2016年06月20日
コンテンツ番号5427
ふるさと寄附金などについて4議員が一般質問
(2016年6月20日)
平成28年北秋田市議会6月定例会の本会議が、6月20日(月)に議事堂で再開され、4議員が「ふるさと寄付金について」や「道路維持について」などの事項について一般質問を行いました。
一般質問のなかで、ふるさと寄付金については「交付金の減少、人口減少により、自主財源の確保が難しくなっている現状を考えれば、この制度を積極的に活用すべき。各関係団体と連携し、寄附総額1億円、件数1万件といった目標を設定したらどうか」との質問に対し、津谷市長は「より多くの方々に北秋田市を応援していただけるよう取り組んでおり、ふるさと納税の本来の趣旨から、具体的な目標金額や件数の設定は考えていないが、より多くの方々に寄附をしていただける事を目標に積極的にPRをしていきたい」などと答弁。
また、「北秋田市は宝の山。豊富な食文化だけでなく、森吉山や綴子大太鼓、体験ツアーなど、この地を訪れないとその感動を知ることができないこともたくさんある。交流人口の増加のためにも、返礼品に本市に訪れてもらう体験型メニューを設けては」との質問に対しては、「旅行業界や地元企業との連携し、北秋田ファンのみならず、北秋田市を知らない方々にも喜んでいただけるような、北秋田市ならではの体験型の返礼品を開発していきたい」となどと述べ、新たな取り組みに意欲をみせました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
大森光信 議員(みらい)
(順位:1-1)

ふるさと寄附金について
ふるさと寄付金の考え方について
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目標を設置したらどうか
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「北秋田ファン」になってもらえるような工夫はないか
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返礼品を物品だけではなく、本市に訪問してもらうような体験型のメニューも追加したらどうか
ふるさと寄附金は、各自治体の特色ある返礼品により、平成27年度の全国の寄附額は年々増えていますが、一方で過度の返礼品などに対する指摘により、返礼品の見直しがされています。当市では、ふるさと納税ポータルサイト等を活用しながら、より多くの方々に北秋田市を応援していただけるよう取り組んでおり、ふるさと納税の本来の趣旨から、具体的な目標金額や件数の設定は考えていませんが、これまで以上に多くの方々に寄附をしていただける事を目標に、より積極的にPRをしていきたい。また、返礼品に協力いただいている地元業者と、観光物産協会との連携を図りながら、寄附された方の意見を反映させた北秋田らしさが伝わる返礼品の充実に努めていきますし、現在取り組んでいる地域連携DMOにより、県北地域を訪れる方に当市を知っていただきながら「北秋田ファン」を増やすことができるよう、市の魅力発信に務めていきます。なお、体験型メニューの追加については、旅行業界や地元企業との連携により、北秋田市ならではの体験型の返礼品を開発していきたい。
企業版ふるさと納税制度について
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企業版ふるさと納税制度に本市はどう対応していくのか
企業版ふるさと納税制度の活用にあたっては、「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」として事業を計画し、地域再生計画として国から認定を受けることになっており、財源の確保から有効な事業と考えていますが、市の事業に対して企業に協力いただくことが前提となることから、協力いただける事業の選択や相手企業への働きかけなどについて、今後の状況を見ながら対応していきたい。
使途を明確にした寄付金の募集について
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寄付金の使途分類をさらに細分化し、寄付者が使途を把握できるようにするべきではないか
市では、寄附金対象事業ごとに申込状況を集計し、ホームページ上で公表するとともに、寄附いただいた方に対して、年度終了後に実施事業を示しながらお知らせをしています。なお、「ふるさと寄付金の対象事業に内陸線支援を加える」という使途分類の細分化は、事務的に難しいこともあることから、大きな分類の中のメニューとして内陸線支援を明示しながら、対応をしていきたい。また、プロジェクトへの投資というイメージを作り、寄附金を募る方法のご提案をいただきましたが、そのためにはプロジェクトの実現性などを十分に検討したうえで進める必要があることから、今後の研究課題とさせていただきたい。
道路維持について
道路維持に関する要望の対応について
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各自治会等からの年度毎の要望数と実施率は
各団体等からの道路維持等に関する要望件数は、平成26年度は80件の要望をいただいており、そのうち市が所管するものは54件、現時点での実施率は42.6%となっています。また、平成27年度は103件の要望をいただいており、うち市の所管は77件、現時点での実施率は51.9%となっています。なお、市が所管するもの以外の要望については、それぞれ所管する県や国に要望の主旨を伝え、要望事項への回答については、市を経由して各団体等に伝えています。
