2014年01月12日
コンテンツ番号7098
いのちのコンサート
(2014.1.12)
精神保健福祉ボランティア「れもんの会」(代表小坂和子)主催の『いのちのコンサート』が1月12日(日)、北秋田市文化会館で開催され、多くの人が来場し、命の尊さを改めて考えました。
『いのちコンサート』は秋田県いのちの日(3月1日)の関連事業として自殺者の多い秋田県での自殺予防と2011年3月11日に発生した東日本大震災を振り返り、命の尊さ、故郷の大切さを市民の人たちと考える機会として開催され、講演や朗読のほか、多くの歌が披露されました。
始めに小坂さんによる詩の朗読が行われ、開会にあたって津谷市長の代理として出席した工藤信夫副市長、社会福祉協議会の高坂祐司会長、秋田県議会の近藤健一郎議員、北林丈正議員があいさつを述べました。そのうち工藤副市長は「市民の皆さんが健康で生き生きと暮らせるまちづくりを進めておりますが、身近な人の声を聞き、必要な支援に繋げるという意識を多くの方に持っていただき、市全体で支え合うことができる社会づくりを進めたい」などとあいさつしました。
この後、合川東小学校歌ごえクラブと阿仁合小学校の児童たち、コールつくしんぼの皆さんが「あしたへ」「ビリーブ」「ふるさと」「ひとりじゃないよ」の4曲を、手話を交えながら元気よく歌いました。
次に、前川弾(だん)さんによる歌と講演が行われました。前川さんは岩手県釜石市出身で、幼い頃からクラシック音楽に親しみ、釜石を中心にフルート演奏者として活動。また、アクセサリーデザイナーとしても活動していましたが、2011年3月の東日本大震災で被災し、工具のほとんどを津波に流されましたが、仮設店舗で営業を再開しています。現在は、震災の記憶を風化させないように「失った数の命の花を咲かせよう」のメッセージを歌に込めて活動しており、この日はフルート演奏のほかにもギターを披露し、力強い歌声で来場者に思いを伝えました。
続いて、NPO法人蜘蛛の糸佐藤久男理事長による講演が行われました。佐藤さんは旧森吉町出身で、秋田県庁に入庁。福祉関係の仕事に従事していましたが、会社経営の夢を持ち退職。その後起業したものの、会社が倒産して資産の全てを失い、自分自身もうつ病や自殺の衝動と闘っていましたが、同時期に知人の経営者が自殺をしたのをきっかけに、中小企業者とその家族を支援するNPO法人蜘蛛の糸を設立。倒産に伴う中小企業経営者やその家族の自殺予防活動を行っています。佐藤さんは「自殺者をゼロにする事は難しく、どれ位の県民の命を救えるかはわからない。しかし、対策を打たないでいると秋田県の抱える問題・人口減少に影響を及ぼす。全国でも毎年3万人が亡くなっており、自殺を個人的な問題でなく、社会問題として捉えて、各機関と連携して活動していきたい」
その後は、コールつくしんぼの皆さんによる「花は咲く」「あすという日が」の2曲を美しいハーモニーで歌いあげると、朗読ボランティア「やまびこ」の皆さんによる朗読が行われ、最後は金新佐久さんと仲間の皆さんによる大合唱が行われました。