2015年03月10日
コンテンツ番号6210
地域創生などについて4議員が一般質問
平成27年北秋田市議会3月定例会の本会議が、3月10日(火)に議事堂で再開され、4議員が「農業の再生について」や「地方創生について」などの事項について一般質問を行いました。
一般質問のなかで「平成27年度の重要施策は」との質問に対し、津谷市長は「定住促進、子育て支援、地方創生」の三つを掲げ、「農業の再生について」の質問には「市の農政の目指すところは『農業者の所得向上』。農産物をはじめ地域産業資源を有効活用し、創意ある工夫と取り組みを行い、付加価値のついた「北秋田ブランド」として全国に発信できるよう、さらには雇用の拡大に結び付くよう、農業者や法人に対するできる限りの支援をして、より高い効果の見込める取り組みを構築していきたい」などと答弁。
また、「地方創生について」の質問に対しては、内陸線乗車促進事業やスーパープレミアム商品券事業、農産物販路拡大事業、観光PR事業など、市で予定している事業の説明をし、最後に「地方創生とは、地域の英知を結集して、地域の独自性を活かした生き残り策を考え実行することと理解している。失敗を恐れず、しっかり取り組んでいきたい」などと述べました。
福岡由已 議員(無会派)
(順位:1-1)
1 市長として、平成27年度北秋田市施策のスローガンは何か
①平成27年度の重要施策をスローガンにするとどうなるか
スローガンではありませんが、重点施策のキーワードとしては「定住促進」と「子育て支援」、「地方創生」と考えています。
2 農業再生について
①稲作以外の農業を拡充することについて
1)北秋田市農業再生のビジョンについて
稲作以外の農業拡充については、国や県の補助制度のほか、両JA等関係機関との協議により、選定した市の重点推奨品目に対し、青果物振興対策事業や戦略作物地力増強推進事業等の市単独補助を実施することで、稲作プラス青果物の複合経営による農家経営の安定を推進していますし、今回の定例会に地方創生関連予算として、さらに補助率を上げるなど、事業内容を手厚くした形で提案をさせていただいています。また、農業従事者の高齢化や担い手の減少から、農業生産額が伸び悩んでいる当市では、農産物の生産、加工、流通と販売を行う、六次産業化への取り組みが不可欠であり、それらに取り組む個人や法人の育成も重要施策の一つと考えています。そのほか特産野菜等の更なる品質向上と生産拡大、新たな商品開発等を視野に、両JAをはじめ関係機関や行政で継続的な意見交換会等を開催し、情報の共有と状況把握を行いながら取り組んでいます。
市の農政の目指すところは、「農業者の所得向上」であり、今後も農産物をはじめ地域産業資源を有効活用し、創意ある工夫と取り組みを行い、付加価値のついた「北秋田ブランド」として全国に発信できるよう、さらには雇用の拡大に結び付くよう、やる気のある農業者や法人に対するできる限りの支援をしながら、より高い効果の見込める取り組みを構築していきたい。
2)地産地消の実績と具体的計画について
市内の一般家庭等における地場産使用率は把握していませんが、学校給食における平成25年度の地場産使用率は33.8%となっています。また、議員ご提案の農業ビジョン計画については、平成27年度に予定している市の総合計画の見直しや、国や県の施策と並行し策定している各部門別の既存計画の見直しと併せて、その必要性を含め検討したい。なお、各作物別の振興方針、生産量、販売額等の目標を明示した戦略作物生産育成計画については、平成26年度に策定しています。
3 合川小・中学生の通学について
①合川小・中学生の通学方法の基準について
通学基準は従来通り、小学生4キロメートル以上、中学生6キロメートル以上がスクールバス該当で変更はありませんが、途中に歩道が無いなどの安全面を考慮し、基準以外の地区を該当にしている所もあります。12月定例議会で答弁した通り、川井―八幡岱間の通学路の歩道については、歩道スペースの確保、水路に蓋をするとしても構造上の問題等があり、歩道の設置は非常に厳しい状況と判断しています。従って八幡岱地区の一部児童は、距離的に該当になりませんが、安全面に配慮しスクールバス輸送の該当地区になります。自転車通学については、安全な通学路を学校で定めており、川井―八幡岱間の歩道の無い道路は自転車通学を許可していません。
今後、通学路の安全については、歩道の確保や一般道の整備も含め、今年度設置された「北秋田市通学路安全推進会議」等で検討しながら安全対策を進めたいと考えています。なお、この推進会議では、今年度、松が丘団地内県道の歩道グリーベルト設置や川井三叉路の整備などの対策を講じています。
4 教育費の保護者負担の軽減について
①憲法第26条「義務教育は無償」について市教委の認識はどうであるか
②保護者の納付金には公費で負担すべき項目はないか
