2007年12月12日
コンテンツ番号9043
平成19市議会12月定例会一般質問(2日目)
平成19年北秋田市議会12月定例会の本会議が12月12日(水)、市議事堂で再開され、4人の議員が一般質問を行いました。この日は、財政の健全化、本体の建設が始まった市民病院、国体開催効果などについて質疑が行われました。
このうち、財政の健全化に関し、20年度の予算編成規模についての質問には、「各種の財政指標の悪化や財政調整基金の残額も3億円程度しかない厳しい状況からして、予算規模は縮小せざるを得ない」と、厳しい事情に理解を求めました。
また、市民病院に関し医師の確保について問う質問には、「病院規模に見合う優秀な人材をそろえるべく厚生連とも協力しながら進めている」と、開院に併せ準備を進めていることを説明しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
武石隆憲 議員 会派:形成会
(順位 2 - 1 )
1.財政の健全化について
税収の見込みは(地方交付税ほか主たる歳入についても)
個人市民税の20年度の見込み額は、19年度決算見込みとほぼ同じ約10億6千万円。豪雨災害による税収への影響は2〜3百万円ぐらいと見ている。法人市民税は1億9千万程度で、固定資産税は、2.6パーセントの減収を見込んでいる。
また、普通交付税は、国の動向や県での関係会議(来年1月)の結果などを待つ事となる。臨時財政対策債は、19年度比で約15.5パーセントの減額を見ている
20年度の予算編成規模は
現在、要求された予算の査定に入っているが、各種の財政指標の悪化や財政調整基金の残額も3億円程度しかない厳しい状況からして、予算規模は縮小せざるを得ないと考えている。
主な事業とその方針は
市民病院の建設のほか、大田川口線などの道路整備、継続している下水道や統合簡易水道事業などが主なものとなる。厳しい財政事情の中、豪雨災害の河川事業などもあるので、新規事業への着手は難しい環境にある。
市税等の今後の収納策は
市税の滞納額は6億円強である。収納対策として、今年2月に「市税等収納対策会議」を設けて対応してきた。今後の方針として、預貯金、給料等の差押えと自動車登録の指差押えを強化して、これら不動産のインターネット公売を実施することとしている。また、今年度は、職員の増強や県税事務所との連携による合同徴収も行うなどして効果をあげている。
2.北秋田市の農業振興について
集中豪雨による農業災害の復興に向けた取り組みの現状は
甚大な豪雨災害を受けて市では、関係機関や諸団体との協議や被害調査、集落説明会などを実施してきた。災害に係る各種の査定は、10月に始まり12月14日で終了する予定だ。これまでに「農業経営等復旧支援対策事業」「農業経営等再開支援対策事業」などを新たに創設して、早期の農業経営の再開を支援したいと思っている。
農地災害復旧の支援対象の拡大について
小規模災害(被害額13〜40万円未満)にも、補正予算で措置することとしている。
農地台帳システムの統合は 北秋田市全域地図情報システム導入は
この2つのシステムの導入については考慮したい。
農業委員会職員体制について農家の方々が良かったと思える施策を
(武石議員は自らが農業委員会委員である立場上、質問を取り下げた)
吉田嘉隆 議員 会派:形成会
(順位 2 - 2)
1.公共工事発注について
建設工事発注を分割発注にできないか
分割発注によって業者の受注の機会・数量が増えるにつながるが、一方で、発注側としては事務量と経費が増えてしまうというデメリットを抱えることとなる。過去2ヶ年の建設事業の当初予算ベースを見ても、契約額、契約件数、市内業者の受注割合のどれをとっても減っている状況のほか、市民病院建設事業も豪雨災害関連事業も事業内容などから分割発注に結びつくことができないものとなっている
2.市民病院について
厚生連との11項目にわたる要望事項は全て合意できたのか
厚生連との「要望事項」に関する状況は次のとおりとなっているので報告したい。
▽医師確保=厚生連と協力して目途をつけたい▽病床数=320床▽診療科目=21科▽外来患者数=柔軟に対応する▽外来センター=患者動向を見極め判断する▽職員の構成=看護師およそ40人の補充が必要▽負担金=政策的医療費は市が運営費をもち、償還利子2分の1と減価償却相当額は厚生連が負担すること相互理解している▽利用料金制=利用料金制に対しても交付税算入は認められる▽名称=北秋田市民病院に確定▽北秋中央病院の解体=跡地購入は市が必要とすれば購入したい▽医療機器=総事業費予算枠の関係もあり、厚生連と詰めたい
医師の確保はできたのか
病院規模に見合う優秀な人材をそろえるべく厚生連とも協力しながら進めている。厚生連では多くの研修医を抱えている。
3.市の職員管理監督について
9月17日豪雨災害の復旧時に一部職員のとった行動について
県内外から駆けつけてくれた救助ボランティア1268人など、大勢の方々のご厚意を受けて、市としても職員らが懸命に頑張った中で、動員要請に対して災害現場に足を運ばなかった職員がいたことは残念だ。職員には厳重注意を促しているが、今後は十分な監理監督に努めていきたい。
黒澤芳彦 議員 会派:新創会
(順位 2 - 3 )
1.消費生活センターの新設について
市民の多重債務者を救うべき、新しい部署をつくるべきである
多重債務者の激増は大きな社会問題であるが、市としての担当部署は商工観光課にしている。県では、地域振興局に相談窓口を設けていて、先に県や弁護士会が開催した相談会などの利用もある。要はそのような事態に陥らないような自己での生活管理が大切なことであると思うが、今後、行政の対応を強化することも重要であるので、窓口対応ができるように検討していきたい。
2.不納欠損金処理について
職員の不納欠損金処理が安易にやられていないか
