2017年10月10日
コンテンツ番号2054
一般会計補正予算や決算認定など42件を審議、採決して閉会
(2017年10月10日)
平成29年北秋田市議会9月定例会の本会議が、10月10日(火)に議事堂で開かれ、各委員会に付託され審査を経た議案やこの日追加された発議案などを含めた42件を審議、採決し閉会しました。
会議冒頭、佐藤教育長が発言を求め、9月27日に発生した秋田リフレッシュ学園の体験活動中における事故について「事故の内容は、リフレッシュ学園の職員5人と園生6人の合わせて11人で実施した上小阿仁村のコブ杉見学活動において、指導員1人と児童1名が行方不明になったもの。コブ杉に向かう列の先頭を歩いていた指導員と児童が、案内板と違うルートに行こうとしたので、別の指導員が声をかけて引き止めたが、毎年1回は本行事を行ってきたことや指導員が山のベテランだという思いもあり、強く引き戻すことをせずに、そのまま行かせてしまった。9人がコブ杉に到着し、しばらく待っても2人が来ないため、付近を捜して声かけをしたときには返事が聞こえたが、その後待っても来ないので別のルートや山林の奥を捜しても見つけられず、現地から連絡を受けた教育委員会の職員が警察に捜索を要請した。県警と消防防災の2機のヘリコプターによる上空からの捜査と地上での捜査を並行して行ったところ、日没間際の午後4時50分頃にヘリコプターがコブ杉の南方向で2人を発見し、けがもなく救助された。最悪の事態に至らず救助されたのは、上小阿仁村職員および警察、消防署員の方々の迅速な対応のおかげとあらためて感謝している。通常にコブ杉に向かっていれば、行方不明になり得ない場所ですが、指導員が漢方薬となるツチアケビを子どもたちに見せたいという思いから向かったルートが、途中から閉鎖されていたことに気付かず、何度も見学に来ている場所ということからの気のゆるみがあったことが大きな原因と分析している。今回の事故を教訓として、同様の事故が起こらないよう、体験活動ごとの事故防止マニュアルを作成するなどして、危機管理に対する職員の共通理解を図るとともに、関係機関との連携をさらに密にして、今後も園生の安心安全を第一に考え指導にあたります。この度は、多大なご心配、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」などと報告しました。
続いて、九嶋産業部長が発言を求め、9月19日に発生した指定管理施設コンベンションホール四季美館の火災事故について「9月19日午前11時30分頃、コンベンションホール四季美館の厨房内におけるカセットコンロの爆発により消防、警察が出動する事態が発生した。商工観光課に消防より通報があり、すぐに現地確認を行ったところ、原因はグリルの上に置いてあったカセットコンロに気付かず、グリルを使用したことによるもの。この事故により軽いやけどのおそれがあった料理長1人が救急車で市民病院に搬送されたが、異常なしとの診察結果であった。また、被害状況としては、天井の一部破損、電気設備の故障が認められたが、仮復旧工事をしてレストランは9月22日より売店は9月27日より営業を再開している。当該施設は平成28年度より鷹巣観光物産開発株式会社が指定管理しているが、業務開始前の指差呼称など安全点検の徹底による再発防止に努めるよう指導するとともに、各指定管理施設の事故防止指導を徹底していく」などと報告しました。
本会議では、総務文教、市民福祉、産業建設の各常任委員会に付託された議案と一般会計、特別・企業会計の各決算特別委員会に付託された認定議案ついて、各委員長から審査の経緯と結果を報告し、質疑、討論を行い、それぞれ簡易採決や起立採決により採決が行われました。
このうち、認定第1号 平成28年度北秋田市一般会計歳入歳出決算の認定については、原案に反対の立場から「平成28年度も事実上借金が増えました。市民への約束を守らない予算執行は認めることができません。また、外出支援サービスが200円値上げされ、これによる市の増収は前年度と比べて13万円です。大型公共事業には何十億円を使う一方で、弱者から13万円を取らないといけないものでしょうか。介護慰労金は1万円を3000円にし対象者を狭めました。市の支出は前年比で8割近いカットです。福祉を削る冷たい市政と言わざるを得ません。さらに会計検査院の指摘による補助金返還、保育料の過誤徴収、市税不能欠損裁判での賠償金支払いなどがありました。賠償金支払いは、前年度の米内沢病院裁判に続いて2年連続です。行政運営を間違わないよう求めます」などと反対討論がありました。
また、原案に賛成の立場から「市債に関しては、一般会計では前年度対比4.2パーセントの減少で238億9000万円ほどであるが、25年度対比では229億1400万円で約9億円ほど増加している。一方、基金については一般会計の主要な基金である財政調整基金、減債基金、地域振興基金の3つ合計は、25年度末では約97億4000万円で、平成28年度末では約111億600万円であり、約13億6000万円の増加です。それぞれの指標については、公債費負担比率では0.6パーセント後退しているものの、実質公債費比率では前年対比0.1パーセントの改善。さらに将来負担比率については、一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模を基準とした額に対する指標で、比率が大きいほど将来圧迫する可能性が高いとされているが、比率は前年対比3.8ポイントの改善となっている。有効な起債を活用しながら社会インフラを進めた結果である。以上のことから安定した市政運営が行われていると判断する」などと賛成討論がありました。
さらに原案に反対の立場から「第2次総合計画・総合戦略に沿った成果は決算上どうなっているか。人口減少が進む中、どのようなまちづくりをしていくか、さらに具体的な政策で強力に推進していくことが求められる。決算上の象徴的な問題として、市民ふれあいプラザを拠点した中心市街地のにぎわいづくりの現状は、周辺で各種イベントを実施しているが、空き店舗や更地が増えていて効果が表れていない。市民ふれあいブラザの平成29年3月31日までの入館者数は23万6536人ですが、市街地のにぎわいに貢献しているのは、ほんの僅かではないか。旧北秋中央病院があった平成16年は21万人を超える利用者があった。特に外来患者は1日平均613.5人あり、この数字には表れていない見舞客の多くは、JRや内陸線、路線バスなどを利用し、アーケードを通り買い物をするなどして病院を往来した。当時、旧北秋中央病院の存在は大きく、にぎわいづくりの中心であったと思う。現在は市民ふれあいプラザを中心ににぎわいづくりを推進しようとしているが、そうであれば北秋中央病院時代を乗り越えるように、さらに戦略を緻密にするべきであり、抜本的な改革が必要と考える。これは阿仁部についても同様であり、まちづくりの重点戦略を明確にするべき」などと反対討論があり、起立採決の結果、賛成多数で原案のとおり可決されました。
