2015年12月15日
コンテンツ番号7062
一般質問に5議員が登壇
平成27年北秋田市議会12月定例会の本会議が、12月15日(火)に議事堂で再開され、5議員が「北秋田市林業の振興について」や「国民健康保険税制度について」などの事項について一般質問を行いました。
一般質問のなかで、北秋田市林業の振興についての質問では「森林は北秋田市の84%を占めている。総合戦略において、秋田杉の伐採の計画は示されているが、具体的な活用策は示されていない。活用戦略を策定すべきでは」などと議員から質問があり、津谷市長は「部材等による活用方策を具体的に行政が計画することは困難と考えるが、多くの方に秋田スギの家普及促進事業、北秋田市リフォーム緊急支援事業等の補助事業を活用していただきながら、地元木材の利用の周知を図っていきたい」などと答弁。
また、国民健康保険制度についての質問のなかでの「国保税引き上げは行わなくてもいいのでないか」の質問に対しては「国民健康保険特別会計については、一人当たり医療費の伸びや被保険者数の減少などから単年度赤字が続いている。平成27年度の決算内容の分析を行ったうえで、様々な対応を行っていきたい」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
福岡由巳 議員(無会派)
(順位:1-1)
北秋田市林業の振興について
秋田杉の活用について
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具体的活用計画を緊急に策定すべきことについて
森林は木材生産機能のみならず、水源涵養機能、山地災害防止、土壌保全機能、保健文化機能等の様々な機能を有しており、当市では、その機能を維持しながら適切な森林整備がされるよう、森林整備計画を策定しています。また、資源の利活用については、木材の取引が立木主体であるため、部材等による活用方策を具体的に行政が計画することは困難と考えますが、公共建築物や一般住宅等への地元木材の利用は不可欠であると認識していますので、今後も秋田スギの家普及促進事業、北秋田市リフォーム緊急支援事業等の補助事業を活用していただきながら、地元木材の利用の周知を図っていきたい。
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秋田杉の活用で起業とくらしの改善をすることについて
起業するためには専門のノウハウや機械設備が必要ですし、木質バイオマスの活用については、必要とされる分量の確保や供給体制の整備などの諸条件をクリアする必要があると考えます。起業にあたっては様々な支援がありますので、行政としてできる支援をしていきたいと考えています。
北秋田市の人的資源の充実について
人口ビジョンによる人口増について
北秋田市人口ビジョンでは、様々な人口減少対策が着実に効果をあげることにより、国立社会保障・人口問題研究所が発表した人口推計に比較して、平成72年において約1,100人分の人口減少が抑制されるという推計をしていますが、人口減少そのものは継続する見込みです。
本市の人的資源の充実について
総合戦略では『「ぬくもり」と「みまもり」、優しさあふれる希望のまち』というテーマを掲げ、「産業振興による仕事づくり」、「移住・定住対策」、「少子化対策」、「新たな地域社会の形成」の4つの基本目標に沿って、施策を展開していくこととしています。地方創生には「ひとづくり」は欠かせない要素です。総合戦略では、農林業への新規就業者の確保と育成を掲げていますが、農林業に限らず、「仕事づくり」に取り組んでいる方々と行政との協議の場を設けて、即効性のある支援策のヒントを得ることや、リーダー的人材を講師に迎えた起業塾を開催し、後に続こうとする人の背中を押すことなどを検討しています。
合川小中学校の通学路の未改善問題について
合川地区自治会の要望は、安心安全のために必要な要望ではないか
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通学路の整備について
合川地区自治会の要望への回答については、国交省、県、警察、市生活課、市建設課、市教委各担当による北秋田市通学路交通安全推進会議の合同点検の結果によるものです。点検後、福田・明田間の市道の路側帯の設置、スクールゾーンへの大型貨物車等進入禁止の標識設置、スクールゾーン内の路側帯の設置などが行われており、現在、北秋田警察署が規制標識の設置や横断歩道の設置、修繕などを県公安に上申している箇所もあります。これまで、合川小学校の統合に伴い、通学路の安全確保のため、松ヶ丘団地内県道のグリーンベルトの設置、川井変則三叉路の改良、阿仁川橋付近の組立歩道改築、李岱交差点付近の用水路の防護柵の設置など9箇所の安全対策を実施し、総額6250万円を超える予算で整備しています。市教委では毎年、通学路等の危険箇所について、小中学校の危険箇所調査結果やPTAの要望を精査し、すべての該当箇所を点検した上で、対策が必要な箇所については改善してきていますし、今後も同様に安全面を重要視して取組んでいきます。
