2014年03月21日
コンテンツ番号7242
山間に灯す万灯火で先祖を迎える
春彼岸の中日にあたる3月21日(金)の夜、三里、摩当、三木田、鎌沢など合川南地区の各集落で伝統行事「万灯火」が行われ、迎え火の明かりが残雪の山間を照らし出しました。
万灯火は、合川地区や上小阿仁村など小阿仁川流域で古くから行われている民俗行事。墓所のほか、山の尾根づたいや沢づたい、あるいは川原にたいまつを灯して祖先の霊を迎えます。もともと、墓の前でワラを燃やし祖先を供養していたものを、祖先の霊を迎える道しるべとして小高い丘に集落の戸数だけワラを束ねて燃やしたことが始まりとされています。
現在は、「だま」と呼ばれている油を染み込ませたソフトボール大の布玉を針金で支柱に結び付けて燃やし、先祖をしのぶとともに、豊年満作、家内安全を祈願します。また最近では、「まとび」、「中日」、「大仏」の火文字や回転式の車万灯火など趣向を凝らした仕掛けも登場するようになっています。
このうち、鎌沢、摩当、三里、芹沢の万灯火は、幹線道路沿いに展開され、ドライバーは闇夜に浮かび上がる幻想的な万灯火の演出に車を止めて見入っていました。今年の万灯火は雪が多かったこともあり、残雪を照らし出す光景が一段と映えていました。
合川地区では、この伝統行事を帰省客などにも楽しんでもらおうと、お盆の8月14日、夏のイベントとして「合川まと火」を開催、合川橋付近の阿仁川堤防約1.5㎞にわたって万灯火が灯されます。
春彼岸の中日は二十四節気の春分。この日を境に春が駆け足でやってきます。