依存からの脱却に向けた構造改革を推進するため、拡充された産地交付金の交付単価の見直しと併せ、国や県の施策や活用方策等を農家へ周知し、国県事業への協調助成や市単独事業の拡充に努め、農家負担の軽減を図りたいと考えています。なお、米の直接支払交付金の従来単価と半減された単価での交付金の差については、今年度は6月30日が申込締め切りとなっていますので、未確定ですが今年度配分した作付配分面積から推定すると2億3千5百12万5千円になります。
水田フル活用と飼料用米策について
飼料用米の振興策については、昨年までは飼料用米を産地交付金の対象としていませんでしたが、今年度からは産地交付金の産地戦略加算枠で飼料用米の作付に対しても10aあたり6,000円を交付することになりました。また、水田活用直接支払交付金が数量払いへ変更になったほか、水田フル活用ビジョンの策定による産地交付金の追加払いが行われるなど各種助成がありますので、実需者情報など関係機関との連携を密にし、情報収集に努め農家への周知を図りたいと考えています。
山田博康 議員(清和会)
(順位:2-3)
熊牧場の今後
県との関係と市の主体性について
ヒグマ受入れの際に締結した県との覚書にもあるように、秋田県と北秋田市は協働して誘客推進を図って行くこととしています。昨年7月に設置した阿仁熊牧場利活用推進協議会の委員会、専門部会からの提言や利活用に向けた各種取り組みへの連携においても、市が主体性を持って、地元やその他の地域との連携・交流を深めながら、体験型メニュー創設や子供達を対象とした「命の尊厳」を学べる場の提供など、様々な取り組みを推進していきます。
リニューアルオープンをどの様に行い、地元住民の参加をどのように考えているか
7月19日からのリニューアルオープンに関しては、記念式典を市が実施し、関連イベントは行政、施設管理者、地元自治会代表者、観光関連事業者等で組織する実行委員会が実施する計画で進めています。地元住民の参加については、阿仁地区の子供達による記念式典への参加や郷土芸能出演などにより、賑わいづくりに協力していただくほか、オープンから3日間は、地元3自治会員の皆様による駐車場誘導や交通整理、さらにはマタギの里観光開発株式会社による山菜やお土産品等の物販活動など、地域を挙げてのイベントに向け、大変温かいご協力をいただいています。
県内、首都圏旅行業社等への情報発信といかにして誘客の拡大を実現するか
ヒグマ舎建設にあたっての経緯等については、既に秋田県民をはじめ、多くの方々に周知されているものと認識していますし、全国的にも注目された施設ですので、リニューアルオープンを契機に市内観光関連施設への周知や市ホームページへの掲載はもちろん、全国的にも大きな発信力を持っている利活用推進協議会の方々にも、広くPRをお願いしたいと考えています。また、各報道機関を対象とした開園前の内覧会を催すことで、広く情報提供することにいたしています。更に県と協働して県内外あるいは首都圏へのPR活動用の宣伝用パンフレットを作製して周知を行うとともに、観光関連業者への働きかけを強化して、誘客促進を図っていきます。
熊研究所の設置と研究者の継続的受入、研究発表会の継続的開催に向けた財政支援の確立
熊研究所の設置については、平成4年9月に、旧阿仁町において「阿仁ツキノワグマ研究所」を設立して、研究並びに研究員を受け入れた経緯がありますが、現在は休眠状態となっています。現在の阿仁熊牧場では、北海道大学大学院獣医学研究科がツキノワグマを対象に研究に取り組んでおり、今回のツキノワグマ異常死の原因究明についての調査依頼を行った機関でもあり、今年度からは牧場内の個体異常や死亡等に関する原因究明についても協力をお願いし、研究内容や成果品データ等を大学と市が共有するほか、研究成果を披露する講演会を実施するなど、活動が見えるような取組を検討していきたい。
⑤マタギ文化継承の具体的取組
マタギ資料については、大変貴重な資料であり、散逸しないよう保護するため、平成25年3月12日に「国重要有形民俗文化財」として293点が国の指定をされている。現在、保管について市と個人所有者の方々と継続協議しています。また、伝統狩猟技術や儀礼の復元など記録保存として残すため、阿仁地区猟友会が中心となり「伝統狩猟保存継承事業」を25年度と26年度に行っています。内容は古くから伝わる猟場および猟法を選定し、山入り、クマ引き、ケボカイまで一連の儀礼を復元、記録をするもので、今年は5月3日、4日に東北芸術工科大学、北海道大学、秋田県立大学の協力を得て行われています。「マタギ文化」は北秋田市にとって貴重な財産であり歴史ですので、今後も各関係者、関係機関と協力しながら保存・継承に努めていきます。
