2006年12月15日
コンテンツ番号4802
〜平成18年12月定例議会一般質問(第2日目)〜
平成18年北秋田市議会12月定例会の本会議(2日目)が15日、市議事堂で再開され、5人の議員が一般質問を行いました。この日は、小学校の統廃合、いじめ・不登校対策、市民病院、市の活性化対策、大館能代空港の名称変更などについて質疑が行われました。
このうち、小学校の再編整備を進めるための検討委員会の目的や性格を問う質問には、「教育委員会の職員で作成したのが『素案』。これに対して幅広く意見を求めようとして関係者(自治会、PTA、有識者など)に依頼したものが「検討委員会」という位置づけ」である、と説明。
また、市民病院についての質問の中で、米内沢病院の現職員の採用方法については、「厚生連への派遣で進めたい」、中央病院跡地の「鷹巣外来センター」の計画については、「未決定だが、できれば医療法人での指定管理者制度でもって運営委託したい」との考えを示しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
吉田嘉隆氏
(順位2-1)
1.各税及び使用料等の滞納対策について
収納率を高めるため専従の職員の配置は考えられないか
【答弁】
収納率の向上策として、税目ごとの強化月間の設定、県北秋田地域振興局との合同催告・訪問徴収などを行い、効果を高めているところである。併せて、啓蒙活動にも力を注いで行きたい。専従職員の配置については、国の補助事業を活用して嘱託職員などを加えてその補充を図っていく方法もあるが、計画している機構改革で重点的配置(課職員の増員)も検討したいと考えているし、他市町村の対応例も調べて対策の強化を図って参りたい。
2.いじめ問題について
先般調査結果が報告されているが、今後の対策について
【答弁】
「いじめ」は全国でクローズアップされ、人権侵害の大変な問題と認識している。先の市の調査は、児童・生徒が「いやだ」と思うこと(冷やかしや、からかいも含めて)を回答してもらうこととしたもの。これからの学校や教育委員会での対策として、早期発見、早期解消の観点から、児童らが出す「サイン」に目を配りその様子を観察することに力点を置くこととした。今回の調査でそのサインを示していた児童生徒は、小学校で137件、中学校では105件であった。学校に専門に対処する担当者として、県派遣の専門員や生徒指導の教諭も配しているが、とにかく先生方にはいつでも、どこでもその任にあたってもらいたいと考えている。
3.市道の改良について
市道の行き止まり解消についての取組みについて
【答弁】
市道は合併以前の経緯から様々な状態を有していて、「行き止まり」などの不都合な道路がそ存在している状況。その現場の形態がまちまちで、すぐに改良できないので、今後の改良については、その道路の「必要度」「緊急度」等を考慮して、その改良の順位を定めて計画的な整備を進めていくこととしたい。
4.消防団員の定数について
現在の定数割れをどのようにとらえ、充足、削減も含め今後の対策は
【答弁】
現在の市の状況は、条例定数950名に対して団員の実数は829名であって、121名の欠員となっている。団員の職業構成や就業の形態の変化から減員している。市の定員に対する充足率は87パーセントで、県〜93パーセント、大館市〜90パーセントと、他と比較しても低くなっているが、例えば、自治体の規模の割にはその定員数が少ないと充足率は高い結果と出る訳で、必ずしも他との比較検討はできない。定数の削減見直しも今後の検討の中に含めるとしても、これからの推移について十分な検討を行っていきたいと思っている。
板垣淳氏
(順位2-2)
1.いじめ、不登校など学校教育における諸問題について
いじめ、不登校など学校教育における諸問題について対策をどう講じられるか
【答弁】
質問の項目に沿って答えていきたい。▽「いじめ」の原因〜仲間付き合いの稀薄さからきていると思う。▽不登校の原因〜多種多様な要因が存在するだろう。▽学力テストの実施について〜秋田県は実施する方向だ。テストの実施は必要だと思う。なぜなら、義務教育課程ではその教育の実践過程のなかで、学力の状況を調査・把握して指導全般に反映させていかなければならないから。▽「いじめ」が無くならない理由〜「皆無」とはならない。その特効薬など無いと思う。子どもたちの間ではその状況が常に変化している。
