2016年09月04日
コンテンツ番号5746
有事に備え訓練に取り組む
(2016年9月4日)
平成28年度秋田県消防協会大館北秋田支部総合防災訓練が、9月4日(日)に合川李岱地区一円で実施され、地域住民や消防団員など約250人が参加し、避難所運営訓練や多数傷病者訓練などが本番さながらに行われました。
同訓練は、北秋田市防災訓練計画に基づき、大規模地震による災害等の発生を想定し、各防災関係機関が相互に緊密な連携を図りながら、より実践的かつ具体的な訓練を実施し、市民の防災に対する理解と意識の高揚を図ることを目的としています。
この日の訓練は、9時29分頃、秋田内陸北部に直下型の地震(マグニチュード7.0)が発生し、北秋田市合川地区では震度6強を観測、家屋の倒壊や道路、橋梁、通信、電気、水道などのライフラインに甚大な被害が発生している模様。市は直ちに災害対策本部を設置し、各防災関係機関と連携を図り、情報収集や救助、救急救護、消火等の初動体制やライフラインの復旧、治安の維持などの災害対策を実施することを想定しました。
一斉放送により訓練が開始され、直ちに合川窓口センターと本庁の災害対策本部が連携し、合川農村環境改善センターに現地対策本部を設置。電話連絡やドローンによる空撮映像などで情報収集し、地区内の災害状況の把握に努めました。
李岱地区では、消防団員が各世帯を回り、地域住民を避難所に誘導して、2次災害を防止したほか、明田団地周辺では、道路に散乱したがれきを重機で取り除いてライフラインを確保したり、倒壊した建物から被災者を救出し救急車で搬送しました。
また、合川中学校では、地域住民やボランティアが避難所を開設し、入口で避難者の受け付けやマスコミへの対応をしました。同体育館では、住民が協力してダンボールで仕切った避難者の居住区域を作製、支援物資を搬入し避難者に配布して、適切な避難所運営を図りました。
そのあと、地震により乗用車とバスが衝突し、車内に多数の負傷者がいることを想定した、多数傷病者対応訓練が行われました。救急隊が車両から複数の負傷者を搬出し、北秋田市民病院DMAT(災害派遣医療チーム)と協力して、負傷者を重症度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めるトリアージを行い、軽傷者については、救急車で合川診療所に搬送して応急処置が行われたほか、重傷者については、医師の判断により県のドクターヘリを要請し、合川小学校野球場の駐車場に着陸したドクターヘリに引き継ぎ搬送しました。
訓練後の閉会式では、統監を務めた津谷市長が「道路啓開や避難所運営など、たくさんの訓練が本番さながらに行われた。地区住民の真剣な取り組みに心から感謝したい。有事の際には、今日の訓練を参考にして対応もらうことになるが、実際には、なかなか訓練のようにはいかないと思う。住民が協力して取り組むことが必要になる。行政としても、しっかりと対応していくが、なによりも自分たちの命、安全は自分たちが守る「自助」、隣近所に声をかけて協力していく「共助」、そして私ども公ができる「公助」に対して、皆さまからのお力添えをお願いしたい」などとあいさつ。
中嶋誠消防長は「大震災後の教訓を生かしたいと思い、市民の皆さんに初期の対応を訓練してもらった。避難所開設訓練は、はじめての取り組みであったが、市民が協力して対応し大変よく運営されていた。毎年、大きな災害が発生している。消防本部としても、地域住民の安心安全を守るため、さらに防災に力を入れていきたい」などと講評しました。