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スクールバスの冬期間にかかわる要望について
スクールバスは10台所有していますが、原則的に遠距離通学に対応すべく運行しています。冬期間は合川地区に限らず、市内全地域でも雪により通学が困難になっており、安全のためスクールバスを利用するとなると10台では物理的に不可能であります。まずは建設課や県と協議しながら歩道の除雪をしっかり行い、通学路の確保を第一に考え取り組んでいきます。
合川地区鳥屋岱団地廃止予定について
『廃止の方向』以前に市民の意見を聞くべきでないか
市では、平成19年11月に今後の住宅行政の目標事項を定める住生活基本計画を策定しました。この基本計画の中で、鳥屋岱団地については、既に耐用年数が過ぎ、老朽化により修繕に多額の費用を要することから、現入居者の円滑な住み替えに配慮しながら、政策的空き家と位置付けることにより、長期的に用途廃止を検討することとしていますが、今すぐ用途廃止をすると決定したわけではありません。今後、具体的な建替えを計画する際には、入居者絵の意向調査やアンケートを実施するとともに、建設場所等についての説明会を開催していく予定です。
板垣 淳 議員(日本共産党議員団)
(順位:1-2)
国民健康保険制度について
国保税引き上げは行わなくてもいいのでないか
国民健康保険特別会計については、一人当たり医療費の伸びや被保険者数の減少などから単年度赤字が続いており、平成27年度予算において、保険税の不足を補うために財政調整基金から繰り入れを行ったところです。平成28年度は、平成27年度と同様の財政調整基金の繰り入れが行われると、現行の税率を維持できる見込みとなっていますが、平成29年度については、一部の高額な薬剤投与や治療法が保険対象になるという情報もあり、平成28年度決算による基金残高によっては、平成29年度の当初予算編成において、歳入不足が懸念されますので、平成27年度の決算内容の分析を行ったうえで、様々な対応を行っていきたいと考えています。
むしろ引き下げる努力をすべきでは
平成27年度から保険税の不足を補うために、財政調整基金を取り崩しているところですので、保険税の引き下げは難しいと考えていますし、一般会計から法定外繰入を行っての保険税額引き下げについては、独立した社会保障制度の根幹に関わることですので、慎重な対応が必要であると考えています。
国保税の収納率が低い理由は
これまでの未納が他の税よりも多く累積されていることもありますが、国保税は7月から翌年2月までの8回で納付いただいており、その間、他の税や介護保険料等の納付が必要となる方もおられますので、納付に際して重荷と感じることなどが、収納率が劣る理由のひとつではないかと考えています。
国による『被保険者1人当たり年5千円の保険料軽減』のための特別財政支援について
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当市はいくら増額となり、それは1人当たりいくらか
特別会計の保険基盤安定繰入金として、全体で約4千万円の収入が増え、被保険者数で割り返すと、1人あたり、4700円程度になると見込んでいます。
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確実に保険税軽減に使われるか
この追加財政支援は、恒常的な赤字決算補填等のため、市町村が公費を繰り入れしている現状を解消し、保険者の財政基盤を強化し、国保財政の安定化を図っていくためのものであると認識していますので、現行税率を維持するために使われるものと考えています。
国保財政安定のために国に次の2点を要望すべきでないか
- 国庫負担引き下げ分の復活
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子どもの医療費無料制度に対するペナルティ撤廃
今年11月に開催された全国市長会においても、国の施策や予算に関する重点提言として決議されていますし、秋田県市長会としても様々な機会を通じて訴えてきたところです。特に、「マル福による波及増カット廃止」については、大きく取り上げられていますので、市としましても大いに期待しているところです。
資格証明書発行は、人道上問題があるのではないか