2.小学校の統廃合計画について
検討委員会の目的、性質はどういうものか
小学校統廃合についての住民世論を市教育委員会はどのようにみているか
小規模校は本当に教育効果が劣るのか。教育学的な検討がもっと必要ではないか
【答弁】
教育委員会の職員で作成したのが「素案」で、これに対して幅広く意見を求めようとして関係者(自治会、PTA、有識者など)に依頼したものが「検討委員会」という位置づけであることにご理解願いたい。各委員は各組織から選出されているが、委員会の中ではあくまでも個人として発言していただいている。会議を非公開としている理由は、委員がオープンに質疑、提言できるようにするための措置と理解して欲しい。
検討委員会での成案を基に、対象の地域をまわり様々な意見を伺うことで、成案への「肉付け」あるいは「変更」などに結びつくことになる。このような住民サイドの要望や提言といった世論の聴取を来年度にじっくりと実施したい。
複式学級を解消したいというのは、市の学校教育の将来を見据えた対策であって、学年の少人数も限界があるからこそ、その解決のための学校の統合計画が必要になると思っている。
3.北秋田市民病院の建設計画について
これまで未確定となっていた課題はどう解決したか
多額の投資は市財政を圧迫する。再検討が必要ではないか
【答弁】
質問の項目ごとに答えたい。▽厚生連側の「減価償却費」支払いの件〜支払う、払わないの決定は未だ無い。相手側との今後の協議が続けられる。▽ベット数の決定〜前にも説明したとおり厚生連側の意向もあって決定した。▽病床数減による収入減〜病院全体枠では他の要素でも収支が変動するだろう(基本構想の数値は確かに動くが)▽「がん治療」の中味(治癒対象など)〜現在のところ、乳がん、肝臓がん、脳腫瘍、前立腺がんなどが「ファス(FUS=集束超音波装置)」で照射可能。全てのがんに対応する機器ではない。▽市民病院開院後の「市立米内沢病院」〜特定疾患療養病床、介護老人保健施設それぞれ60床、50床の計画に変化はない。▽米内沢病院の現職員の採用方法〜厚生連への「派遣」で進めたい。そのための事前職員交流などを来年度実施したい。▽「鷹巣外来センター」の計画〜未決定だ。できれば医療法人での指定管理者制度でもって運営委託したいと考えている。
投資は確かに大きいが、目的は、市民の生命を健康を守ることひとつに尽きることである。病院建設の基本構想を示して予算を承認してもらっての一大事業と認識している。4万人市民が高度医療を含めた安心医療を享受できる環境づくりが是非とも必要。圏域外からの患者の流入にも期待出来る。議員は「4万人規模の自治体には高度医療は不要」とも言われるが、そうではないと思う。(医療の)体制を整備するのにその規模などは問われないものと考える。
米澤一氏
(順位2-3)
1.市民病院建設について
県厚生連からの要望事項に対する回答はそのような経路で回答されたものか
県厚生連に対しての回答に対して、どのような態度を示しているか。県厚生連はどのように理解しているか
県厚生連では、11月8日の段階ではまだ未確定な部分があるといっているが、その後はどうなったのか
11項目の質問書については真摯に回答し、その後も十分協議を重ねている。11月8日の時点では、指定管理者制度を前提としたものではなかった。また減価償却費も金額までは触れられていない。ただ、病院跡地については市でどうにかしてほしい、という要望はあった。
県厚生連と結んでいる準備協定書が1月31日と3月30日にとあるが、これらの協定書に対する議会の承認を得ていないと判断するが、議会の承認はいらないものか。その法的根拠は何か
地方自治法第96条に列挙された「議決事項」に当該準備協定書は含まれていない。なお、協定書の締結については6月定例議会の行政報告で公開済み。
北秋中央病院敷地は旧鷹巣町農協が提供したと聞くが、その経緯についてはどうか
昭和36年6月7日、鷹巣町が鷹巣町農協に無償贈与、昭和47年12月20日に鷹巣町農協が厚生連に売買している。
北秋中央病院が移転した場合の旧町の商店街はどうするか
