2016年11月29日
コンテンツ番号5871
好きなことを思い切りやれる人生に
(2016年11月29日)
鷹巣南中学校(高橋智校長・生徒数105名)のキャリア教育講演会が、11月29日(火)に同校で行われ、おもちゃクリエイターの高橋晋平氏が講演し、生徒たちにアイデアを生む出す方法などを紹介しました。
キャリア教育講演会は、北秋田市出身で、東京を拠点に幅広く活躍している高橋氏の講演を聴くことをとおして、将来の夢の実現に向けた意識、意欲を高めるとともに、現代社会に関する見識を広めることを目的に行われました。
講師の高橋晋平氏は、北秋田市出身の37歳。鷹巣東小学校、鷹巣中学校、大館鳳鳴高校、東北大学工学部を経て、同大大学院情報科学研究科を修了。その後、玩具メーカーの株式会社バンダイに入社し、企画開発商品として国内外累計335万個を販売し、第1回おもちゃ大賞を受賞した『∞(むげん)プチプチ』、『∞エダマメ』、自分の本名が商品名になっているボードゲーム『瞬間決着ゲームシンペイ』などをはじめ、アイデア商品を数多く開発しました。株式会社バンダイを退社後に株式会社ウサギを設立し、おもちゃクリエイター、アイデア・コークリエイターとして多方面で活躍されています。
この日の講演会には、鷹巣南中学校と上小阿仁中学校の生徒134名が参加。はじめに鷹巣南中学校の高橋校長が「高橋先生は、一昨年の北秋田市成人式でも講演された。その時に自身の失敗や悩みがあったが、周囲の方々から支えてもらって乗り越えらたことを話されて、すごく感動した。皆さんがこれから進む方向性のヒントをもらえると思うので、しっかりと心にメモをしながら聴いてもらいたい」などをあいさつしました。
このあと、高橋さんが「おもちゃクリエイターという仕事~人生をかける職業の見つけ方」と題して講演。なぜおもちゃクリエイターになったかについて「高校時代は将来の夢はなく、よく不良に絡まれた。大学は数学が得意で工学部に入ったが、研究の壁にぶつかり挫折した。一方で落語研究会に入りサークル活動に夢中になった。就職活動では人を笑わせることが人生のすべてになり、それまで志望していた電機メーカーから、おもちゃメーカーに志望が変った」などとおもちゃメーカーに就職するまでのいきさつを話しました。
商品の作り方とアイデアをどうやって考えているかについて「一人では何もできないので人に頼る、自分の思いついたアイデアを実現するために、いろいろなプロに提案して頼んで、協力してもらうことが大事。アイデアは日常にある『面白い』または『面白くない』をヒントに考え、いいアイデアを考えるのではなく、ただ、たくさんのアイデアを考える。例えば、なんでもいいから100個のアイデアを考えると100個の中で一番いいアイデアが必ずある。数は質を凌駕する。多くの人は失敗をいやがるので、正解を出さなければいけないと頑張るが、それでは何も見つからない。なんでもいいから思いつけば、正解の近くに2個ぐらい当たる」などとアイデアを生むコツを紹介しました。
最後に、やりたい仕事の見つけ方について「好きなことをとことんやって、一日も早く壁にぶつかってみること。私は大学の時に研究の壁にぶつかった時に、壁を越えることができなかった。そのことで私の仕事は『これじゃない!』と気付き、本当に好きなことを見つけることができた。好きなことからしか成長はない、その壁を超えることができたら、それが皆さんにとって一生かけてもいいものになる。本当にやりたいことは、自分がちょっと好きだな、ちょっと面白いなと思うことを精いっぱい楽しくやることから見つかると思う。好きなことを思いっきりやれる人生を楽しんでもらいたい」などと生徒たちに呼びかけました。生徒たちは自身の好きなことや将来と照らし合わせながら、高橋さんの話に聴き入っていました。