被保険者間の負担の公平を確保することは重要なことであります。資格証明書は、短期の被保険者証とともに収納を確保するための方策ですので、納付に協力的でない場合には、やむを得ないと考えています。ただし、その運用にあたっては、急いで入院しなければならない場合など、それぞれのケースによって柔軟に対応しながら、収納につながるよう対応しているところです。
庄司憲三郎 議員
(順位:1-3)
スポーツ振興について
スポーツ立市北秋田市の宣言を
生涯スポーツの推進・振興、スポーツをとおしての健康づくりとまちづくりの観点からも、スポーツ立市宣言は大きな意味を持っているものと認識していますが、都市宣言とは自治体が自らの意思や主張、方針を明らかにするものですので、宣言の内容によっては、施設の整備や環境を整えていく必要がでてきます。次代を担う若者に夢を希望を与えるため、スポーツのみならず、市としてどのような宣言が効果的であるか、庁内関係部局と連携を図りながら、調査・研究をしていきたいと考えています。
縄文遺跡について
伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録について
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成21年1月15日、ユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載されてから、本指定が3回見送りされているが、課題は何か、また18遺跡との連携は
課題とされている主な内容として
- 18遺跡を誰が見ても素晴らしいと思えるよう、わかりやすく表現すること
- 埋蔵物に考古学的な価値が認められること
- 遺跡に人の手が加えられておらず、当時の景観が保全されていること
- 集落跡や貝塚などの縄文文化を語る上で不可欠な要素が保たれていること
- 関係自治体の協力体制、全体としての管理体制のありかた
などがあります。これまでも4道県が一体となって世界遺産登録に向けて進めてきましたし、現在も作業や協議をしながら万全な準備を進めているところです。
添下遺跡(森吉山ダム工事)の階段状の復元を
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県立博物館の正面玄関前に階段状の石積が復元されているが森吉山ダム(四季美湖)周辺にも復元できないか
石積階段状遺構は、平成14年の森吉山ダム建設による発掘調査で見つかり、丁度その頃にリニューアルオープン向けた準備をしていた秋田県立博物館から、博物館入り口に展示したいと当時の森吉町教育委員会へ計画の打診と意向の確認がありました。その時点で利活用に関する構想がなかったため、町は「広く県民の皆様に見てもらえるのならば」と申し出を受け入れました。その後、県の関連機関との協議で、石積階段状遺構は県立博物館へ移され、平成15年に復元展示されています。この状況は今も変わっておらず、石積階段状遺構をダム湖付近へ再移設するということは現状では難しいと思われます。
新エネルギーについて
木質バイオマス発電について
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燃料チップの原料となる低質材を調査すべきと思うが、その考えはないか
新エネルギーの導入に関しては、必要な調査を実施したいと考えており、国の補助金を活用しながら、できるだけ市の負担軽減を図る方針としています。市内での木質バイオマス事業については、現在、数社が検討を進めていますので、燃料となるチップ材料の資源量は調査済みであり、林地残材で年491トン、切捨間伐材で年2,120トン、果樹選定枝で年89トン、合計で年2,700トンです。大型の木質バイオマス発電事業では、年1万トン以上のバイオマス燃料を必要ですので、大型施設を想定した場合に当市だけで燃料を供給することは困難という試算が出ています。
観光振興について
四季美湖周辺整備の具体策は
四季美湖周辺の整備については、平成24年3月に「森吉山ダム水源地域ビジョン」を作成し、ダムを活かした水源地域の自立的・持続的な活性化が図られるよう取り組んできました。これまでもダム広報館周辺を利用したイベントを年2回開催し、周辺地域の活性化と連携を深め、ダム周辺の賑いづくりを実施してきたほか、ダム対岸の様田地区には、イベント開催用の広場を能代河川国道事務所や森吉山ダム管理事務所の計らいで確保していただきましたし、その広場周辺には「四季美湖を守る宿の会」などのご協力により、桜の苗木が植樹されています。平成28年度からは、3か年計画で様田地区周辺の整備に着手し、カヌー用船着場やトイレ、駐車場、園地等の整備事業を進める予定となっていますが、整備費が高額になると予想されることから、当市と能代河川国道事務所との「連絡調整会議」における調整事項として提案を行っているところです。なお、本年12月2日に開催された会議に本事案を提案したところ、能代河川国道事務所からは、「最大限の努力をする」との回答をいただいたところです。
