2016年08月26日
コンテンツ番号5620
これからも地域で暮らしていくために
(2016年8月26日)
北秋田市民生委員児童委員協議会(柏木清一会長)主催の地域講演会が、8月26日(金)に文化会館で開かれました。市内の民生委員・児童委員を含む地域住民など約200人が、秋田看護福祉大の吉田守実(もりみ)准教授の講演に耳を傾け、これからの地域福祉活動の在り方について理解を深めました。
地域講演会は、多種多様化、複雑化する地域の課題に対し、これからの地域に何が求められ、期待されていくのかを民生委員・児童委員をはじめ、関係機関、地域住民とともに認識を深める場とするため開催しているもので、市が共催しています。
市内の民生委員・児童委員数は、同日現在で計148人。来年、民生委員制度は創設100周年、児童委員制度は70周年の節目をそれぞれ迎えます。
この日は、参加した民生委員・児童委員が「民生委員児童委員信条」を唱和して始まりました。
柏木会長が「住民が抱える課題は複雑化し、地域においては様々な支援を必要とする人が増えている。昨年から始まった生活困窮者自立支援法や改正介護保険制度など新たな政策が進展する中、支援を必要とする人たちの要望に応じて各種制度につなぎ、継続的に見守り支援をしていく民生委員・児童委員への期待は一層高まっている」とあいさつしました。
続いて、大館市の秋田看護福祉大学の吉田守実准教授による「地域の力で無縁を包む-暮らし育み型の地域福祉への期待-」と題した講演が行われました。吉田准教授は、現在市が進めている地域福祉計画策定のためのアドバイザーとなっています。
講演で吉田准教授は「これからは市町村時代の福祉として、自分が住む町で完結できる仕組みづくりが必要であり、民生委員や児童委員は地域福祉推進の要となる。皆さんの寄り添う力が求められている」と述べ、「孤独死や孤立死、引きこもりの問題のように、自分で声を上げることができない人を発見し、見守り、適切な時期に必要な手立てへつなげることを考えていかなければならない」と強調しました。
また、吉田准教授は「これからの福祉は、できることもできなくなってしまう『至れり尽くせり型』から、私ならこういう地域にしたい、こういう生き方をしたいと考えられるような『暮らし育み型』に変えていく必要がある。みんなが気付き助け合う、優しい社会にしなければならない」と参加者に呼びかけました。
講演終了後、アトラクションとして八郎潟町の一日市郷土芸術研究会が、県無形民俗文化財の「願人踊」(がんにんおどり)を披露し、来場者たちを楽しませました。