なお、9月定例会に提出された議案、請願・陳情等の採決結果は次のとおりです。
番号 | 件名 | 採決結果 | 備考 |
---|---|---|---|
議案第83号 | 北秋田市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について | 原案可決 | 全会一致 |
議案第84号 | 北秋田市簡易水道事業等の一部の北秋田市水道事業への統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について | 原案可決 | 全会一致 |
議案第85号 | 平成29年度北秋田市一般会計補正予算(第6号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第86号 | 平成29年度北秋田市介護保険特別会計補正予算(第2号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第87号 | 平成29年度北秋田市簡易水道特別会計補正予算(第2号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第88号 | 平成29年度北秋田市立阿仁診療所特別会計補正予算(第2号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第89号 | 平成29年度北秋田市立米内沢診療所特別会計補正予算(第2号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第90号 | 平成29年度北秋田市病院事業会計補正予算(第1号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第91号 | 業務請負契約の締結について(北秋田市クリーンリサイクルセンターエネルギー回収推進施設等長期包括的運転管理事業) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第92号 | 平成29年度北秋田市一般会計補正予算(第5号) | 原案可決 | 全会一致 |
議案第93号 | 平成29年度北秋田市一般会計補正予算(第4号) | 原案可決 ※10月2日採決 |
全会一致 |
認定第1号 | 平成28年度北秋田市一般会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 賛成多数 |
認定第2号 | 平成28年度北秋田市国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第3号 | 平成28年度北秋田市国民健康保険合川診療所特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第4号 | 平成28年度北秋田市介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第5号 | 平成28年度北秋田市介護サービス事業特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第6号 | 平成28年度北秋田市簡易水道特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第7号 | 平成28年度北秋田市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第8号 | 平成28年度北秋田市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第9号 | 平成28年度北秋田市特定地域生活排水処理事業特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第10号 | 平成28年度北秋田市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第11号 | 平成28年度北秋田市立阿仁診療所特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第12号 | 平成28年度北秋田市立米内沢診療所特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第13号 | 平成28年度北秋田市坊沢財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第14号 | 平成28年度北秋田市綴子財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第15号 | 平成28年度北秋田市栄財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第16号 | 平成28年度北秋田市沢口財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第17号 | 平成28年度北秋田市七日市財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第18号 | 平成28年度北秋田市米内沢財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第19号 | 平成28年度北秋田市前田財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第20号 | 平成28年度北秋田市阿仁合財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第21号 | 平成28年度北秋田市大阿仁財産区特別会計歳入歳出決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
認定第22号 | 平成28年度北秋田市病院事業会計決算の認定について | 認定 | 賛成多数 |
認定第23号 | 平成28年度北秋田市水道事業会計決算の認定について | 認定 | 全会一致 |
請願第9号 | 小学校の統廃合にかかわる合同チームの結成、スポーツ少年団の結成に関する請願書について | 不採択 | 賛成少数 |
陳情第49号 | 「全国森林環境税の創設に関する意見書採択」に関する陳情について | 継続審査 | 賛成多数 |
陳情第50号 | 地方財政の充実・強化を求める意見書提出についての陳情について | 採択 | 全会一致 |
意見書案第4号 | 地方財政の充実・強化を求める意見書の提出について | 意見書提出 | 全会一致 |