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十和田火山噴火から学ぶ「胡桃館遺跡と地域活性化」
 〜秋田大学北秋田分校公開講座〜
十和田胡噴火と桃館遺跡について学んだ秋田大学北秋分校公開講座(3月24日、市役所)講演する林教授(下)

 秋田大学北秋田分校主催の公開講座「巨大噴火の遺産、胡桃館遺跡」が3月24日(土)、北秋田市交流センターで開催され、参加者が十和田湖の火山噴火と胡桃館遺跡について学びました。

 北秋田市と秋田大学は、「北秋田市の豊富な地域資源を活用した産業振興に関すること」「地域を支える人材育成に関すること」「地域住民の健康増進に関すること」を柱とした包括協定を締結し、県北部地域の活動拠点として北秋田市に秋田大学北秋田分校(濱田純分校長)が開設されています。

 公開講座はその活動の一環として、「巨大噴火の遺産、胡桃館遺跡〜火山防災・地域活性化への活用を目指して〜」をテーマに市民を対象に行われ、会場には参加約80人が参加。講師は、火山地質学、火山岩石学を専門分野とする秋田大学教育文化学部の林信太郎教授が務めました。

 はじめに濱田分校長が「胡桃館遺跡には文化も眠っているだろうし、歴史も眠っている。皆さんの人生経験の中から小さなロマンでも見付けていただき、地域活性化につなげていただければありがたい」などと主催を代表してあいさつ。

 講演では、林教授がはじめに、火山の噴煙や火砕流を入浴剤やチョークの粉を使った実験を交えながら、915年(平安時代)の日本史上最大の十和田湖巨大噴火により胡桃館遺跡がどうして埋もれたかを説明しました。火砕流からできた十和田a火山灰は有名で広い範囲にあり、その火山灰があれば平安時代のものとわかると説明。火山泥流については「八郎太カ伝説となんらかの可能性があるのではないか。火山噴火が古文書には残らず伝説に残っているのにロマンを感じ、地域開発のネタになるので」と述べました。また、胡桃館遺跡については「915年にタイムカプセルのように閉じ込められ、それを掘り出すと当時の歴史、文化がわかる貴重な文化的資源である」と述べました。
 続いて第2部では、現在・過去・未来の十和田湖の噴火については「過去の超巨大噴火は3回あり、巨大噴火で北秋田市が直接、非常に危険な火山災害に襲われるの可能性は極めて小さいのでは」と述べ、1万5千年前の噴火について説明しました。
 第3部の地域活性化の課題では、胡桃館遺跡は、平安時代のタイムカプセル・巨大噴火の遺産・伝説とのリンク・北秋田市の大地を作ったとして「文化財として、教育資源としても大事。知的な観光資源としてもいろいろな分野の学問がリンクしている」として、ユネスコの世界遺産、ジオパークの活用を提言しました。  

主催者を代表して挨拶する濱田分校長 熱心に受講する皆さん 実験をしながら説明する林教授

      (2012.3.24)


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