憲法で「義務教育は、これを無償とする」と規定していますが、この「無償」とは授業料の無償を意味するものです。従って、授業料の徴収はしていませんし、教科書無償措置法等により、義務教育段階では、教科書は無償となっています。授業料・教科書以外の教育活動に必要な経費は、学校諸集金として学校ごとに保護者が納金しており、内訳は学校によって若干違いますが、主なものはPTA会費、教材費、PTA安全互助会費、修学旅行積立、体育・文化教育振興費などで、小学生の月ごとの集金額は2千円~3千円、中学生は3千円~4千円なっており、これに修学旅行積立を希望した場合、小学生で5千円前後、中学生で1万円前後の納金になっています。 諸集金は、学校運営やPTA活動充実、また、教育効果を高める上で必要不可欠なものと考えていますが、学校全体で使用する教材備品や図書などの購入費は、市として予算配当し、各校で効果的に執行されていますので、諸集金については市として負担するべきものは無いと考えています。なお、市教委としましても、授業に使用する教材などは、その効果をよく吟味、精選した上で使用し、負担を軽減するよう指導していますし、「要保護及び準要保護児童生徒就学援助費支給制度」によって、新入学用品費、通学用品費、給食費、修学旅行費、柔道着、医療費が支給され負担を軽減しています。
③学校給食費の無料化の実現を
先の12月定例会において、板垣議員から同様の質問をいただいており、その際に財政負担が非常に大きいので無料化は考えていないとの答弁をしましたが、結論から申しますと今回も同じ答弁になります。学校給食法第11条及び学校給食法施行令第2条では、経費の負担について規定しており、給食施設の設備や運営にかかる経費以外は保護者の負担と定めています。したがって、市で負担している施設・設備の維持経費及び調理員等の人件費のほかに、保護者負担分の食材費までも市で負担をすることは考えていません。
5 介護保険制度について
①要支援者へのサービスの切り捨てについて
今回の改正により、全国一律のサービスであったものが、各自治体の地域の実情に合わせて行えるようになるものと考えていますが、早急な変更に伴う利用者への影響を踏まえ、2年間の移行期間は従来通りの予防給付事業を行う予定です。また、移行期間の終了後は、より良いサービス提供ができるよう、介護予防サービス利用者及び介護事業者等と協議しながら、検討を進めることとしています。
②介護保険料について
今回の第6期介護保険事業計画策定にあたっては、介護保険法の大幅な改正や国の決定がぎりぎりになることが予想されたほか、前回の第5期事業計画策定時に開催した説明会への参加者が、わずか6人にとどまったことなどを踏まえ、説明会は行わずに事前アンケート調査によって市民の方々の意見聴取を行うことにしました。保険料や施設整備等に関するアンケートに対しては、一般市民819人から回答をいただき、今回の介護保険法改正で一番影響がある要支援1・2及び要介護1・2の対象者1,505人全員へのニーズ調査では、969人の方から回答をいただいています。また、市内の介護事業所に所属するケアマネージャーを対象にアンケート調査を行い、49名の方から回答をいただいており、計画策定にあたっては、これらの結果を十分に反映させることができたものと考えています。なお、計画の周知については、市の広報やホームページのほか、職員による出前講座等により、積極的に発信していきます。 介護報酬の引き下げについては、2月9日に国から示された内容によると介護報酬は引き下げになりますが、介護職員処遇改善部分は月額1万2千円程度引き上げられる見込みとなっています。そのため、各介護事業所の利益部分は減りますが、介護職員の賃金部分は増えるものと理解しています。また、介護報酬の引き下げによる、介護の質の低下などが懸念されていますが、そのようなことはあってはならないことですので、各事業所への指導及び監査については引き続き強化していきます。
板垣淳 議員(日本共産党議員団)
(順位:1-2)
1 地方創生について
①国の「地方創生」関連予算が当市においてはどのように反映されているか
地方創生関連予算のうち、地域消費喚起・生活支援型については、内陸線乗車促進事業、スーパープレミアム商品券事業、スーパープレミアム宿泊利用券事業の3事業。地方創生先行型については、北秋田市総合戦略策定事業、飼料用米作付拡大緊急対策事業補助金をはじめとする農産物販路拡大事業、観光施設へのWi-Fi(ワイファイ)設置などを含む観光PR事業の3事業となっています。また、定住促進基本方針に記載している事業の開始時期ですが、定住促進総合案内窓口については、専任の係や職員の配置はありませんが、既に総合政策課を窓口として業務を開始しています。また、林業リーダー育成事業については、当初予定していた事業内容ではニーズが見込めないことが判明したことから、事業内容の見直しを行っているところですし、空き家バンクについては平成27年度からの開始を予定しています。
②「地方版総合戦略」策定方法について
