2015年02月15日
コンテンツ番号6126
燃え盛るご神体に無火災、五穀豊穣を祈願
七日市・葛黒(くぞぐろ)集落に伝わる小正月行事「火まつりかまくら」が、2月15日(日)に葛黒集落で行われ、多くの見物人が訪れました。
この行事は、高さ7、8メートルほどの栗の木を雪の厚い田んぼに立て、それに稲わらや豆がらを巻きつけて火を放ち、燃え上がった木を火の神「不動尊」になぞらえて無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願するもので、燃えさかるご神体のまわりで子どもたちが「ウオー、かまくらのごんごろー」と叫んで厄払いをします。
祭りは今から250年ほど前に始まったといわれており、葛黒では代々小正月行事として旧暦1月14日の夜に行われていました。ご神体として用いる適度な高さの木が少なくなったことなどから、平成10年に一時休止していましたが、昨年から実行委員会を立ち上げて再開しています。
今年は、約12メートルの御神木が用意され、地元住民やボランティアスタッフにより、約1時間も掛けてようやく立てられました。
辺りが暗くなった午後6時、会場内につくられたミニかまくらの火がやさしい光を放ち、幻想的な風景につつまれるなか、開会セレモニーで実行委員長の堀部明博さんは「去年から再開し、今年も皆さんのご協力により盛大に開催することができた。現在、当集落には人数も少なく集落だけで行うのは厳しく皆さんの協力がどうしても必要。これからもご支援ご指導をお願いしたい。今日は一緒になって権五郎を叫びましょう」などとあいさつ。
続いて、来賓の津谷市長は「今年も多くの皆さんの熱意により、継続して開催していただいたことに感謝を申し上げる。葛黒集落の皆さんをはじめ、市内の多くの方々に協力をいただき、また、未来を担う鷹巣南小、鷹巣南中の児童生徒の皆さんにも頑張っていただいた。この北秋田市の素晴らしい行事を通して、皆の心を一つにして今日のかまくら火まつりを盛り上げましょう」などとあいさつをしました。
このあと、堀部実行委員長、津谷市長、地元県議会議員、鷹巣南小学校の代表児童らが御神木の周りに並び、見物人の「ウオー、かまくらの権五郎ー」の叫び声を合図に点火しました。 火が放たれると御神体は一気に燃え上がり、またたく間に最上部まで炎が到達。その炎を仰ぎながら見物人は「かまくらの権五郎ー」と何度も叫びました。
焼かれた御神木を持ち帰り、祀っておくと無火災のお守りになるといわれており、最後に倒された御神木をチェーンソーで切り分けられ、見物客に配られました。