2015年08月14日
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伝統行事や郷土芸能で幻想的な夏の夜を楽しむ
第44回合川まと火、第35回合川ふるさとまつりが、8月14日(金)に合川橋付近と合川体育館を会場に開催され、市民や帰省客らが伝統行事の「まと火」や「通り踊り」、「スペシャルステージ」などでお盆のひと時を楽しみました。
雨のため、李岱の健康広場から合川体育館に変更した「合川ふるさとまつり」は、午後5時に地元のアマチュアバンドの演奏で始まり、続いて合川太鼓保存会の迫力ある「呼太鼓」に続き、婦人会と合川中学校女子生徒による華麗な踊り「通り踊り」が披露されました。
通り踊りの後に行われた開会セレモニーでは、実行委員会を代表して金森勝三実行委員長が「この地域で何もなくなっていっている時に、このふるさとまつり、まと火を絶やしてはいけないという思いで、昨年からしっかりと私たちが実行委員会を設立しながら継承しています。私たちが継承してきた44年、35年という経緯を皆さんで考えていただき、また、帰省して来る人たちにもぜひふるさとに帰りたいな、という思いを残してもらえるよう頑張りたい」などとあいさつ。
つづいて、来賓を代表して津谷永光市長が「合川まと火は、昭和47年からは、それまでは春彼岸のまと火であったものを地元の方々に伝統行事を何とか残していきたいという思いから、帰省される方々が来られるお盆の時期にもまと火をやろうということで続けていただいています。先月には、合川中学校の生徒の皆さんが地元の皆さんと一緒に、昭和54年から旧合川町と交流のある東京都国立市で昨年に続き、まと火をやっていただきました。このことは、地域にあるものをしっかり続けていこうという皆さんの熱い思いが伝わってくるものです。また、北秋田市のPRに大きな力となってくれたことを心から感謝申し上げます。この合川まと火の継承により、お盆に皆が帰って来て、一緒になって踊ったり話すことで、もう一度、自分たちのふるさとを見直そうという気持ちになっていただければありがたい」などと祝辞を述べました。
この後、合川太鼓保存会のみなさんによる郷土芸能の「合川太鼓」が披露されたほか、福田獅子舞、仮装を交えた民謡「タント節」の踊り、アコースティック・デュオのケースケ&マサが、スペシャルステージを行い、会場を盛り上げました。
一方、阿仁川堤防が会場となった「合川まと火」は、午後7時20分から合川橋を挟み堤防約1.2kmにわたり、「水平まと火」、「車まと火」、「44回合川マトビ」の文字を浮かび上がらせる仕掛けまと火が、合川中学校男子生徒たちの手によって次々に灯されました。火の光は川面に映り、幻想的な光景を一層引き立て、見物客を魅了しました。
合川太鼓
平成元年6月、合川町で県連主催の和太鼓講習会が行われたのをきっかけに、同年8月の生涯学習講座の中で合川太鼓として発足しました。大曲太鼓道場、現在、秋田県太鼓連盟専務理事、鈴木孝喜氏の指導により、合川囃子を修得し、その後、合川太鼓保存会として住民とのふれあい、地域の活性化をめざして活動しています。
通り踊り
合川中学校の女子生徒、婦人会など約250人で踊る通り踊りは、大勢にもかかわらず息のピッタリと合った踊りです。合川ふるさと音頭、合川まとび音頭に合わせ、まと火をイメージした先が赤い棒を鮮やかに操ります。
タント節
タント節の由来は旧合川町の旧大野村、現在の東地区の辺りで月明かりの夜、若者たちが藁打ち作業で歌った「わら打ち唄」が現在は酒席で歌われるようになったものです。1から10までの数え唄式のような語りで、本来ならば「イロハ口説き」といって非常に長いものです。このタント節は合川が発祥の地として言われており、後に縁があり仙北地方に伝えられたものとされています。そして、平成5年度から7年度にかけて行われた合川町商工会「中小企業活性化事業」実施の際に、伝統・伝承文化の掘り起こしとして、この「タント節」を取り上げたことをきっかけに、ふるさとまつりのイベントの1つとして披露されています。
合川まと火
「まと火」は古く奈良時代から行われていた記録があり、灯明(とうみょう)は煩悩(ぼんのう)の闇を照らす仏の知恵に例えられ、仏前にともすことは香をたいたり、花を献じたりするとともに功徳(くどく)のあるもので懺悔(ざんげ)、滅罪(めつざい)となるとされています。合川では、古くから下小阿仁地域を中心に、春彼岸の中日の伝統行事として、墓地に灯かりをともすとともに、山の尾根づたいや沢づたい、あるいは川原にたいまつを灯し先祖の霊を我が家に迎えてもてなし、供養とともに豊年満作、家内安全を祈ってきたと言われています。そして、このまと火を更に継承発展させ、人々がふるさとに帰省するお盆の14日夜に阿仁川堤防に延々と灯かりをともし、先祖の供養と郷土愛を培う伝統行事として行っています。また、まと火に使うダンポは合川住民総参加のもとに合川地区内全世帯で1個ずつ作られ、中学生の協力を得て阿仁川堤防約1.2kmに設置され点火されます。