認知症の予防対策について
関係団体(社会福祉協議会等)との連携は
市の認知症予防対策としましては、認知症を市民に正しく理解していただくため、各種会合等において認知症やその予防のための周知を行っているほか、社会福祉協議会の全戸訪問活動の際に、市で作成したパンフレットを配布していただいています。また、認知症高齢者の見守りネットワーク事業のほか、社会福祉協議会や関係団体との連携による「地域ケア会議」を開催し、地域ぐるみで支える見守り体制を整えています。また、介護保険制度改正により、認知症の症状悪化防止の支援や、認知症あるいは認知症の疑いがある方に対する総合的な支援を行う「認知症地域支援推進員」と「認知症初期集中支援チーム」を設置することとなっていることから、複数の専門職員による本人や家族へのサポート体制の整備を進めることとしています。なお、認知症の家族を支え、つながりを支援する「認知症カフェ」の開設なども求められていることから、今後も社会福祉協議会と連携しながら施策を展開していきたいと考えています。
堀部 壽 議員(緑風・公明)
(順位:1-4)
農業振興について
TPP大筋合意について
PPのプラス要素としては、市民も消費者であることから、関税の撤廃や削減により、輸入品が安く購入できることが一番と考えています。当市の基幹産業である農業への影響について、国では「重要5品目を中心に、関税撤廃の例外に加えて、国家貿易制度・関税割当の維持、セーフガードの確保、関税削減期間の長期化等の有効な措置を獲得することができた」と発表していますが、農畜産物の中にも関税撤廃や削減が行われる品目もあることから、国産品の価格低下による農業所得の減少が懸念されます。今後、国から出されるTPP対策事業を行うため、関係機関と連絡を密にし、市の農業への影響を少しでも軽減できるよう努めていきます。
TPP対策本部とTPP農業関連対策協議会の設置について
当市では、JAとの農業政策の意見交換の場として、農政意見交換会を毎年開催しているほか、JA・農家の代表・米消費者の代表等で構成する「北秋田市農業再生協議会」を設置しています。市としましては、これらの組織を活用し、TPPの影響に対する支援策等の検討を行いたいと考えていますが、状況によってはTPP農業関連対策協議会等の設置も検討したいと考えています。
2015年産の当市の転作実施状況と今後の対策について
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転作達成率と飼料用米の作付状況は
平成27年度の当市への配分の生産数量目標は16,790トン、面積換算値にすると312,663アールとなっています。今年度の当市への米の配分面積に対し、市全体の主食用米の作付面積は275,874アールとなっており、生産数量目標よりも36,789アール下回る結果となっています。また、飼料用米の作付状況については、平成26年度186ヘクタールであったものが、平成27年度では、409ヘクタールと約2.2倍の増加となっています。
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2016年度飼料用米の目標面積と環境整備の具体策とは
経営所得安定対策事業のもと、数量払いの導入や産地交付金の追加配分等で支援が拡充されている飼料用米については、農家が取組みやすい状況ですので、平成28年度も増加の傾向にあると考えており、飼料用米の目標面積については、450ヘクタールを目標と考えています。また、飼料用米の受入環境を整備するため、県単事業の「飼料用米総合対策事業」を活用し、既存施設の改修を行い、飼料用米の保管庫や流通体制の整備を図っているところです。
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今年度産地交付金不足額を市独自に対策できないか
今年度の産地交付金の内示額については、転作における更なる深堀りを進めてきましたが、前年度と比べ、60万6千円減の1億6278万5千円となっています。産地交付金の単価を実績面積に応じて、単価調整を実施することについては、農業再生協議会の構成員である各JAや共済組合等との協議の中で決定をしていることから、各JAや関係機関と連携のうえ、国に対して要望していきたいと考えています。