ふるさと会への対応
ふる里会の現状認識について
先日開催された「東京圏あに会」では、武田会長を始め、事務局の皆様のご尽力により、170名の参加のもと盛会に終わったものと伺っています。また、あに会以外のふるさと会についても、参加者の大幅な減少は見られず、今後も北秋田市の発展・繁栄に支援と協力いただけることを期待しています。
会員拡大への行政の支援、取組み
「若い世代の会員拡大に向けた行政としての支援策は」との質問ですが、若い世代の会員拡大は、全てのふるさと会の共通の課題と考えられるが、若い世代の参加が少ない要因としては、経済的な要素があるものと認識しています。市としては若い世代に参加を呼び掛けるため、市のホームページやツイッターの活用を検討しながら、情報発信を支援していきたいと考えています。
合同ふるさと祭りを今後どの様に考え行政の支援はできないか
合同ふるさと祭りは、平成24年度に一度開催されています。今後の合同ふるさと祭りへの関わりについては、参加者のほとんどが旧町時代に故郷を離れた方々で旧町に深い思い入れがあること、また、それぞれのふるさと会に事務局があることから、事務局の意向を尊重したうえで、市としてできる範囲で支援を行っていきたい。
三浦倫美 議員(共産党議員団)
(順位:2-4)
平成27年度国勢調査について
国勢調査時の人口が、以後5年間の地方交付税の算定に重要である。と聞いているが、市は、平成27年度の人口増減に対して、どのような認識と対策を持っているのか
国勢調査人口は地方交付税の普通交付税における主な算定基礎であり、その影響額は平成25年度算定ベースで1人当たり約9万円となっています。ついては人口減少に歯止めをかけるべく、「定住促進基本方針」による事業をはじめ、さまざまな施策を展開していきます。
北秋田市後期基本計画について
目標年度平成27年度の人口激減を食い止めるための重要課題について
-
通院や買い物などの公共交通網の整備について
市民の実情をどう受け止めているのか 市では、内陸線や路線バスのない地域における乗合タクシーの運行や平成22年4月の北秋田市民病院開院に伴う路線の新設や延伸などを行うことで、地域住民の利便性の向上を図ってきましたが、人口減少とマイカー利用の増加等により、利用者は減少傾向にあり、路線存廃の検討が必要となっているのが現状です。利用者の減少傾向は今後も続くものと考えられますが、バス路線等の存続を望む声があることは充分に認識していますし、また、本市のように高齢化の進行が著しく、高齢者比率が高い地域では、公共交通への期待がむしろ高まってくるものと考えていますが、先ずは地域の方々に公共交通機関に対する理解を深めていただくことが大切であり、そのためには各交通手段の利用啓発や利用状況に関する広報と情報提供が必要と考えています。また、公共交通手段の空白域の解消に向け、今年度は、福田、新田目、本城、御嶽、向本城、道城、上杉、下杉の各地区から市民病院への通院手段としての路線運行を計画しており、既に関係する自治会役員の方々への事業概要の説明を終えています。今後は、北秋田市地域公共交通会議を経て、夏頃には詳細な実施計画等を詰めたうえで、10月からの実証運行を目指しています。なお、今回の実証運行の状況を検証しながら、路線バスの存廃とデマンド型交通網の拡大についての検討を進めていきたいと考えています。
-
雪対策について
-
縮小された福祉の雪事業を元に戻し、さらに事業内容充実を求める 福祉の雪事業は、高齢者や障害者等に対して、冬期間の在宅生活のための除排雪と雪下し等の援助を行うことにより、自立した生活の継続を可能にすることを目的として実施しています。昨年度に行った事業の見直しについては、所得制限を設け、住民税非課税世帯を対象としましたが、これまでの対象世帯の他に、中学生までの児童と暮らすひとり親家庭にも事業対象を拡大することで、真に必要な方々に対する支援を手厚くしたものです。なお、昨年の見直しにより、制度の対象でなくなった方々にも、引き続き業者の斡旋を行っており、110世帯より要望を頂いています。また、各地域福祉センターには、自治会やボランティアの方に使用していただけるよう、貸出し用の除雪機を備えていますので、自治会等での作業の際には、ご活用いただきたいと考えています。
-
