2016年05月14日
コンテンツ番号5335
故郷のためにできることを
(2016年5月14日)
森吉地区出身の首都圏在住者を中心に組織されている「森吉会」(松岡啓司会長)の会員と地元有識者との懇談会が、5月14日(土)に森吉コミュニティセンターで開催されました。
懇談会は、森吉会の会員14名が「ふるさと視察の旅」として里帰りをすることにあわせて、当市の重要施策の一つで、少子高齢化と人口減少問題の解決策となるよう取り組んでいる「移住定住促進事業」をテーマに、首都圏在住者と地元在住者による意見交換や提言を行うことで、今後の市の施策に反映させようと開催したもので、地元からは森吉地区の市議会議員や自治会長会役員、婦人会役員ら約30名が参加しました。
はじめに、市総務部の石川博志部長が「年々人口減少が進んでいる。市としても最重要課題ととらえて、人口流出に歯止めをかけようと取り組んでいる。課題解決に向けて意見を聞かせてほしい」などとあいさつ。
続いて、松岡会長が「ふるさとは遠きにありて思うものと過ごしてきたが、今回はふるさとで思い考えるということで、森吉会として帰ってくることになった。少しでも皆さんのお役に立てればと思う」などとあいさつしました。
このあと、移住定住促進事業について、市の担当者が説明。参加者からは「移住体験用住宅はもっと整備してほしい」、「中長期的な滞在が定住に結びついた例もあるので検討してほしい」、「受身な印象。移住者がたくさん来て、市が困るような取り組みを」、「若い人が来る条件は働き口しかなく、手に職を持った人や起業・農業希望者しか移住できないので、この点を踏まえた企業誘致を」などの様々な提言がありました。
自治会長からは「今年、前田小学校の入学者は5名です。我々が在学した当時は全校で900名以上の児童がいた。今は全校で55名。そのような形で人口減少が進んでいる。農業にしても、昔はどこの家も田んぼを作っていたが、今は作らない人が半分を超えている集落もある。米の価格下落やTPPの問題もあると思うが、一番大きいのは後継者が地元にいないこと。これまで集落では、神社や自治会館、農業用水路などは共同作業で守ってきた。今では共同作業で守っていくことも難しくなってきた。各自治会でも喫緊の課題です」などと地域の現状を話しました。
森吉会の会員からは「数十年ぶりに故郷に帰り、自分が住んでいた地域に行った。昔の風景を思い出して感無量でした」、「数年前、内陸線の存続が問題となったとき、本当に寂しい思いをした。これからも内陸線を応援したい」、「本当に魅力ある土地。観光もいいが人と人との心の結びつきが大事。我々もふるさとのお役に立ちたい」などと帰郷の感想を語りました。