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2016年度加工用米にどのような助成を計画されているか
産地交付金では、加工用米は高品質米出荷のために1.9ミリメートルのふるい目出荷をした場合に、10アール当たり8千円の交付を行っています。また、来年度については、生産数量目標や産地交付金の内示額、そして、交付対象作物の作付面積及び作付条件を検討しながら、交付単価の増額が可能かどうかを関係機関と協議したいと考えています。
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遊休農地について
当市には、山間地の沢沿いに多くの水田が存在しており、これらの水田は小区画で居住地から遠く、生産性も低いことから、貸したくても借り手がいないという状態になっています。利用が難しい農地については、山林・原野等に返す施策も一つと考えますが、当市全体の農地の減少につながることから、地目変更の業務を行っている農業委員会と農業振興地域の変更も含め、協議していきたいと考えています。
当市における農業委員の定数について
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法改正後の当市の農業委員数は何人か
現在、選挙による委員30人のほか、関係団体からの推薦委員として、JA鷹巣町、JAあきた北央、土地改良区及び秋田広域農業共済組合から各1人並びに議会推薦4人の38人です。法改正後の委員の数については、農業委員会等に関する法律第8条第2項の規定により、農業委員会の区域内の農業者数や農地面積等を考慮して政令で定める基準により、条例で定めることになっています。当市は、農林水産省告示第2433号により、農地利用最適化推進委員を委嘱しないことができる市町村として告示されていますので、農地利用最適化推進委員を委嘱せず、現在の状況を当該基準に当てはめますと上限が38人となる見込みです。
防犯対策について
当市の防犯カメラの設置状況と今後の対応について
市内の防犯カメラの設置状況ですが、平成21年に児童生徒の安心・安全な環境づくりを進める観点から、市内の全小中学校に設置しているほか、コンビニエンスストアや金融機関、パチンコ店において防犯カメラの設置が確認されていますが、民間事業者の防犯上の理由から、その設置台数については把握できていません。都市部においては、防犯カメラを設置しているところで以前よりも犯罪が減少傾向にあるということや、議員ご紹介のとおり、捜査に大きな威力を発揮し、早期解決に結びついているケースもあると伺っています。現在、市内の公共施設周辺などで、見知らぬ人から声をかけられる事案や、ストーカー被害などが発生していることから、北秋田警察署や防犯関係団体等と相談しながら、防犯カメラの設置に向けた準備を進めていきたいと考えています。
久留嶋範子 議員(日本共産党議員団)
(順位:1-5)
TPP交渉について
政府は大筋合意に達したが、市長の見解は
地域経済と市民生活にどのような影響があるか
内容が全て開示されていせんので、メリット、デメリットについて、個別に申し上げることができる状況にないと考えていますが、市民生活では関税の撤廃や削減により、輸入品が安く購入できることなどのプラス要素があると考えています。一方で、当市の基幹産業の農業については、国では「重要5品目を中心に、関税撤廃の例外に加えて、国家貿易制度・関税割当の維持、セーフガードの確保、関税削減期間の長期化等の有効な措置を獲得することができた」としているものの、具体的な内容やその具体策の全貌が見えていませんので、場合によっては1次産業からの離職や後継者不足に拍車を掛け、自治体崩壊や地域経済衰退にもつながりかねないとの懸念を持っています。今後は市長会等の関係団体と歩調を合わせて、政府に対して将来の見通しを速やかに示すことを訴えつつ、地域の将来にわたって持続的発展が図られるよう、求めていきたいと考えています。
農業を基幹産業とする北秋田市を、どう作っていくのか
当市の農業の大きな割合を占める稲作は、食の多様化や人口減少などによる主食用米の需要の減少に加え、米価の下落などにより大変厳しい状況にあることから、農地中間管理機構を通じた規模拡大による生産コストの低減や、水稲以外の作物との複合化による所得向上を図っていくことが課題となっています。市としましては、経営規模拡大による生産コスト低減につながる土地改良事業や、経営の複合化・多様化を導く青果物振興対策事業、農産物の生産・加工・販売までを行う六次産業化の推進等に取り組むとともに、国や県の政策の状況把握を行いながら、農業所得の向上と農業の体質強化を図っていきます。