新病院は現在地に建設すべきではないかとのご意見だが、統合病院の建設の基本的な考え方は、中央病院、米内沢病院、阿仁病院を統合することで機能的にも財政的にもメリットが大きいこと。中央病院だけでも、仮に個別に建設するとすると、私が中央病院長をしていたときでも45億ほどの建設費が見込まれていた。敷地もせまく、「統合病院」は建てられない。また、最近では病診分離の考え方が進んでおり、外来センターを跡地に設けることが望ましいと考える。移転した際の商店街の振興については、現在、県事業の「まちの賑わいづくりモデル事業」の活用による活性化のための方策を進めている。また、地元商店主らによる「やるべショップ」、フリーマーケットなどの事業により、買い物客も増えているようなので、その波及効果も期待している。
2.鷹巣町農協の減反政策に対する対応
鷹巣町農協は、旧町の支援を受け「とも補償」政策を実施してきた。その支援として町が1,000万円の補助をしてきたが、それがカットされるとなれば合併のマイナス効果となる。支援は続けるべき
旧町ではそれぞれ独自の施策で生産調整目標を達成してきた。合併後は、市全体で生産調整を推進するため、鷹巣独自の「とも補償」による補助はなくなったが、他の支援策は行われており、今後も、JA等とも支援の仕方を協議しながら対応してまいりたい。
武石隆憲氏
(順位2-4)
1.北秋田市の活性化対策について
我が市の将来を切り開くリーダー的人材を
リーダー像は時代の流れとともに変化している。今求められるのは「筋肉」よりも「教養・学力」だろう。そのためにも教育が大切。また、身についた教養や創造力を発揮できる職場づくりが必要と考えている。
若者に魅力ある地域資源を活用した産業振興施策を
森吉地区に立地した養豚業の「フリーデン」は、4月から17人の従業員で操業を開始するが、当初は「やまと豚」を2千頭、将来は4万4千頭まで増やす計画とのこと。しかし現在は養豚だけだのため、雇用にも限りがあるようだ。そのため、2次加工もできないか会社にお願いしている。
また本市には広大な山林があり、森林資源も豊富。この資源を生かした「新生産システム」を導入するため、現在関係者と協議しているところ。
さらに、完成後の森吉山ダムを活用した観光振興、大野台バイパスや日沿道などのインフラ整備、男子方企業の誘致などを合わせ振興策を進めて参りたい。また本市にはゆかりの音楽家なども多いので、指導をあおぎ、文化面で協力してもらうことなども考えられるだろう。
2.子どものいじめ問題について
実態調査を踏まえた未然防止策は
国では、教育再生会議を開き、いじめ問題での緊急提言を発表した。また伊吹文部科学大臣が自殺防止についての呼びかけをするなど、国民全体に問題意識が徐々に浸透してきている。市教委でも実態を把握するために、このほど市立小中学校を対象としていじめに関する調査を実施した。この結果、例えば落書きや物隠しなど、だれがやったかわからないいじめなど、現場の教師もどう対応してよいか悩んでいる状況が浮かび上がってきた。教委では対応が難しい事例などのQ&Aを作成し、学校に配布、密接に連絡を図りながらこの問題に対応することとしている。なお、実態調査については、今年度は2回、来年度は3回実施の予定(三澤教育長)。
松田光朗氏
(順位2-5)
1.財政について
職員の給与について
給与表の単価を下げる、などの方法ではなく、計画(集中改革プラン)にしたがって、人員削減を進め、時間外手当などの予算も削減し、効率的な人員配置と経費の削減に努めたい。目標達成のためには、「職員の配置をふやしてほしい」といった要望には応えられないこともあるので、ご理解願いたい。
合併協事業の見直しについて
まちづくり計画・財政計画にしたがい事業の見直しを進めてまいりたい。
2.住宅行政について
民間住宅の空家対策について
来年度にかけて住宅マスタープランを策定の予定。 計画にしたがい、民間住宅の空家についても効率的・効果的な活用方法を探りたい。なお、市営住宅は現在570戸。入居率は96〜97%で安定的に推移している。
3.空港名について
現在、あきた北空港略称で呼んでいる空港名を「北秋田空港」と呼ぶようにパンフレット等で定着するように運動できないか
名称は、決定当時私も違和感を覚えたが、圏域市町村と共同で建設推進運動を進めるためには名称変更の提案は難しかった。 また、コンピュータプログラムの変更など名称変更にかかる経費も大きいようだ。しかし、大館能代空港が北秋田市にあることを印象づけるために、看板やパンフレットなども活用しながら、関係機関とも協議を続けたい。