2016年04月09日
コンテンツ番号1711
大きくなって帰って来てね
(2016年4月9日)
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業「第6回カムバック・縄文サーモン」が4月9日(土)、同遺跡近くを流れる湯車川で行われ、市民ら約30人が参加し、サケの稚魚約3万尾を放流しました。
この放流事業は、伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録推進の一環として行われたもの。縄文人も遡上するサケを活用していたと考えられていることから、湯車川をサケが遡上する川として環境保護を図り、遺跡周辺を「カムバック・縄文サーモン」の中心地とし、世界遺産登録推進にも大きく貢献することを目的に行われました。主催は、同遺跡ワーキンググループ、鷹巣漁業協同組合、市教育委員会。
この日は、同遺跡ワーキンググループのメンバーをはじめ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、地域の方々など約30人が参加。開会式では、ワーキンググループの佐藤善寿代表が「伊勢堂縄文館の整備に伴い、周辺道路も大変立派になった。これから環境を整備していく中で、縄文時代から遡上してきている、サケの歴史を無くしてはいけない。今年は、縄文改善元年といえる年であり、その中で第1号の事業となる。サケが、大きくなって帰ってくることを、願いながら放流してほしい。」などとあいさつ。
また、鷹巣漁業協同組合の湊屋啓二組合長は「放流事業は、今年で6年目となる。サケは、通常は0.6グラム以上で放流となるが、今回の稚魚は1.6グラムとなっており、例年に比べて大きい稚魚、きっとすくすく育つと思う。放流された稚魚は、この湯車川の流れにのって、小猿部川に合流、さらに米代川の本流に合流して海に向かい、そして、4年後にこの湯車川に戻ってくる。昨年も遡上が確認されており、皆さまの努力が着実に実っている。この放流を継続して、湯車川にたくさんサケを遡上させて、遺跡とともに全国に世界に発信していきましょう」などとあいさつしました。
参加者らは、漁業の職員からバケツに入ったサケの稚魚を分けてもらい、川岸に並んで「大きくなって帰って来て」と声をかけて放流しました。放流されたサケの稚魚は、春の日差しが差し込む川面を力強く泳ぎ回り、下流に向かって泳いでいきました。
今回放流したサケは、約3か月前にふ化した体長6cmほどの稚魚で、大体4年をピークに、早いもので3年、遅くて5年で戻ってくるといわれています。近年は、10月下旬から11月上旬頃に、同遺跡周辺で体長70センチぐらいのサケの遡上が複数確認されております。