中心市街地活性化の具体策は
駅前通り商店街アーケードは建て替えられるが、店舗は閉まったまま、どう考えているのか
市では、中心市街地の活性化を図るため、「空き店舗等利活用事業」と「まちの賑わい推進事業」の2つの事業からなる「北秋田市中心市街地賑わい再生支援事業」を実施し、中心市街地の賑わい再生と中小小売業の活性化に取り組んできました。「空き店舗等利活用事業」では、この5年間で12件が新しく中心市街地に店舗を構えており、少しずつですが空き店舗の解消に繋がってきていますし、「まちの賑わい推進事業」においては、「キラキラフェスティバル」や「大綱引き大会」、「軽トラ市」に加え、鷹巣駅前の若い商店主の方々の自主的な企画による「鷹巣駅横屋台祭り」が開催されるなど、新たな動きも出てきています。市としましては、空き店舗バンクの充実を図りながら、空き店舗の解消に向けた取り組みを進めるとともに、来春オープンの北秋田市民ふれあいプラザを活用しながら、中心市街地の賑わいづくりに取り組んでいきたいと考えています。
ふれあいプラザを市民に活用してもらうために
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検討委員会(ワークショップ)の今後のあり方
施設の利活用を考える「利活用検討委員会」の委嘱任期が、平成26年3月に終了したのを受け、検討委員会のメンバーに新たに一般の参加を加えた44人による市民ワークショップに、施設完成後の利活用について検討いただいています。今後、多くの市民の方々に施設を活用していただくために、市民と行政が協働で様々な取り組みを話し合い、アイデアを出し合いながら、商工会や商店街などとも連携をして、賑わいづくりにつなげていきたいと考えています。
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北鷹高校生との連携について
次世代の担い手として地域に愛着を持っていただくためにも、ふれあいプラザを拠点として、様々なアイデアで地域の賑わいにつながるような活動を行っていただきたいと考ています。これまで公民館等で行われました書道パフォーマンスをはじめとする地域交流事業のほか、地域の皆さんが楽しみにしている農産物の販売など、その若さ溢れる情熱とパワーにより、地域を大いに盛り上げていただくよう学校側とも協議を行っていきたいと考えています。
市の玄関であるJR鷹ノ巣駅が10月から夜間無人化になったが、どのように考えているのか
JR鷹ノ巣駅が、10月から午後6時10分以降は無人化され、待合室も使用できなくなったことから利便性の低下は否めませんが、秋田内陸線の鷹巣駅には夜間も駅員が常駐していますので、待合室などを代わりに利用することができますし、JRの運行状況についても放送案内を行っていると伺っています。また、防犯上の不安が増すことについては、JR側で警備会社による警備を行っているほか、北秋田警察署による巡回強化が行われています。なお、駅利用者の多くを占める高校生については、乗車時間まで学校で過ごすことができるようにしているとのことから、大きな混乱は生じていないと認識しています。また、駅直結の施設ではありませんが、来年4月にはふれあいプラザが開館し、市民ラウンジや学習ラウンジが夜間も使用できるようになりますのでJR通勤通学者も含め多くの方々に利用いただきたいと考えています。
子育て支援として
県は、保育料助成制度を来年度から拡充し、第3子誕生時、第2子以降の保育料無料の方針を打ち出した。それを受けて秋田市では第2子の保育料無料化を実施するが、当市では、検討できないか
保育料における子育て支援については、全国的に見ても、今回の秋田県や秋田市のように、第3子以降、あるいは第2子以降の保育料無料化を実施している自治体もありますが、今必要なことは、第1子からの保育料の軽減と保育の機会の確保、そして、保育の質の充実であると考えています。当市においては、平成26年度、平成27年度と2年連続で保育料の減額改定を行ったところであり、平成25年度決算では1億3736万9千円であった保育料が、平成26年度では1億565万円となり、前年比で3171万9千円減少しており、保育所入所児童数はほぼ同じですので、この金額が子育て世代の負担軽減となっていると考えます。また、平成27年度の歳入見込みは9448万6千円で、対前年比1164万円の減となっており、結果として、保育料については県内13市の中で、北秋田市が一番低い保育料水準となっています。議員ご紹介の秋田市での第2子以降無料化については、英断であると思いますが、当市としては現行の保育料水準を維持し、保育の質の向上を図りながら、今後の国・県の動向を注視して検討していきたいと考えています。