2014年01月23日
コンテンツ番号7083
全国から『どぶろく』が大集合
(2014.1.23)
「第9回全国どぶろく研究大会in北秋田」が1月23日(木)から始まり、開会式会場の北秋田市文化会館には、全国から250人を超える『どぶろく』の製造者や関係者が集まりました。
当研究大会は、第9回全国どぶろく研究大会実行委員会(上杉二三男・会長)の主催で行われたもので、全国のどぶろく特区の認定を受けた地域の製造者や関係者が一堂に会し、製造方法や活用方法、地域への波及効果等について情報交換を行いながら、相互理解を深めると共に地域の活性化を図るために平成18年から開催されており、今回が9回目の開催。
開会式では、はじめに上杉会長が「ようこそ秋田においでくださいました。全国から更に磨きを掛けた自慢のどぶろくを持ちより、北秋田市にお集まりいただいたことを嬉しく思っている」と喜びの言葉を述べたあと、「全国のどぶろく特区の皆さんは、各々の地域でどぶろくを生かした様々な取り組みをされていると思いますが、これから更にそれぞれの土地の風土に合わせた、どぶろくを活用した地域おこしや活性化につながることを願っている。また、本年10月には、秋田県で国民文化祭が開催されます。その際には、再びこの地に足を運んでいただき、県民全員でお迎えする素晴らしい観光や食文化などのおもてなしを体験いただきたい」などと主催者あいさつを述べました。
次に、津谷市長が「雪が深く寒いなか、全国からこの北秋田市にお越しいただき、皆さんを心から歓迎するとともに、当市で開催していただいたことに感謝を申し上げる」などと歓迎の言葉を述べたあと、「当市では平成17年から『阿仁マタギ特区』として認定を受け、あまりにもどぶろくの評判が良いことから、昨年11月に全市に特区を拡大しました。どぶろくの名声が高まっているのも、今日お集まりの皆さんによる各地域での地道な活動が今日に結びついているものと敬意と感謝を申し上げる。当市は日本三大地鶏である比内地鶏の一大産地であり、テレビでも紹介されブームとなったバター餅もあります。また、今の時期は森吉山でゴンドラを利用した樹氷観賞が見頃ですし、4メートルを超える綴子の大太鼓もすぐ近くの大太鼓の館に展示していますので、ぜひ訪れていただきたい。今大会の開催にあたり多くの方々にご労苦をおかけしましたが、そのご苦労がこの2日間でしっかり実り、この研究大会が大いに盛り上がることを心からご祈念申し上げる」などと地元歓迎のあいさつを述べました。
このあと、秋田県北秋田地域振興局の熊谷淳局長が県知事からのメッセージを代読したほか、祝電の披露、来賓が紹介されました。開会式の最後には、シンガーソングライターの本城奈々さんと秋田県のマスコットキャラクター『スギッチ』、北秋田市の特産品北秋田バター餅のマスコット『バタもっち』が登場し、今年の10月に秋田県で行われる『第29回国民文化祭・あきた2014』のPRをしました。
開会式終了後に引き続き行われた基調講演では、作家でノースアジア大学客員教授の石川好 氏が講師を務め、『どぶろくの特性を生かした地域活性化へのアプローチ』と題して講演をしました。講演の中で石川氏は「どぶろく一つで地域おこしをするのには無理がある。大事なのは組み合わせ。ワインであれば、ワインに合う料理があり、ワイングラスがあり、飲み方のマナーや雰囲気に合ったテーブル、生産地の特色などが組み合わせることによって、今のワイン文化ができている。どぶろくについても、どぶろくに合った料理を組み合わせを作ったり、温かくしたり冷やしたりして飲み方のバリエーション、飲む場所や景色など、どぶろくとの組み合わせを3つ、4つと増やしていくことにより、どぶろく文化というものが作られていく」などと、また、どぶろくのラベルについても触れ「少し前までは、東京の高級クラブでは、ワインやブランデーしか無かったが、今は焼酎も置かれるようになった。これはボトルのデザインやネーミングが、非常に良い物が出てきたことが一つの要因になっている。また、デザインなどに加え、入手するまでに2年待ちなどと付加価値が付くことにより、焼酎が数十万円もするワインと並んでも見劣りしないものとなっている。どぶろくについても、デザインやお酒の名前などにも目を向けてもらいたい」などと話しました。
この後も『どぶろく』には組み合わせが重要であることを強調しながら「この北秋田市であれば内陸線や森吉山、マタギの文化がある。ただ単にどぶろくが売れるだけではなく、そういったものと組み合わせることにより、観光業をはじめ地域に波及することが、どぶろくを生かした地域おこしだと思っている」などと話しました。
午後5時30分から、会場を文化会館から交流センターに移し、試飲会・交流会やどぶろくコンテストの表彰式が行われました。
試飲会に入る前に、幹事会報告が行われ、全国どぶろく研究大会幹事会の設置規程の改正や、第11回の開催地を「新潟県佐渡市」に決定したことを報告しました。
このあと、試飲会・交流会の開会にあたり、北秋田市実行委員会の伊藤公夫副会長が、「今日はどぶろくで大いに懇親を深め、町おこし地域おこしのための懇談をしていただきたくとともに、当市のたくさんの特産品を楽しんでください」などと開会の言葉を述べました。
会場には、どぶろくコンテストに出品された105銘柄のどぶろくが並び、参加者は全国のどぶろくを一つ一つ、香りや味を確かめながら試飲するとともに、市内の特産品を使用した多くの料理を堪能していました。また、アトラクションでは根子番楽保存会(佐藤昭夫会長)の皆さんが、国の重要無形民俗文化財に指定されている『根子番楽』を披露し、アップテンポな調子に合わせた数々の舞で、参加者の目をくぎ付けにしました。
交流会の最後には、『どぶろくコンテスト』の結果発表が行われ、淡麗の部の最優秀賞は、農家レストラン由紀っ娘(愛媛県東温市)の「由紀っ娘物語(中辛)」が、濃芳醇の部の最優秀賞は、農家食道ファミリー大杉(高知県大豊町)の「大杉のどぶろく『輝』甘口」が受賞しました。
参加者は、美味しいどぶろくや料理に舌鼓を打ちながら、同じ分野で高みを目指す仲間たちと懇談したり、交流センター内に設置された北秋田市の特産品販売コーナーでお土産を買ったりしながら、楽しい時間を過ごしていました。