2014年02月22日
コンテンツ番号7117
北秋田市医療講演会
(2014.2.22)
北秋田市医療講演会が、2月22日(土)、北秋田市交流センターで開かれ、約210人の市民らが来場し、講演を聴きながら地域医療について理解を深めました。
この度の医療講演会は、厚生労働省医政局指導課医師確保等地域医療対策室住宅医療推進室の佐々木昌弘・室長が講師を務め、「これからの地域医療と医師確保」と題して、全国的にも深刻化している医師不足の解消と、これからの地域医療に必要なことは何かを市民とともに考えていくため行われたもので、医療講演会は11月に続き2回目の開催です。
開会にあたり、津谷市長は「北秋田地域の医療圏は、市民病院の神谷先生、鷹巣医師団の先生方からたいへんなご尽力をいただいていますが、まだまだ医師不足です。市としても一生懸命取り組んでいますが、行政だけでは力が足りません。市民の皆さんが、同じように問題を共有しながら、一緒になって考えてもらえればと今回開催させていただいた。今日の講演会が地域の医師不足の解決、医療充実のため一助となる講演会になるよう心から願っている」などと主催者のあいさつを述べました。
また、来賓として衆議院議員の金田勝年議員、北秋田市議会の佐藤吉次郎議長、秋田県議会議員の近藤健一郎議員、同じく北林丈正議員、秋田県北秋田地域振興局の熊谷淳局長、大館北秋田医師会鷹巣医師団団長代理の「うえだクリニック」上田忠院長、北秋田市民病院の神谷彰院長代表が出席し、代表として金田議員があいさつを述べました。
このあと講演にはいり、佐々木先生は冒頭で「北秋田市は、相当な苦労や不安、心配を抱えながら市民病院の建設という決断をされたことは、少なくても厚生労働省からすれば、大正解な政策だったと考えている。これからの地域医療を考えた時の体制の準備はできているので、厚生労働省でもせっかく整った体制を生かすため、医師確保をサポートしていかなければと思っている」などと述べました。
また、病床の数の推移については「ご自宅での療養を望まれる方が多くいること、また、介護保険制度が開始されたことにより、病床数は全国的に減っている。この病床数は多ければ良いという訳ではなく、いざという時に入院できる体制が大事。いざという時のための体制は北秋田市はできているといえる」などと説明しました。
そして、地域医療のなかで最大の課題である医師不足については「医師の数は、年々増加しており、医大に通う学生も増えている。なぜ医師が少なくなったように感じるのか、その要因の一つとして、昔の医師のように広い分野で診察できる医師が少なくなり、専門的な医師が増えたことが考えられる。しかし、専門的な医師がいなければ医学の進歩はなくなることからも、バランスが大事。また、全国的にも医師が県庁所在地に集中している。その片寄りを無くすため、地域医療計画を立て、全国的でも解消に向けて取り組んでおり、秋田県でも今年の4月から動き出す」などと話しました。
最後に成人死亡の主な要因として「1番目が喫煙、2番目が高血圧、3番目が運動不足」などと調査結果を紹介し、地域医療について自分たちができる事として「何よりも、心身とも健康である健康寿命を延ばすことが大事であり、医師が足りなくなることもなく、健康保険や介護保険の保険料も下がる。次世代に残す良い環境を作っていきましょう」などと呼びかけました。
時折、笑いを誘うお話を交えた佐々木先生の講演に、聴講者からも笑顔こぼれていましたが、健康寿命の大切さ、予防の大切さを改めて感じている様子でした。