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優先順位はどのように決められているか
要望箇所の危険度、重要性、交通量、利用状況、破損状況の進行性といったものを勘案しながら決定しています。
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要望の適否は期限を設けて、回答するべきではないか
要望があった箇所については、自治会等に立会いをお願いしながら現地確認を行い、対応を確認したうえで、総合政策課が取りまとめを行い、回答しています。回答については、現地確認が完了するまでの日数にもよりますが、要望があった日から2週間以内を目処としています。
経済政策について
本市の経済政策について
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先月、県が公表した『平成25年度秋田県市町村民経済計算』をどう読むか
平成25年度の総生産額は県全体で0.2%増加していますが、当市では対前年度比マイナス3.1%となっており、厳しい数値であると感じています。マイナスの主な要因としては、製造業と建設業での減少が大きく、全体に対する影響が大きく出ているものと考えています。また、少子高齢化の進行による人口規模縮小も、地域経済に対する影響が大きいと考えています。
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実質的にマイナス成長を続ける本市の生産力を回復させるために、どのような地域振興策が必要と考えるか
生産力を回復させるためには、第二次総合計画の柱としている「北秋田市まち・ひと・しごと総合戦略」に掲げた4つの基本目標を実現するための取り組みを着実に実施していくことが重要であると考えています。
市民所得向上対策について
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県平均を大きく下回る市民所得をどう見ているか
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市民所得を上げていく政策が必要ではないか
当市はJRをはじめ、空の玄関口である空港、高速道路でも結ばれるという、ほかにない恵まれたインフラが整備されていますので、これらの強みをしっかりと活用しながら、「北秋田市まち・ひと・しごと総合戦略」を着実に実施することにより、この地域に多くの人を呼び込み、地域内の消費を拡大することで地域産業を活性化させ、市全体の所得向上を図っていきたい。
福岡由已 議員(無会派)
(順位:1-2)

プロポーザル方式による業者選定について
プロポーザル方式による審査について
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プロポーザル方式による公募については、「創造力、技術力など」高度な作品を求めるものであることから、HP公示は募集期間から逆算してできるだけ早期に行うべきでないか
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「想像力、技術力など」高度な内容を審査することから、少なくとも実施要綱に沿って行うべきでないか
プロポーザル方式により受託者を決定する場合、「北秋田市プロポーザル方式等による業者選定実施要綱」に基づき、公募条件や応募期間等を規定した実施要領等を策定し、手続きを進めることとしています。また、募集期間については、それぞれの業務により内容が異なることから、業務ごとに判断することになります。
平成27年度森吉山イメージアップ業務委託プロポーザルの審査とその結果について
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この事業の発議、決裁、施行は平成27年9月18日になされ、プロポーザル方式による公募期間が10月1日から10月14日午後5時まで、選定委員会と審査は10月15日と日程があわただしく感じられるが、実施結果、審査、実施要綱等についてどのように検証されているか
この事業は、県との協働事業である「まるごと森吉山観光振興プロジェクト」のうちの一つで、平成26年度に東京芸術大学により森吉山全体をイメージした「ハハハ」のロゴが作成され、平成27年度には、ロゴのPRや北秋田市及び森吉山周辺エリアのPR事業を展開するとともに、秋の紅葉と冬の樹氷を重点的に全国へ情報発信していくため、民間の知恵と情報媒体の多様性を考え、プロポーザル方式にて実施することとしたものです。実施結果等については、市のプロポーザル方式等による業者選定実施要綱に問題はないと考えていますし、業者からの実績報告及び担当課等の実施検証も行っています。
北秋田市制施行15年史の編纂(へんさん)について
編纂すべきことについて
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10年史は編纂しなかった。15年史は編纂すべきと考えるが計画はどうなっているか
現在のところ、市史編纂については全く白紙ですので、編纂に係る計画はありません。
『北秋田市歴史資料館』(仮称)を設置すべきことについて
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市史を編纂するには史料の整理が必要であり、また、市民の研究、学習の場として『北秋田市歴史資料館』(仮称)を設置すべきでないか
