2016年07月05日
コンテンツ番号5604
公共交通の利用促進に向けた事業を決定
(2016年7月5日)
平成28年度秋田内陸地域公共交通連携協議会総会(会長=津谷市長)が、7月5日(火)に阿仁山村開発センターで行われ、秋田内陸線をはじめとした公共交通の利用促進に向け意見を交わしました。
秋田内陸地域公共交通連携協議会は、秋田内陸線の存続に向け、内陸地域の公共交通のあり方を探るため、公共交通総合連携計画を策定し、再生総合事業を実行していくことを目的に平成20年9月に設立されました。これまで秋田内陸線利活用促進事業や、国の補助を受けながら地域協働推進事業を実施し、地域公共交通体系の整備と維持を目指して、様々な事業に取り組んでいます。
開会にあたり、当協議会会長の津谷市長は「昨年の内陸線は、本協議会での様々な取り組みや会社一丸となった経営努力のほか、秋田県や沿線住民による地方創生交付金事業が行われたことにより、4社合意の目標である経常損失2億円以内を達成することができた。今後とも本協議会では、会員が一丸となて後押しをしていきたいと考えていますし、内陸縦貫鉄道株式会社には経費削減を継続しつつ、昨年に実施した沿線住民への意識調査の結果を分析しながら安定経営に向け、より一層の取り組みを期待している。今日は、秋田内陸地域公共交通の充実と、より多くの観光客が訪れ、満足いただける地域づくりのため、活発な意見をお願いしたい」などとあいさつ。
このあと、事務局から平成27年度の事業報告と決算の報告、平成28年度の事業計画と予算が提案されました。
平成27年度の主な事業としては、エリアPRキャンペーン事業として、首都圏及び弘前、仙台、大阪などで、観光施設と行政が一体となってPR活動を行ったほか、雑誌広告等PR事業として、あきたタウン情報などへの掲載やラジオに年間80回ほど放送し誘客を図っています。また、ふるさと教育拡大事業として、北秋田市と仙北市の小中学校に内陸線を活用した校外学習を推進し、昨年度は延べ29回617人が利用しています。このほかにも「のりものまつり」や「グラウンドゴルフ交流大会」、「合川駅春・秋まつり」、「スノーキャンドルストリートINあに」、「マイレールスタンプラリー」など、様々なイベントを通して、内陸線の利用促進を図っていることが報告されました。
また、今年度の事業計画は、これまでの事業を継続して取り組んでいくほか、新規事業としては、伊勢堂岱遺跡の最寄駅である「小ケ田駅」の塗装の刷新や、列車シートの破損個所等に「ないりっくん」や「じゅうべえ」のワッペンを貼るなどのイメージアップ事業、秋田内陸ナビによる情報提供などが予定されています。
会員からは「小ケ田駅から伊勢堂岱遺跡までの案内をもっと分かりやすくできないか」、「内陸線のダイヤは観光客には使いづらい。改善できないか」などの質問があり、事務局からは「高速道路が建設中であり、暫定的な案内板を設置するか、道路の形が見えてからしっかりとした案内板を設置するかを県や市の生涯学習課と協議しながら検討しているところ。また、内陸線のダイヤについては、運行できる本数が限られている中で、生活交通と観光のどちらを優先させるのかは非常に悩ましい問題。観光に特化したダイヤに思い切って変更することも必要との提言もいただいているが、地域住民の声を聞きながら、会社だけでなく皆さんと一緒に検討していかなければならない課題と考えている」などと答えました。
このほかにも会員からは「バスの停留所に路線地図などが無いため、初めて当市を訪れた方は、どのバスに乗れば良いか分からないし、バスの乗り方、お金の払い方が分からない人もいるはず。高齢により免許を返納する人もおり、内陸線やバスの案内を充実させる必要がある。誰でも一目で分かるような、市内の公共交通を地図にしたバスマップを作成してみてはどうか。当協議会は公共交通の連携協議会なので、内陸線とバスとの連携した取り組みを」などの提言が出されました。