道路除排雪作業オペレーターの技術向上サポートと待遇改善を求める 技術向上のサポートについては、特に免許取得から間もない場合や除雪業務の経験が少ない場合には、各地区ごとに除雪開始時までに熟練職員が直接指導を行っています。また、オペレーターの待遇については、非常勤職員の給与体系を参考に関係部署と協議し決定しており、平成25年度には前年対比約6%増の賃金見直しを実施しています。
-
「かどぐち」除排雪について特別の対策を求める 現状における基本的な除排雪業務は、限られた除雪機械で通勤や通学時間帯に合わせ、幹線道路や生活道路の安全な交通の確保を図るために行っているところであり、「かどぐち除雪」については、これまでも地域住民の皆様へご協力をお願いしています。特に作業が大変な高齢者の除排雪に対する援助については、地域の自治会や町内会が一体となって活動を行っているところも増えているようですが、市としても昨年度から現実的に対応が可能なものかどうか、他自治体の取組の調査や庁内の関係部署間で協議し、本年度も引き続き検討を進めることとしています。
-
雪資源の利活用の進捗状況はどうなっているのか 身近なものとしては、市内の農家個々で行われている農作物の冬期間の貯蔵利用が一般的ですが、国内の一部地域では雪冷熱エネルギーを利用した夏場の冷房利用も実用化されています。市としては、まだ、調査・研究の域を出ていませんが、今後も継続して活用の可能性を探っていきたいと考えています。
-
定住人口の確保と交流人口の拡大など」地域課題を解決するための横断的、包括的事業の推進について
-
市民とともに「ここで生き抜くチエ」をつかむために、生涯学習を事業の柱に据えて、北秋田市の資源を研究するべきではないか
-
世界的に注目されている「里山資本主義」という視点から北秋田市の資源をとらえなおし、「食料と自然エネルギーの地産地消」と「里山文化、歴史の発信」で地域活性化をはかることを求める 紹介のあった「里山資本主義」という考えについては、この自然豊で歴史、伝統、文化の宝庫とされる本市として、まさに共感できるものです。地域の身近な宝物を見つめ直し、市民一人一人が自分の住んでいる地域に愛着と誇りを持って、地域活動を実践していかなければならないものと考えています。そのような観点を踏まえ、根子、上小様、伏影で秋田県版里山資本主義といえる「元気ムラ」の取組に着手しています。今後も活動集落の増加に努めながら、地域課題の解決及び地域の活性化に取り組んでいきたいと考えています。
-
地域資源を研究し、北秋田らしい観光産業を発展させること 議員ご紹介のとおり、観光産業の始まりは、聖地巡礼がルーツとのことですが、当市には世界遺産登録を目指している伊勢堂岱遺跡を始め、数多くの遺跡・史跡が存在しています。また、県立自然公園「森吉山」を中心とした一帯は豊富な自然と数多くの名瀑が点在し、訪れるハイカー達を四季を通して楽しませています。現在、市では平成25年度から4か年に渡り、県の未来づくり協働プロジェクト事業として「まるごと森吉山観光振興プロジェクト」事業を県との協働により実施しており、その内容としては、森吉山エリアの観光振興を図るため、森吉山阿仁スキー場等の整備や一年を通して楽しめる様々な体験型のメニューの開発、そして関係する商品開発や観光案内人の育成など、あらゆるエリアのネットワーク化を進め「いつでも」「だれでも」気軽に楽しめる滞留型観光の拠点化を目指すこととしています。こうした滞留型観光の交通アクセスに対応するために昨年度は、北秋田地域振興局との共同企画により、森吉山観光パス事業を実施していましたが、今年度は新たなコースとして、安の滝やクマ牧場を加えたほか、2日間パスを造成し、宿泊客への対応も可能としたところです。また、阿仁地域では、鉱山の歴史とマタギ文化が融合する地域色あふれる視点から、阿仁観光案内人の会の皆様による「阿仁銀山地区寺まわりフットパス事業」が行われていますし、鉱山の歴史伝承館では、秋田大学北秋田分校との協働により、鉱山の町にふさわしい魅力あるまちづくり事業がスタートしています。今後とも北秋田市全体が観光地であるとの考えのもと、議員のご提案も考慮させて頂きながら、関係機関と連携して観光の更なる活性化を進めていきます。
-
福岡由已 議員 (無会派)
(順位:2-5)
子ども・子育て支援新制度について
2015年4月から実施される子ども・子育て支援新制度による北秋田市の保育等子育て支援はどのように変更する計画なのか
