2014年01月20日
コンテンツ番号7082
平成25年度北秋田市・上小阿仁村教育講演会
(2014.1.20)
北秋田市教育委員会の主催による「平成25年度北秋田市・上小阿仁村教育講演会」が1月20日(木)、文化会館で開かれ、教育関係者や保護者などの参加者が教育について理解を深めました。
講演会は、「心豊かでたくましい人間性を育む教育の推進」を基本理念として、教職員が自らの力量を高め、人間性を磨くために研究と修養に努めることを目的として開催しています。
はじめに三澤教育長が講師の渡辺元智(もとのり)先生の経歴に触れ「先生は、昭和44年の24歳のときに自身の母校の横浜高校の野球部の監督に就任すると、昭和48年には第45回選抜高等学校野球大会へ初出場、初優勝の快挙を成し遂げます。また、愛甲猛選手や、大リーガーとして活躍中の松坂大輔選手らを擁して甲子園大会で優勝を飾っり、これまで春の大会で14回、夏の大会15回も甲子園に出場し、春5回、夏2回の計5回も日本一を果たしています。今日は、先生の歩んできたこれまでの野球人生を大いに話していただきたい」などと述べました。
講演で渡辺先生は、高校野球に携わった自身のこれまでを『失敗だらけの50年間』と例え、だからこそ大きな失敗をして人は成長できるとし、「子どもを指導していく中で、信頼関係を大切にしなければ、誰も付いてこない。子どものことを考えて練習を厳しくしても、優しくしても、その練習は「指導」となり、指導の方法を子どもや親から信頼されるには、普段からのコミュニケーションと絆が大事。最近は非常に難しい時代になり、子どもに対する姿勢が問われるが、どの時代でも、指導する手法が変わっても、子どもに愛情を注ぐという基本的な精神があれば、必ずうまく指導ができると思う。ケガをさせたり、言葉の暴力を投げかけたりする時代は終わらなければならないが、どこかに違った厳しさを求めていかないと忍耐力のある子どもたちは育たない」などと語りました。
最後は、先生が座右の銘にしている大正時代の詩人・後藤静香の「第一歩」という詩集に触れ、「三笠山にのぼる第一歩、富士山にのぼる第一歩、同じ一歩でも覚悟が違う、どこまで登るつもりか、目標がその日その日を支配する」と紹介し、「東北では雪という環境の中で野球を課すのは難しいと思うが、新しい練習方法を生みだし、第二の駒大苫小牧高校や、昔の三沢高校のようなチームがでてくる事を期待します」と締めくくりました。
参加者からは、「横浜高校の試合を見ると選手たちが自立しているように感じるが、特別に指導していることはあるか」などの質問があり、先生は「監督は、采配を間違えないように選手の状態を把握しなければならないが、試合中は細かいところまでは指示できない。このため、練習すなわち試合ということで、普段の練習から選手にテーマを与えて指導にあたっている」などと答えていました。