2016年08月01日
コンテンツ番号5697
移住定住・観光振興について意見を交わす
(2016年8月1日)
市のまちづくりや行政課題などについて市民と語り合う移動行政懇話会が、8月1日(月)に阿仁ふるさと文化センターで行われ、参加者が市長や市の担当者と意見を交わしました。
移動行政懇話会は、市の現状や周知事項を説明するとともに、広く市民から意見・要望をうかがう機会として各地区で平成19年度から開催しており、今回は「移住定住促進事業」と「観光振興対策事業」の2つを主なテーマとして、意見交換が行われました。
開会にあたり、津谷市長は「今回テーマとした『移住定住促進』と『観光振興対策』は、ともに市の最重要課題の一つ。特に観光面では、森吉山周辺の観光をPRし、更なる誘客を図るとともに、滞留型観光を推進するため、市内の宿泊施設の規模拡大や設備の改修への支援などに取り組んでいる。阿仁地区では『まるごと森吉山観光振興プロジェクト事業』により、ゴンドラ駅舎の改修とビジターセンター『ぷらっと』が完成し、国内外から多くの方々が訪れているほか、5月に開催された『のりものまつり』での旧商家『宮腰邸』の特別公開で、多くの方が歴史ある阿仁地域の魅力に触れた。今後も歴史と自然豊かな阿仁地域の地域色を生かしながら、地域の活性化に取り組んでいきたい」などと、あいさつを述べました。
このあと、担当者から『移住定住促進事業』と『観光振興対策事業』について、市の現在の取り組みなどが説明されました。
移住定住促進事業
地方創生会議は、2040年に全国の自治体の約半数が消滅する可能性があるとしたレポートを公表しました。秋田県は2015年の国勢調査で人口減少率が5.8%と国内でも最下位、その中でも北秋田市は8.7%と県内13市中ワースト2であり、4町合併から年間約600人もの人口が減少し続けています。
今後も人口減少は避けられないものの、人口減少を抑制するため、本市出身者やこの地に縁のない方も含め、特に子育て世代の移住や定住を推進する必要があり、市では移住定住策を安定的に取り組んでいくため、現在、受け入れ体制や仕組みづくりに力を注ぐこととしています。
主な取り組みとしては、
- 市を知ってもらうために移住体験事業を提供して土地と人を知る機会を創る
- 地域と移住者の橋渡し役となる人材を確保してサポート体制を整える
- 風習や都会にはない人付き合いがあることをしっかりと伝え誤解のない移住につなげる
- 生活の基盤となる仕事や住居などをサポートする仕組みを構築する。などを挙げています。
観光振興対策事業
観光振興の取り組みとしては、現在3つの事業を重点事業としてすすめています。
- まるごと森吉山観光振興プロジェクト
スキー場のゴンドラや駅舎の整備、森吉山ガイドホームページ作成、ロゴ制作、二次アクセス対策などを行います。 - 日本三大樹氷ブランド化誘客促進事業
県境を越えて八甲田(青森市)、蔵王(山形市)と連携し、国内外から誘客を図ります。主な取り組みとしては、旅行事業者へのPR(3エリアの視察ツアーなど)や、外国人旅行客に対応したパンフレット作成、樹氷案内人を配置・育成するなどして、受入環境を整備していくこととしています。 - 広域連携DMO
DMOとは、官民連携、広域連携、政策間連携など、幅広い関係者との合意形成により、既存の行政の枠組みでは成し得なかったことに挑戦し、課題解決を図ることを目的として組織されたもの。
北秋田市、大館市、小坂町、上小阿仁村の4市町村が連携することで、多彩な観光資源の組み合わせやルート作りが可能となり、それぞれの強みを伸ばし、弱みを克服できることが期待されます。
主な取り組みとしては、市場調査や分析、PR動画の作成や国内外でのセールス、旅行商品の開発、受入体制の整備、特産品開発や販売強化などを行うこととしています。
事務局の説明のあと、参加者との意見交換が行われました。
参加者からの主な質問・意見とその回答は次のとおりです。
意見交換(移住定住)
移住も大事だが、現在、住んでいる人に住み続けてもらう定住対策も大事ではないか。
おっしゃるとおり。市では今年度、高校生に地元で働いてもらえるよう、介護資格取得のための研修会の開催や、職業体験を実施いただくよう企業への呼びかけを行っているほか、大学卒業後に地元へ戻ってもらえるよう、奨学金返還の助成を行っている。今後も皆さんの意見もいただきながら様々な施策を作っていきたい。
子育て世代の若者が移住する上で、子どもの教育環境はひじょうに大きいものと考える。学校統合の問題もあるので、しっかりとした情報発信が必要ではないか。
移住される方に誤解がないよう、教育方針や通学方法などもしっかりと情報発信をしながら、自然豊かな教育環境もPRしていきたい。
移住のために空き家を利用しては
昨年度から空き家バンクの登録制度を開始しているほか、今年度から移住者のためのリフォーム補助制度も設けているが、利用者数はまだまだ少ない。今後、制度の周知しながら移住の促進を図っていきたい。
移住者といってもいろいろな人がいる。市の体験メニューなどを利用して移住を決めた人を市は審査したりするのか。
移住するのは本人の自由であり、市で審査等を行うことはない。
意見交換(観光振興)
数年前まで山のパトロール業務の一環で森吉山のトイレを管理していたが、現在は業務が無くなった。今後、トイレはどのように管理していくのか。
観光を売りにしている以上、しっかりと管理していかなければならないと考えている。これからしっかりと検討したい。
玉川に抜ける「ブナ森線」が、通行禁止になっている。いつになったら通れるのか。
道路の復旧工事を毎年行っているが、毎年崩落があり、開通まで至っていない。
くまくま園に行く途中の前山橋が片側通行になっている。くまくま園に行くバスも通るので早期解消を。
昨年の橋りょう点検の結果、たいへん危険な状態と判断された。現在、施工に向けて準備をすすめている。
しょうぶ園の看板が設置されたままだが。
確認して対応する。
意見交換(その他)
個人で所有するマタギ資料がある。世代交代もあり誤って処分されることも無いとは限らない。市の今後の対応を教えてほしい。
早めに現状を調査し、対応策を考えたい。