2016年09月10日
コンテンツ番号5723
縄文の暮らしや文化を体験
(2016年9月10日)
第16回北秋田市縄文まつりが、9月10日(土)に伊勢堂岱縄文館で開催され、来場者が火おこし体験や勾玉(まがたま)づくりなどで縄文の暮らしや文化を体験しました。
伊勢堂岱遺跡は大館能代空港そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
平成13年1月に国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡などの縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開し、平成20年12月に暫定リストに登録されていますが、平成28年7月の文化審議会で、4年連続で国内推薦が見送られました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたことをきっかけに、伊勢堂岱遺跡や縄文文化に関心を持ってもらうとともに、子どもたちにも体験学習の場を提供しようと始まりました。昨年まで遺跡周辺の環境整備を行っていたため、市文化会館等で開催されていましたが、今年は5年ぶりに遺跡周辺の伊勢堂岱縄文館で行われました。
開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「遺跡周辺も整備され、よい環境で今日の縄文まつりを迎えられて喜んでいる。また、伊勢堂岱縄文館も完成し、16回目の縄文まつりで、本当のスタートラインに着いた。このまつりが、世界遺産登録に向けて大切な活動であるということを再認識し、これからも、まつりの内容を充実して、お客様をこころよく受け入れていきたい」などとあいさつ。
今年の縄文まつりは、縄文人の生活を体験できる縄文体験青空教室と、縄文をテーマにした歌や踊りを制作し活動している団体が出演するミニコンサートで構成。縄文体験青空教室では、当時の装飾品だった勾玉づくりや土器・土偶づくり、火おこし体験、的当て体験などが用意され、来場者は伊勢堂岱遺跡ワーキンググループやジュニアボランティアガイドから説明を受けながら、縄文人の暮らしや文化の体験を楽しんでいました。
また、縄文館近くの土舞台で行われた、ミニコンサートには4団体が出演。はじめにレクダンスサークルによる「縄文おどり」が披露されたほか、唱歌を歌う会の皆さんが、縄文衣裳をまとって合唱し、美しい歌声を響かせました。このあと、佐伯モリヤスさんの壺打楽器ウドゥ演奏と今野日音硫(かおる)さんのダンスで観客を魅了したほか、あるまんど山平&ベルビエントス登場し、圧巻の歌声と演奏で会場を盛り上げました。
伊勢堂岱縄文館では、ジュニアボランティアが来場者に遺跡の説明をしたほか、秋田県総合保健事業団による健康チェックも行われました。また、地元小ケ田自治会が新鮮な野菜を販売したり、盛りだくさんのイベントに来場者からは笑顔があふれていました。