2016年08月07日
コンテンツ番号5677
5団体が郷土色豊かな伝統芸能を披露
(2016年8月7日)
北秋田市主催の第11回北秋田市民俗芸能大会が、8月7日(日)に文化会館で開催され、市内外から詰め掛けた約200人の観衆が郷土色豊かな伝統芸能の数々を楽しみました。
市内各地区の集落には、たくさんの個性豊かな郷土芸能が伝承されています。しかし、一般的には地区の祭典やお盆の時期、集落内で公開されていることから、他の地区の市民が目にする機会が少ないのが現状です。また、後継者不足などの理由から廃れてしまった芸能も多く、保存・伝承が課題にもなっています。
大会は、市内に伝承されている民俗芸能等を広く市民に公開するとともに、民俗芸能伝承者の意欲と技量の向上を図り、また、民俗芸能の鑑賞と記録作成を通して市民の理解と認識を深め、民俗文化財伝承の振興を図ることを目的に、平成18年度から毎年開催されています。
第11回目となった今年の大会には、阿仁前田獅子踊保存会の「阿仁前田獅子踊」、前山郷土芸能保存会の「前山郷土芸能」、米内沢共勇会の「米内沢獅子踊り」、綴子大太鼓上町保存会の「綴子上町獅子踊」の市内4団体と、特別出演の一日市郷土芸術研究会(八郎潟町)の「願人踊(がんにんおどり)」の合わせて5団体が出演しました。
開会にあたり、津谷市長が「北秋田市には、こんなに素晴らしい宝物があって、それを伝えて下さっている人がいることを、改めて皆さんと認識し合う日にしたい。今日は最後までお楽しみください」などとあいさつ。このあと、阿仁前田獅子踊を皮切りに民俗芸能が披露されていきました。
阿仁前田獅子踊 阿仁前田獅子踊保存会
徳川の中期に阿仁前田集落に伝えられたといわれる阿仁前田獅子踊は、行方不明になった雌獅子を大獅子と中獅子が探し求める様子や、やっと見つけた時の喜びを舞で表現しました。
前山郷土芸能 前山郷土芸能保存会
おおよそ250年前から踊り継がれてきたと伝えられる前山郷土芸能は、奴踊りのほか、余興として踊られたものとされる雑魚釣り舞が披露され、兄弟が雑魚を釣るために試行錯誤し、最後に大物を釣り上げる様子をコミカルな動きでユーモアたっぷりに演じました。
米内沢獅子踊り 米内沢共勇会
米内沢獅子踊りは、真骨頂である勇壮な駒踊りを披露し、出陣の士気を鼓舞する「三番叟」や両軍が対峙し合戦に臨む「乗り戻し」、激しい合戦で人馬が奮戦する「膝折り」などを上演しました。
綴子上町獅子踊(綴子の大太鼓より)綴子大太鼓上町保存会
綴子上町獅子踊は、世代交代を意味しているのか、中獅子だけが雌獅子と仲良く踊る場面があり、雄獅子が嘆き悲しみ狂ったように地をはいずり回るような踊りもある非常に激しく勇壮な踊りを披露しました。
願人踊 一日市郷土芸術研究会(八郎潟町)
特別出演の願人踊は、全国的にも希少な門付芸能で、女物の長襦袢を着用した踊り手が右手右足、左手左足が同時に所作する特異な踊りを披露したほか、踊りの途中に挿入されている、百日かつらをかぶり、どんぶくを着た定九郎と相手役の与市兵衛が歌舞伎芝居「仮名手本忠臣蔵五段目」のユーモラスな寸劇を披露し、会場を沸かせていました。