2016年11月30日
コンテンツ番号5870
認知症について理解を深める
(2016年11月30日)
認知症をテーマとした北秋田市民公開講座が、11月30日(水)に文化会館で行われ、約500人が参加して認知症について理解を深めました。
日本の認知症高齢者の数は、平成24年で462 万人、平成37年には約700 万人と、65 歳以上の高齢者の5人に1人に達することが見込まれており、認知症は今や誰もが関わる可能性のある身近な病気となっています。
こういった状況から、市では平成21年度から認知症サポーターの養成に取り組んでおり、これまで75回の養成講座を開催し、現在2,060人の方が認知症サポーターとして、認知症の人や家族を温かく見守る応援者となって活動されています。
この日の公開講座は「認知症になっても地域で安心して暮らせるために」をテーマとして、認知症サポーターの方々に認知症への理解をより深め、今後の活動につなげてもらうことと、多くの市民に認知症という病気について、正しい知識を持ち、発病者の思いを理解していただきながら、支え合う地域をつくり上げていくことを目的に市が主催したもの。
公開講座は2部構成で行われ、第1部は大館市民劇団の「いつかくる日」と題した寸劇が披露されました。内容は2人暮らしの老夫婦の日常を題材に、認知症が発病した妻に対する夫の態度や思いが、地域の人たちの支援や声を聴き認知症への理解を深め変化していく物語。現実味のあるセリフや演技に会場からは笑いが起こる場面もあり、参加者は楽しみながら鑑賞しながらも、認知症の人や家族に対し、少しの助けが大きな意味を持つことを改めて感じていました。
つづいて、第2部の講演の開会にあたり、北秋田市健康福祉部の柴田榮則部長が「昨今、高齢者の交通事故が多く報道されており、その中には認知症の疑いのある方もいると聞いている。被害者はもちろんのこと、加害者にとっても大変不幸なことと痛ましく思う。認知症は誰にでも起こりうる病気。今日は認知症の正しい知識と理解を深めるため、最後までお付き合い願いたい」などとあいさつを述べました。
このあと、大館市の中神メンタルクリニックの中神卓(たく)院長が、「もっと認知症を知っておこう」と題して講演。この中で中神院長は「認知症の人は年々、増加傾向にあり、年齢も高くなるほど発病する方が多く、80歳を超えると25パーセントの方が認知症になっている」などと、グラフを示しながら認知症の傾向を分かりやすく説明しました。また、認知症の初期発見のポイントや診断基準のほか、認知症と老化による物忘れの違いをはじめ、様々な病気との違いや見分け方を紹介。参加者は中神院長の講演に聴き入り、認知症についての知見を広げました。