2014年08月24日
コンテンツ番号7353
郷土色豊かな芸能を披露
第9回北秋田市民俗芸能大会が8月24日(日)、文化会館で開催され、市内外から詰め掛けた大勢の観衆が郷土色豊かな芸能の数々を楽しみました。
市内各地区の集落には、たくさんの個性豊かな郷土芸能が伝承されています。しかし、一般的には地区の祭典やお盆の時期、集落内で公開されていることから、ほかの地区の市民が目にする機会が少ないのが現状です。また、後継者不足などの理由から廃れてしまった芸能も多く、保存・伝承が課題にもなっています。
大会は、市内で演じられている芸能を一堂に集めて市民に公開し、民俗芸能への理解と関心を深め、保存・伝承につなげることなどを目的として始まったもので、第9回目となった今年の大会には、『森吉山麓火まつり太鼓』、『婦団連たかのすふるさと太鼓』、『阿仁前田獅子踊保存会』、『福田獅子舞保存会』『綴子下町大太鼓保存会』の5団体が出演しました。
開演に先立ち、津谷市長は「10月から国民文化祭が始まりますが、オープニングに市からは根子番楽が出演することになっています。市には根子番楽を含めたくさんの伝統芸能があり、しっかりと受け継いでいかなければならないと思っています。今日は、出演される皆さんの芸能をじっくりとみて楽しんでいただきながら、自信をもって多くの方々にPRしてもらいたい」などとあいさつを述べました。
オープニングを飾ったのは、森吉山麓火まつり太鼓(戸沢彰夫代表)による「火まつり太鼓」。火まつり太鼓は、阿仁前田で開催される七夕火まつりを盛り上げようと、平成5年に結成されたもので、じょっぱり、玉、神楽、竹バチ、胴太鼓のソロで構成されています。この日は、叩き手が力強いバチさばきで観衆を魅了しました。
続いて登場したのは、婦団連たかのすふるさと太鼓(佐藤まり子代表)による「たかのすふるさと太鼓」。昭和62年にまちおこしのために創設されたもので、「たかのす音頭」「ここはたかのす太鼓のさと」を披露。
3番目は県指定無形民俗文化財に指定されている阿仁前田獅子踊保存会(北村文雄会長)による「阿仁前田獅子踊」。佐竹義宣公が水戸から秋田に転封されたときに、その家臣たちが長い旅路の慰め行事として、また行軍を鼓舞するために藩主に見せた芸能が発端と伝えられており、今回は「行列」「獅子踊り」「八つ払い」が演じられました。
4番目は福田獅子舞保存会(鈴木浩二会長)による「福田獅子舞」。福田地区に古くから伝わる獅子舞いは、米代川流域にもたらされた奉納神楽を、文化2年頃、能代港町で修業伝授したのが始まりとされています。舞いは五部構成で、「ささら」役に誘導され目に見えない悪魔を退治し役目を終えて昇天する姿を表現しており、今回は子供獅子舞と大獅子舞が上演されました。
5番目は、婦団連たかのすふるさと太鼓(佐藤まり子代表)による「鷹巣すずめ踊り」。仙䑓すずめ踊り連盟との交流により平成16年に生まれたもので、扇子とステップを用い、すずめの姿を表現した踊りで、「鷹巣すずめ踊り」「花やぐ」「駿馬」が披露されました。
最後は、綴子下町大太鼓保存会(藤島勝政会長)のよる「綴子下町獅子踊り」。大名出陣行列・獅子踊り・奴踊り・ヤツパレ等の一連の「大太鼓祭り行事」として約750年前から継承されており、現在は毎年上町と下町が交互に奉納しています。この日は、ヤツハレ(棒使い)、獅子踊、奴踊が上演されました。
市内外から訪れた観衆は、勇壮で優雅な郷土色豊かな各地区の芸能を堪能していました。