現在、北秋田市では「大太鼓の館」「浜辺の歌音楽館」「阿仁伝承館」「マタギ資料館」「伊勢堂岱縄文館」といった博物館や資料館が多く存在し、文化財の収集・保存・展示に努めていますし、それぞれで市民に対して活動の場を提供し、積極的な活動を展開しています。ご指摘の市史に関する史料の整理や研究・学習の場については、市の文化会館や図書館等を活用することで対応できると考えています。
北秋田市文化遺産の指定拡充について
指定拡充の基本方針について
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北秋田市内には歴史的に価値ある文化財で文化遺産に指定されていないのが現存し、指定拡充すべきと考えるがいかなる基本方針で取り組んでいるか
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特に、有形文化財についての指定拡充の計画はどうか
市内の文化財指定は、合併前の4町で指定された文化財をそのまま引き継いでいますが、合併後にも、活発に活動され、保存・伝承されている坊沢獅子踊りと前山郷土芸能の2件を平成25年6月に市文化財指定としたほか、国指定が3件、県指定が3件、市指定が3件加わり、現在、国指定8件、県指定が12件、市指定が73件あります。市の文化財指定の基本方針は、「調査研究により、学術的な価値が高く、歴史的な意義があるものを、市で設置した文化財保護審議会に諮り指定する」としていますが、指定に関わらず複数文化財の関連性から地域の歴史を把握や再評価するなかで、新たな価値を見い出し保存活用に重点をおいていきたいと考えています。例えば、おさるべ元気クラブが市指定七日市の長岐邸を中心に、地域の関連する文化財を活用していることで、七日市地区の地域の歴史を学ぶ取り組みが広がっています。このように、生きた形で地域の文化財を活用しながら、市の文化財を広めていきたい。
三浦倫美 議員(共産党議員団)
(順位:1-3)

林業振興について
当市の林業対策、この2年間の進捗状況は
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集成材加工技術進歩。CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)直交集成板との関連
当市では、県産材を活用したCLTの需要拡大を目的に、県や市町村、木材産業関係団体や建築関係団体等で組織する「秋田県CLT等連絡会」に参画しながら、CLT等の活用状況や需要動向について情報収集を行っているところで、提案された「日本CLT協会」への加入については、「秋田県CLT等連絡会」での活動を踏まえ検討していきたい。
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地元産材の『木質エネルギー』に関する取り組み
平成27年度「森林・林業白書」によると、国産材の生産量は昭和46年以降長期的な減少傾向にありましたが、平成14年以降は増加傾向にあり、平成26年には26年ぶりに30%台まで回復しています。CLTの普及や当市で組み立てを行うボルタージャパン社の国産材木質チップを燃料とした小型木質バイオマス発電機の普及により、国産材の需要増加と林業振興につながるものと考えています。
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林業従事者をふやす雇用のサポート体制
第2次北秋田市総合計画前期基本計画において、林業事業所新規就業員数を平成32年度までに15人増加することを目標としています。国が新規就業者の確保・育成・キャリアアップ対策を推進する「緑の雇用」には、過去3年間に市内3事業所延べ12人が活用していますし、秋田県林業大学校へは、当市から1期生1人、2期生1人の計2人が入校しています。当市では、今年度から開始している移住定住の促進に向けた「仕事と移住希望者とのマッチング事業」を通して、移住希望者への林業就業も推進するとともに、林業事業所等への継続的な働きかけを行いながら、林業就業者の確保と定着に取り組んでいきます。
ガン補正具補助について
具体的検討を
がん補正具に対する補助は、がん患者の就労や社会参加を応援するための重要な施策であることを認識しています。現在、北秋田市民病院では、平成30年度の地域がん診療病院の指定に向けて、質の高いがん医療の提供体制の構築を目指して取り組んでおり、28年度の後半には「がん相談支援センター」が設置されることから、29年度からがん補正具に対する補助を実施できるように検討していきたい。しかし、何よりも「がんにならない」、「がんの早期発見」が重要であるので、更なる健康推進事業の充実とがん検診事業の受診率向上に取り組んでいきます。
支援困難者対策
さらなる連携体制強化を
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昨年度から社協に委託している『くらし相談センター』の成果と現状。今後の課題は。連携の工夫を
くらし相談センターでは、自立相談支援事業及び家計相談支援事業を実施しており、137件の相談が寄せられています。その対応状況については、相談のみで終了した件数が41件、他制度や他機関へのつないだ件数が36件、支援プランが作成されて具体的な支援を開始した件数が23件となっており、支援プランを作成した23件のうち、評価結果が出ている14件中全てのケースで、経済的な自立に向けての変化や、社会的な孤立解消に向けた変化が見られていることから、一定の成果が認められています。しかし、高齢や就労していない期間が長いなどの理由により、すぐに一般就労に結びつけることが難しいケースも多く、今後は就労経験を積むための中間的就労の場の確保について、市役所内の連携はもとより、障害者就業・生活支援センターや企業との連携を図ることも必要と感じています。また、相談しやすい環境や適切な対応のための関係部門の連携については、この事業の一番重要なポイントと考えていますので、今後は市民への周知方法を工夫するとともに、認識を深めながら、様々な相談に適切な対応と連携ができるよう努めていきます。