不納欠損金は18年度各会計の合計が72,457千円である。経済的理由によるものがその殆んどで、結果として時効消滅などで処理されているものもある。市としても引き続き指導、啓発など各課と連携して対応にあたっていきたい。
3.徴税、給食費等の未納・滞納対策について
プロジェクトチームを組んで徹底的に徴収を図るべきである
収納対策は、関係各課で相互協力のうえに努力している。そのプロジェクトチームと位置づけているのが、2月に立ち上げた「市税等収納対策会議」である。今後の方針として、預貯金、給料等の差押えと自動車登録の指差押えを強化して、これら不動産のインターネット公売を実施することとしている。
4.いのちの大切さについて
自殺予防対策について
市の自殺者は、16年度17人、17年度15人で、18年度が12月までが13人となっている。その原因は、働き盛りでは仕事や人間関係、高齢者は病苦が多いようだ。管内で組織する「心の健康づくりネットワーク会議」でも対策を進めていくが、メンタルヘルスサポーター養成や広報・パンフレット等による普及・啓発活動がその主なものとなっている
5.防災対策について
9.17豪雨災害を経験し、より日頃の防災マニュアル・対策が不備であったのではないか
市では「職員初動マニュアル」があるが、災害規模が大きかったことや職員の理解度が低かったことなど、その対応が不備であったかも知れない。特に結果として、職員への連絡徹底や関係機関への情報伝達などが万全でなかったものと思っている。これからは、これらのことを再点検した上で、「避難マニュアル」などの作成・整備を行なわなければならないと考えている。
6.競争入札について
予定価格の設定について
ご指摘の「ゴミ収集に係る業務委託」関係では、ご存知のとおり市当局で入札にかかる制限価格や予定価格を設定している。入札の結果としては、特に問題は無いものと思っている。また、業務の複数年契約については、事業を受託する上で機械設備等の運用などの面から、条件的に単年度扱いは不適と解するものである。工事等に関してはその予定価格を業者に公表しているが、委託業務については、予定価格の公表はしていない 。
三浦克昭 議員 会派:新創会
(順位 2 - 4 )
1.指定管理者の選定方法について
いまの選定方法は適切な選定方法か、一事業者のみに有利となっていないか、入札方法を取り入れるべきではないか、幼稚園・保育園を事業者に任せてしまってもよいか
指定管理者の選定方法は、適切だと認識している。選定委員のうち、市民選出の委員は指名を公表していないが、これは、外部からの影響を受けずに審査に専念してもらうためであり、平等公平に審査していることにかわりはない。
指定管理者の選定にあたっては、事業内容と管理料を含めた全体的な評価で判断している。うち管理料については、募集段階で上限額を示し、提示された額が審査の対象となる。具体的な管理料は協定締結時に決定することになる。
なお、幼稚園・保育園についても、施設や幼児教育の目的が達成できる状況であれば問題はないと考えるが、幼稚園は文部省の指導下にあることなどから、職員を派遣してもらう、といった形態が考えられる。
2.北秋田市の魅力度について
魅力度が100番も下がった原因をどのように考えているか
事例の「魅力的な市」とするこの調査はインターネットによるもので、ランク付けがどのようになされたのか、調査内容や基準が明確でない。▽結果の公表は書籍と電子データの形で販売されている営利目的での調査。書籍をとっても総合報告書は6万8千円と高価。▽この調査会社(「株式会社ブランド総合研究所」)は平成17年11月に設立されたもので、実績の浅い民間会社である、などの点を考えると、この調査の結果はどこまで参考になるか疑問。
一般論として北秋田市の魅力、暮らしやすさなどについては、「もし合併していなかったらどうであったか」を考えてほしい。第2の夕張市になった町もあったかもしれない。私は、「市民が健康で安心して暮らせる」ことが何よりも魅力のあることだと考えているが、合併したことで、市民病院の建設も進めることができ、市の目標に向けて少しづつ実を結んでいると思っている。
3.国体の効果と全国植樹祭について
国体は北秋田市にどのような効果をもたらしたか
市内で開催された4競技はいずれも盛り上がりを見せ、成功を収めることができた。国体開催の効果として、地域経済への波及効果と地域住民の結束力の高まりにつながったと考えている。経済波及効果の推計値は、▽市を訪れた選手・役員等2,100人、観客数を18,500人、計20,600人として、宿泊消費額は約5千4百万円、国体弁当は9,817食で922万円、おみやげ等の物販では5,390万円。大太鼓の館では1.5倍の売上があった。これに実行委員会の経費1億2千2百万円を加え、2億3千9百万円と推計している。
全国植樹祭を市のどのように発展につなげようとしているか
参加者は、県内外から約1万2千人が訪れる。当日は、NHKで1時間の特別番組が全国に放送される予定で、イベント広場では特産品販売や市を紹介するパネル展示が行わる。またステージでは綴子大太鼓をはじめ市内の民俗芸能も披露されるなど市を全国にPRできる大きな機会となる。
また、植樹祭は、木を植え、育て、活用する、といった緑化推進・環境保護を目的とするイベント。市民がイベントに参加することで、将来に向けた意識の醸成が期待される
学校再編整備計画をもっと慎重に
学校統合は、財政上の理由などで「はじめに統合ありき」として計画したものではない。児童数の減少により複式学級が増えている状況などから、合併を機に、市内の小学校の望ましい教育環境の構築を図ることを観点に、適正規模での統合を前提に10ヵ年の計画で進めているもので、時期尚早だとは考えていない。
また、学校での集団生活で社会性や協調性を身につけることは学力同様に大切であることもご理解願いたい。地域での説明会は9・17水害のため中断しているが、近く再開し、住民のみなさんからいろいろなご意見を伺いたい。