人口ビジョンと地方版総合戦略の策定については、平成28年度予算編成作業への反映を目指し、平成27年10月を策定の目標としていますが、具体的なスケジュールは、今後決定されることとなります。また、地方版総合戦略策定にあたっての意見集約については、国からの通知では住民代表や産業界・行政機関・大学・金融機関・労働団体で構成する審議会の設置や議会との協議が例示されていますが、市ではそれに加え市民との意見交換の場を持ちたいと考えています。
③「地方創生」で北秋田市はどうなるとみているか
昨年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」では、『地方創生が目指すものは、地域に住む人々が、自らの地域の未来に希望を持ち、個性豊かで潤いのある生活を送ることができる地域社会を形成することである。それぞれの地方が独自性を活かし、その潜在力を引き出すことにより多様な地域社会を創り出していくことが基本となり、そのためには、地方自らが将来の成長・発展の種となるような地域資源を掘り起こし、それらを活用していく取組を息長く進めていく必要がある。地域に「ないもの」ではなく、「あるもの」を探していくことや、「ないもの」をチャンスととらえ、チャレンジしていくことが重要である』と書かれており、当市における地方創生は、道州制の導入議論がどうなるにせよ、地域の資源を活かす取組を地道に続けていくことに尽きるのではないかと考えています。
④道州制についての市長の考えは
現時点では、道州制導入に伴う市町村への影響が明らかになっておりませんので、賛成でも反対でもなく、判断が難しいというのが私の率直な感想であります。
⑤北秋田市が光り輝く地域となるための方策について
例えば、先ほど地方創生交付金の地方創生先行型の対象事業として「飼料用米作付拡大緊急対策事業補助金」をご紹介しましたが、地域で生産される飼料用米を地域の比内地鶏の餌として使用することで、地域内から供給される仕組みをつくることができないかを検討しているところですし、同じく地方創生先行型の事業の中で「比内地鶏素雛購入費補助金」の補助率アップを行うこととしていますが、比内地鶏の増羽に伴い地域内で消費される飼料用米を増やすことを目的のひとつとしているものです。これは、需要と供給の両方を支援しながら、地域内でつなぐことで、地域循環型経済の構築を目指すものであり、一方、地域外への農産物販売促進については、これまでも行っていますが、市の重点推奨品目等の販路拡大を図るための「推奨品目販売促進事業」の更なる拡充を地方創生先行型の事業として実施する予定としています。地方創生とは「地域の英知を結集して、地域の独自性を活かした生き残り策を考え実行すること」と理解しています。失敗を恐れず、しっかり取り組んでいきたい。
吉田仁吉郎 議員(清和会)
(順位:1-3)
1 市長の政治姿勢について
①副市長の2人制について、今後も2人体制で行くのか
政策課題にスピード感を持って取り組むためには、より機動力を発揮して行政運営に当たることが有効かつ適当であるとの判断のもと、平成23年3月から、私の市政運営のための政策の一つとして、副市長2人制を実行してきました。2人の副市長が、それぞれに担当する業務に関して専門性を発揮することにより、諸課題の解決のほか、市内の誘致企業での増床や雇用人員の増、異業種からのアグリビジネス参入支援と6次産業化の推進、アパレル関係企業の当市への進出、そして、全国的に反響を呼んだ「北あきたバター餅」の特産品化など、様々な効果や成果があったと実感しています。
この3月末を任期とする副市長1人が勇退しますが、地方創生に関連する国の人的支援の動向や今後の情勢の変化への対応を考慮に入れ、副市長を2人とする制度そのものは存続させていただきたいと考えていますが、現段階では後任の副市長は置かない方向で考えています。
2 職員の意識改革について
①これまでの取り組みについて
②ウィークリー講座を行う考えがないか
当市では、平成21年度から平成25年度の5年間を推進期間として策定した「北秋田市行財政改革大綱」により、管理行政からの脱却と行政を経営するという考え方への方向転換を図るため「職員の改革」を含んだ6つの重点実施項目を設定し、取り組んできました。今年度からは、これまで実施してきた改革の継続・改善を踏まえ、見直しを行なった「第2次北秋田市行財政改革大綱」により、新たな行政課題への積極的な取り組みを推進しており、その目標の1つとして「職員の行財政改革への意識改革」を掲げ、時代の変化に応じた行財政改革への着実な取り組みを進めています。そうした中、職員のアイディアや提案を政策形成や業務改善に活用し、職員の改革意欲の向上と改革推進に向けた取り組みを促進する目的で、平成25年度より「職員提案制度」を実施しており、初年度は8件の提案の内2件を、今年度は9件の提案の内4件を採用しています。
