安の滝(日本の滝100選第2位)
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安の滝(中ノ又渓谷)
中ノ又渓谷は、8kmにわたって奥阿仁の最深部を形成する渓谷です。「安の滝」は中ノ又渓谷上流部に位置し、落差90mの滝で、阿仁の自然美を代表する秀麗な2段構造の滝です。悲恋伝説を今に伝える「安の滝」は、険しい岸壁に懸かる白いすだれ状の滝の流れが、周辺の新緑や紅葉に映え、訪れる人に感動を与えます。

「安の滝悲恋伝説」
享保の初めごろといいますから18世紀初めのことです。打当の奥に見崎金山が山師津の国屋藤八によって開かれると、黄金の夢に吸い寄せられるように若者たちが集まってきました。
金山にはむらの若い娘たちも働いていましたが、そのなかにヤスという17歳になる娘がいました。ヤスは顔立ちもよく気立てのいい娘でしたから、若者たちの憧れの的でした。言い寄る男はたくさんいましたが、ヤスはだれも近づけようとしませんでした。
そのヤスが恋をしたのです。相手は腕もよく実直な久太郎という評判のいい男でした。久太郎も見崎小町といわれるほどのヤスでしたから、憎からず思っていました。しかし山には男女の仲はご法度という固い掟があり、逢瀬も思うようになりません。
ある日山菜取りの帰り道、久太郎の小屋の前をとおりかかると、久太郎が一人で留守番をしていました。
日ごろ人目があってろくに口も聞けないヤスは、久太郎のもとにかけより愛を語り合いました。ところが運悪く、そこへ仲間たちが帰ってきました。そして、二人の仲を妬んでいた仲間たちは、男女の仲はご法度だと騒ぎ立てたのです。
難がヤスに及ぶのを恐れた久太郎は「いつかきっと迎えにくるとヤスに伝えてくれ」と友人に頼んで、山を下り故郷へ帰ってしまいました。仲間の制裁を恐れた友人は、伝言をヤスに伝えなかったので、ヤスは悶々と久太郎を思いつづけるのでした。しかし、夏が過ぎ秋がきても、久太郎は姿を見せませんでした。
あるとき、仲間の一人が 「久太郎は法度を犯した罪でとらえられたから、もうあいつのことは 思いきったほうがいい」とヤスに伝えました。ヤスがおどろき、悲しんだのはいうまでもありません。中秋名月の夜、ヤスが思い出の小屋に行ってみると、小屋はすっかり荒れはてていました。ヤスはそのまま山道を滝のほうへたどり、あとを追ってきた仲間たちが追いつこうとしたとき、「久太郎!、久太郎!、久太郎!」と三度恋人の名を呼んで、千尋の滝へ身を投げたのでした。
以来、この滝を「ヤスの滝」と呼ぶようになり、二人の相手を思う強い気持ちは後世に語り継がれ、この滝へくると恋が叶えられると若い男女がやってくるようになりました。
いまでも月夜には、ヤスが荘厳な風景を背景に、黒髪をすいている姿を見ることがあるそうです。
[ 解説 ]
安の滝は打当川の上流中又沢の上、ブナ森の麓から流れる標高800メートルの高原にかかっています。高さおよそ90メートル、雄大壮美な滝です。
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