2017年11月13日
コンテンツ番号2087
内陸の北と南をつなぐ道路整備促進に向けて
(2017年11月13日)
地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラムが11月13日(月)に文化会館で行われ、内陸の北と南をつなぐ道路整備促進に向けて講演やパネルディスカッションを行いました。
国道105号の大曲・鷹巣間は、県北と県南を結ぶ物流や観光の重要な路線となっています。しかし、急こう配やカーブが連続するか所があるほか、豪雨災害や雪害による通行規制がたびたび発生しています。平成26年に行われた秋田県幹線道路検討委員会において、大曲・鷹巣道路が優先整備路線に決定され、その後の検討委員会で、大覚野峠が優先整備区間に決定されました。
フォーラムは、北秋田市、上小阿仁村、仙北市、大仙市、美郷町の沿線5市町村で組織する同道路整備促進期成同盟会(会長・門脇光浩仙北市長)の主催で、整備の必要性を声高く関係機関に発信し、必要な事業化と予算化を成し遂げていくことを目的に、平成26年度から開催しているものです。
始めに開催地を代表し津谷市長が「現在、日沿道の全線開通に向けた動きが加速をしているところである。この動きに連動した地域高規格道路の充実によって、生活圏域における機能性の向上や交通ネットワーク強化が重要であると考えている。当市と角館を結ぶ国道105号は、災害や雪害等によって通行規制がたびたび発生する路線である。災害への対応強化のみならず、地域間の交流促進や観光、産業振興、救急医療圏の拡大などの点からも、早急な整備が求められている。その中で大覚野峠が優先整備区間となったことを大変うれしく思っている。道路完成が一日でも早く実現するためには、地域の皆さまの力が必要となってくる。関係する皆さまが現状を確認し合い、互いに共通の認識を持つことが重要であると考えている。今日は道路の持つ可能性や利活用方法について一緒に考え、将来へとつながる地域の発展を目指していきたい」とあいさつ。
続いて同期成同盟会会長の門脇仙北市長が「インフラの代表である道路は、できるだけ広域かつみんなが一緒に使えるといった考えがこれからは重要となってくる。今日は大きな成果を手にすることができるよう、ご協力申し上げる」などとあいさつしました。
また、来賓の堀井啓一秋田県副知事は「道路で広域を結ぶことは、大変重要なこと。個性のある観光地を形成していくうえで、国道105号を高規格化することは、様々な経済の動脈となるとても重要な役割を持っている。単に道路の整備を訴えるのではなく、地域住民同士で考え、戦略を練り、道路の必要性を理論的に説くことが必要がある」と述べました。
続いて基調講演が行われ、はじめに国土交通省東北地方整備局能代河川国道事務所の坂憲浩所長が「米代川流域の道路網について」をテーマに講演。坂氏は「道路のネットワークを作る際は、観光地や都市といった点を結んでいく。いくつもの点を結んでいくことで何通りものネットワークができる。同じ目的地でも複数の道があるということは、観光や物流にとって大きな強みとなる。国道105号は、利用者が多い道路。ネットワークとしての安全性や強靭性などが確保されれば、より多くの方が利用する道路になる」などと話し、国道105号が整備されることで広がる可能性について述べました。
このあと日本交通公社観光地域研究部の吉澤清良次長が「広域・地域間連携による観光ルート形成の意義」をテーマに講演。吉澤氏は「広域連携がもたらす効果として、多様性の確保、ポテンシャルの拡大、機能の高度化の3つがある。戦略策定にあたっては、誰もが納得できる将来目標と基本方針を立てることと、事業成果に質的目標を取り入れることが必要」などと話し、観光における広域連携のポイントについて述べました。
講演の後行われたパネルディスカッションでは、秋田経済研究所所長の松渕秀和氏をコーディネーターに、講演を行った坂氏と吉澤氏がアドバイザーを務め、大館商工会議所副会頭の石川崇氏、マタギの里観光開発(株)代表取締役の仲澤弘昭氏、(有)冨岡商店代表取締役社長の冨岡浩樹氏の3人のパネリストが「つながる道路・つなげる観光資源について考える」をテーマに活発な意見交換を繰り広げ、国道105号が持つ可能性について語り合いました。