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今年度策定する『地域福祉計画』の進捗状況は。連携体制充実を
地域福祉計画については、今年度から2か年で策定することとしており、現在、策定委員会の立ち上げに向け準備を進めています。今年度は、アンケート調査や座談会を通じて地域の皆さんの声を広く伺い、来年度に具体的な計画を策定する予定です。市では要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めており、自治会等の小規模な範囲で近隣住民が見守り・支援する「向こう三軒両隣」を基本とし、行政・医療等と連携を図り、支援される側、支援する側をともにサポートできるような体制を目指していますので、地域福祉計画では、こうした地域包括ケアシステムを柱に、地域の福祉の方向性を示していきたい。
武田浩人 議員(緑風・公明)
(順位:1-4)

水道管の老朽化対策について
水道管の漏水状況について
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平成26年度の無効水量は26万1千988立方メートルで、年間総配水量の約20%です。漏水との関連性を含め説明を求めます
無効水量とは、漏水等の原因により水道事業体側で把握できない水量を表したもので、平成26年度における県内全体の有効水量率は、平均が88.6%であるのに対し、北秋田市水道事業は80.7%と下回っている状況です。今後は、水道事業経営戦略に示しているとおり、水道施設の適切な資産管理により、漏水等の対策をしっかりと講じていきたい。
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ここ数年の漏水の概要、主な原因、発生地域、老朽化が原因の場合は配管布設からの経過年数などをお知らせ下さい
鷹巣上水道は、昭和46年に事業を開始し、総管路延長約8万4千メートルの配管により給水を行っており、事業開始から45年が経過しています。その間の設備投資としては、平成9年度から平成11年度にかけて全ての石綿セメント管を更新したほか、合併後の10年間では、東鷹巣橋と鷹巣橋間の全長1290メートルの緊急連絡管を含む、約5900メートルの新規配管を布設し、約900メートルの配管を更新するなど、約1億5千400万円の設備投資をしてきましたが、耐用年数を経過した配管は、全体の4割に近い約3万メートルとなっている状況です。漏水の修繕状況は、平成25年度から平成27年度にかけて41件を実施しており、このうち25件は老朽化が原因と推察しています。また、簡易水道については、昭和30年代後半から50年代前半に整備された施設であり、こちらも同じく老朽化を原因とした漏水が発生しています。平成26年度の修繕件数は220件、約2100万円の修繕費のうち、漏水に関するものは102件、約830万円で、漏水以外の費用は水道施設やポンプ等の機械設備の修繕です。
老朽化した水道管更新の優先順位について
耐用年数を経過した配管の更新については、水道マッピングシステムにより漏水多発区間を優先して実施する方針でしたが、現状では著しい偏りは見られないことから、漏水が多発する傾向にある消火栓の取出し管の更新を実施しています。また、開設当初に設置された耐用年数の短い塩化ビニール管を、優先的に更新する必要があると考えていますが、今後、策定予定のアセットマネジメント等を参考に、優先順位を判断していきたい。
アセットマネジメント(資産管理)と、水道管路更新計画の策定について
資産管理のため、水道マッピングシステムを平成11年度に鷹巣地区に導入し、平成27年度までに北秋田市全域の整備を完了しており、厚生労働省が示したアセットマネジメントに関する指針の重要性は認識していましたが、資産の把握と維持管理のためのシステム導入を優先してきたところです。また、合川・森吉地区における統合簡易水道事業の完成後は、上水道事業となることから、アセットマネジメントについては同事業完成後に策定する予定としています。
事業費の財源見通しについて
現状の国庫補助基準で、北秋田市水道事業に該当するメニューは「クリプトスポリジウム対策としての高度浄水処理」と、「水道管路耐震化」の二事業です。公営企業は、料金収入で経営を行う独立採算性が基本であり、補助要件の資本単価1立方メートル当たり90円に対し、現状では35.3円と補助要件を満たしていません。また、浄水場移転後も65円程度と見込まれていることから、今後の更新事業等の財源は、起債と内部留保資金等で実施する予定です。今後の懸案事項としては、給水人口の減少等が見込まれることから、昭和47年の供用開始以来、一度も実質的な改定をしていない料金について、将来的には検討が必要であると考えています。
リスクコミュニケーションについて
水道事業は、市民の生活に欠かせないライフラインであることから、市民の要望や意見をお聞きするとともに、行政側からも情報を提供させていただきながら、合意形成を得ることが重要であると考えています。今後も、事業の経営や施設状況の変化を敏感に捉えながら、速やかに情報を開示するよう努めていきたい。