そのほかに、市長会や自治研修所でも職員研修が実施されており、毎年度80人ほど受講していますし、私の考えを述べ職員の意見を聞く機会としては、部長会議や主幹級職員との意見交換会、新規採用職員を対象とした職員研修会ほか、私の感じたことを庁舎内メールで伝えるなどしています。議員ご提案のウイークリー講座については、私からテーマを決めて、職員に話をする機会について検討をしてみたいと考えています。
3 女性職員の幹部員の登用について
①当市における女性管理職の割合は
②女性幹部職員の複数の登用は
今年度の女性管理職の管理職全体に占める割合は、13.9%で15人となっています。女性管理職を登用することは、女性ならではの意見・提案による行政運営が期待されることから、研修機会を確保するなどして能力向上を図り、幹部職への登用を図っていきたい。
4 自治会館の水道料金について
①基本料金制をとっているが、水量制に変えるべきと思うが
水道事業は、供給に必要な経費を利用者の方々に負担していただく「受益者負担」を原則としています。安全安心な水道水を供給するためには、水道施設の計画的な改修整備を実施しつつ、維持管理を行うことが必要ですので、引き続き基本料金制での水道の使用についてご理解をお願います。
長崎克彦 議員(清和会)
(順位:1-4)
1 本庁舎、分庁舎の今後について
①市長部局の業務は本庁舎に統一すべきと考えるが
②第二庁舎の構想は「中央公民館、旧バス会社の敷地等の利用
市民の皆様や来庁される方にとって、市長部局が一つの建物に集約されていることは、利便性の点からも、望ましい姿であると認識していますが、現在の本庁舎は市長部局を集約するには手狭であり、耐震補強が必要な建物であるとの課題を抱えていますし、中央公民館機能の(仮称)生涯学習交流施設への移転も予定されています。庁内検討委員会での検討の結果、新庁舎の規模や用地の問題、中央公民館での確保可能な執務面積などが明らかになりましたが、庁舎の今後については、委員会での検討が及ばなかった新庁舎建設に係る財政計画や、新市まちづくり計画の期間が延長されることを十分に踏まえて、慎重な対応が必要と考えています。
また、第二庁舎については、現行本庁舎の隣接地に第二庁舎を建設しようとした場合、建設後45年が経過している本庁舎の取扱いが課題となりますので、当面は(仮称)生涯学習交流施設建設後の中央公民館を庁舎として活用することが現実的と考えています。
2 農業振興について
①米価の下落で北秋田市の基幹産業である農業への支援についての考えは
1)意欲を持って生産活動に取り組むための施策は
安部総理による「農業を成長産業として、農家所得を倍増する」という発言については、農産物の海外輸出の拡大を念頭に置いてのものと考えますが、市農政の目指すところは「農家所得の向上」であり、先ほど福岡議員からの質問でもお答えしたように、特産野菜等の品質向上と生産拡大、生産から加工・販売・流通までを行う六次化による商品開発等への支援により、農家所得の向上につながる持続可能な取り組みを考えています。また、平成26年産米の概算金が大きく下落し、農業所得が大きく落ち込んだことによる農家の生産意欲の減退については、市としても大変留意しているところです。農家の生産意欲の喚起と農家負担の軽減を図るため、生産調整を確実に実行し、農家所得の向上が見込める飼料用米については、地方創生先行型の「飼料用米作付拡大緊急対策事業費補助金」として種子助成を3月補正予算に、主食米の種子助成については、「主食用米コスト軽減緊急対策事業費補助金」として、平成27年当初予算に提案させていただいたところです。このほか、平成25年度から実施している「青果物振興対策事業」、「比内地鶏素雛購入費助成」、「戦略作物地力増強推進事業」等についても地方創生先行型を活用して助成率を上げ、農業者が主食米一辺倒から、ほかの作物に転換できる環境を整えたいと考えています。また、小規模農家や兼業農家の離農も予想されることから、市内JAや農地中間管理機構、農業委員会との連携を密にして、規模拡大農家への農地集積を推進するともに、多面的機能支払交付金等の直接支払制度の活用により、遊休農地の発生を防いでいきたい。
3 市民意識調査の結果について
①今後の市政運営にどう反映させる考えか
市民意識調査は、総合計画の進捗度を測る「ものさし」として、また、行政評価で事業の有効性等を判断するための指標として活用するために行っているもので、国勢調査などの統計調査では把握しがたい市民の行政施策に対する思いを広く知ることができる手法であると考えています。調査の設問が市政全般にわたる一般的認識を問うものとなっていることから、その結果については、行政評価での活用のほか、総合計画の策定や政策立案にあたっての市政の方向を決めるための基礎資料としていますが、「行政サービスの満足度」に係る調査項目については、新しい総合計画の成果指標や目標値として用いることで、市政運営に反映させていきたい。