2015年08月16日
コンテンツ番号6937
山峡にこだまする体感花火を満喫
第53回阿仁の花火と灯籠流しが8月16日(日)、阿仁河川公園で行われ、市内外から訪れた大勢の見物客が幻想的な灯籠の灯りと山河に響く光の大輪に酔いしれました。
灯籠流しは、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出すために、死者の魂を乗せた灯籠を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏教会と灯籠流し奉賛会が中心となって開催しており、午後6時30分から会場入り口付近に設けられた仮設の祭壇で、祖先の霊を招霊し供養する儀式「一代供養」が行われました。
式には、善導寺、専念寺、善勝寺、耕田寺、法華寺、福厳寺の6寺院から檀家代表と住職らが参加。表白を読み上げ、祭文、物故者への追悼文朗読などの後、僧侶による読経と檀家代表の焼香で祖先の霊を供養しました。
あたりがお香のにおいと読経の響きに包まれる中、灯籠流しが始まり、各檀家から持ち込まれた灯籠が係員により1つずつ火が灯され、阿仁川に流されました。流れた灯籠は約700個。夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながらゆらゆらと流れ、川辺で見守る見物客らもその幽玄な美しさを堪能しました。
花火大会は、阿仁の花火大会実行委員会(菊地忠雄委員長)の主催。午後7時30分、「精霊に祈りを込めて」と題した、スターマインと4号玉10発の慰霊花火が打ち上げられて始まった花火大会では、はじめに主催者を代表して菊地実行委員長が「阿仁の花火大会実行委員会は、阿仁の発展と地域の活性化、実りある郷土のために努力していく所存。今日は、阿仁だけの体感できる花火に感動し、楽しんでいただきたい」などと開催宣言のあいさつ。
続いて、来賓として虻川広見副市長が「阿仁地区では、くまくま園が話題を集め、森吉山阿仁スキー場は、4年計画で施設の改修工事を進めているが、年内には、(仮称)ビジターセンターがオープンする。異人館伝承館を含め、阿仁の魅力ある地域資源を今後とも大切にし、発信してほしい」と歓迎のあいさつを述べました。
開始号砲が鳴り響いたあと、「開幕を祝う光と音のファンファーレ」と題した大スターマインをはじめ、慰霊や御祝いのメモリアル花火、4号から6号の割り物花火、色とりどりのスターマイン、造形花火が次々と打ち上げられました。
川幅約100mほどの阿仁川をはさんで対岸から打ち上げられる数々の花火は、間近に迫ってくる光のきらめきと山間に共鳴する轟音で迫力満点。フィナーレの「新たなる時代に夢のせて」と題した小型煙火付スペシャルスターマインが夜空を焦がし、今年の大会を締めくくるまで、見物客は、美しい灯籠絵巻と山峡にこだまする花火との競演を堪能していました。
また、午後4時から、阿仁庁舎駐車場で行われわれたアトラクションでは、阿仁からめ節保存会、秋田大学「よさとせ歌舞輝」、阿仁中学校、阿仁合小学校、森吉ダンスキッズによる踊りやダンスが披露され、詰めかけた大勢の観客が、艶やかで華麗な演舞や元気いっぱいの踊りにさかんに拍手を送っていました。