2016年08月13日
コンテンツ番号5641
10年ぶりに「獅子踊り」を披露
(2016年8月13日)
お盆の13日、市内各地区でお盆行事が行われ、このうち鷹巣地区の前山集落では前山郷土芸能保存会(小笠原忠夫・会長)による、獅子踊りと奴踊りが披露されました。
前山地区の郷土芸能は、もともと「前山盆踊り」として伝承されてきたもので、江戸中期、村の旧家が集まって豊作と厄除けを祈願するために村社・雷皇(らいこう)神社に奉納したのがきっかけだといわれています。
踊りは、佐竹氏が常陸の国から秋田入りしたときの行列の様子が原型になっているといわれ、大名行列や獅子踊りなどで構成されています。この芸能には、釣りの好きな兄弟のしぐさをこっけいに演じる「雑魚(じゃこ)釣り舞」という演目があり、鷹巣地区の民俗芸能は獅子踊りと奴踊りを基本としている中で、たいへん珍しく貴重な文化財であるとして、平成25年に市指定文化財に指定されています。
午後4時頃、集落の裏山中腹に建つ雷皇神社への入口で最初の演技が始まり、ここ数年は後継者難から「奴踊り」のみが披露されていましたが、今年は「獅子踊り」が復活し、10年ぶりに披露されました。
気温が30度を超え強い日差しが照りつける中、3匹の獅子が躍動感ある舞を披露したほか、赤い襦袢(じゅばん)に化粧廻しをした大人から子どもまで約30人ほどの踊り手が、棒や扇、綾と呼ばれる小道具を操りながら熱演し、集まった住民や帰省客などから大きな拍手を浴びていました。
すべての演目を披露したあと、小笠原会長は、「今年10年ぶりに獅子踊りを披露することができた。練習時間が少なく完璧な演技とはいかなかったが、これから更に練習を積み、来年もまた皆さんの前で披露したいと思っているので、楽しみにしていてほしい」などと、集落の人たちに呼びかけました。