2017年09月09日
コンテンツ番号2043
様々なイベントで縄文文化を体験
(2017年9月9日)
第17回北秋田市縄文まつりが、9月9日(土)に伊勢堂岱縄文館で開催され、来場者が火おこし体験や勾玉(まがたま)づくりなどで縄文の暮らしや文化を体験しました。
伊勢堂岱遺跡は大館能代空港そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
平成13年1月に国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡などの縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開し、平成21年1月に世界遺産暫定一覧表に記載されていますが、国内推薦が見送られてきました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたことをきっかけに、伊勢堂岱遺跡や縄文文化に関心を持ってもらうとともに、子どもたちにも体験学習の場を提供しようと始まりました。当初は市文化会館等で開催されていましたが、伊勢堂岱縄文館がオープンしてからは縄文館を会場に開催しています。
開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「みなさんの熱意によって、このような好天に恵まれ開催することができた。付近にクマがいることから、安全対策として縄文館の周囲に電気柵を設置した。安全対策への心構えを新たにするとともに、今日はイベントを大いに楽しんでいただきたい」などとあいさつ。
続いて来賓を代表して津谷市長が「好天のもと、今年も開催できることに、実行委員会をはじめ、運営関係者の皆様に感謝申し上げる。世界遺産登録は残念ながら今年も見送られてしまったが、県議会、市議会で世界遺産登録を目指す会を結成した。伊勢堂岱遺跡は、胸を張って世界各国にPRできるものであると自負しており、これからもみなさんとともに世界遺産登録を目指していきたい。ジュニアボランティアガイドをはじめ、いのししの肉の縄文大鍋など、様々な催しがあるので、今日一日を楽しんでいただきたい」
縄文まつりは、縄文人の生活を体験できる縄文体験青空教室と、縄文をテーマにした歌や踊りを制作し活動している団体が出演するミニコンサートで構成。縄文体験青空教室では、当時の装飾品だった勾玉づくりや紙粘土での土器・土偶づくり、火おこし体験、的当て体験などが用意されました。このうち紙粘土での土器・土偶づくりは子どもたちに人気で、夢中になってオリジナルの作品を作っていました。このほかにも縄文料理体験では、石器を使って鮭を切ったり、ドングリを材料にしたクッキーを焼いたりして、縄文文化の味を堪能していました。
また、縄文館近くの土舞台で行われた、ミニコンサートには3団体が出演。はじめに佐伯モリヤスさんの壺打楽器ウドゥ演奏と今野日音硫(かおる)さんのダンスで観客を魅了しました。続いて唱歌を歌う会のみなさんが、縄文衣装をまとって美しい歌声を披露したほか、レクダンスサークルによる「縄文踊り」で会場を盛り上げました。
伊勢堂岱縄文館では、ジュニアボランティアが来場者に遺跡の説明をし、専門家さながらの熱心なガイドに驚きながら聞き入っていました。また、地元小ケ田自治会が新鮮な野菜や豚汁を販売したり、今年の目玉イベントである「いのしし肉の縄文大鍋」の振舞いには、大行列ができ、来場者は縄文文化を感じる料理に舌鼓を打っていました。