「子ども・子育て支援新制度」においては、児童福祉法第24条に規定している「保育に欠ける」という条件に、児童虐待やDV等により、家庭での保育が困難な場合などの事由を加えたものが「保育を必要とする」条件として明確に定められる見込みであり、これまでより幅広く、柔軟な対応が市町村に求められていくものと考えています。これにより手続きの方法など、新制度に合わせた変更が必要となる事項については、条例や規則等を整備したうえで、応することになります。必要な条例については9月までに整備し、市民への周知を図る予定としています。また、「新認定こども園への移行」については、現時点では公立保育所を認定子ども園に移行する予定はありません。また、市内民間保育園についても、移行する意思はないことを確認させていただいています。
北秋田市保育園等整備計画について
特別保育事業の推進について
公立保育園を民間へ移管する際には、現在行っているサービスや特別保育事業を引き続き実施することが条件となっています。また、本年度より、民間保育園が実施する「障害児保育事業」に対する市補助金を増額しており、障がいのあるお子さんが、入園を希望する場合には、十分な保育が受けられるよう、さらに助成を拡大していきたいと考えています。
保育の質向上のために」について
「保育士確保対策の推進
保育の質は保育士の質であり、質の向上を図るためには、余裕を持った配置とともに、給与や待遇の改善が必要です。給与については、平成25年度と26年度に非常勤職員の給与改善を実施しており、また、今年度よりお子さんが小さいなどの理由で長時間の勤務ができない方を想定し、短時間勤務保育士の募集を行っています。その結果、複数の応募があった所でありまして、今後も民間保育園や民間事業所の勤務体系を参考にしながら、ライフスタイルに合った多様な働き方を視野に入れ、非常勤職員の待遇の改善に努めていきます。また、正職員の採用については、北秋田市保育園等整備計画において、公立保育園の民間移管や統廃合も予定されていることから、保育需要の動向を注視し、平成28年度以降再検討するとしていますので、計画の進捗と並行して検討していきたいと考えています。
「公立保育園等の効率的運営の推進」について
民間保育園の評価が高いのはなぜか、というご質問ですが、これは子育て世代、すなわち、保護者の判断によるものと考えています。例えば市職員の子どもさんも保育園に入所していますが、その選択の際には、公立・民間の区別はなく、どちらも同じような評価をしているという話も聞いています。また、保育園の民間移管に際し、鷹巣地区を対象としたのは、民間保育園の経営が安定的に行われるためには、一定の入所児童数が前提となります。鷹巣地区では今後しばらくの間、入所児童数の確保が見込めるという判断から進めたものです。なお、鷹巣地区以外の保育園についても、引き続きその在り方についての検討を進めていきます。
北秋田市内の文化施設の充実について
議員ご指摘のとおり、文化施設は様々な先人の業績や歴史的な価値、文化財の保護など、貴重な財産を後世に伝える重要な拠点施設であると思っている。また、価値ある文学や芸術作品についても、保護・保存しながら情報発信することで「まちづくり」にも生かしていけるものと考えています。したがって、施設の充実は大変重要ですが、既存施設の状況把握や将来計画など充分な検討をしていく必要もあると考えています。ご提案の内容を参考にしながら関係部署と連携や既存施設の有効活用を図り、施設の充実に努めていきたい。
合川小・中学校の通学路について
川井集落の変則三叉路の通学路については、現在、交差点改良に向けた測量設計業務を発注しており、その後に交差点改良工事を予定しています。また、昨年の12月定例議会で答弁したとおり、李岱集落内の歩道設置については、ブロック塀や車庫等の移転補償が伴いますので、現時点では困難と考えています。なお、安心・安全な登下校のため、地域住民による「安全見守り隊」の結成を合川小学校に新たにお願いしているほか、路側帯をカラー舗装化するなどの対策を今後検討していきたいと考えています。川井―八幡岱間の通学路の歩道については、幹線用水路「八ヶ村堰」が、相当の区間に渡って市道と近接し、平行して流れている状況であり、歩道幅員の用地確保が困難です。また、水路に蓋をするにも構造上の問題等があり、歩道の設置は非常に厳しい状況と判断しています。市内全域の通学路の安全対策については、24年度に行われた通学路の一斉安全点検の組織を今後も継続することになっており、一斉点検は行わないものの、PTAや各校の要望等を十分に把握し、県や警察との連携を密にしながら、安全確保に努めていきたい。