2017年01月22日
コンテンツ番号3537
地域住民のバケツリレーで文化財を守る
平成29年文化財防火デーに伴う火災想定訓練が、1月22日(日)に専念寺(阿仁銀山)で行われ、地域住民や消防団員などが参加して、地域の文化財を守るための消防訓練に取り組みました。
文化財防火デーは、昭和24年1月26日に国宝・法隆寺の金堂が炎上し貴重な文化財である壁画が失われたことを契機に、昭和30年に定められ、毎年この日を中心に全国各地で防火訓練などの文化財防火運動が行われています。
この日の火災想定訓練には、下新町自治会、市消防団11分団、市消防署阿仁分署などから約50人が参加。市指定文化財の専念寺山門から出火したとの想定で行われ、下新町自治会の自主防災組織、消防団、消防署が連携し、通報訓練や避難訓練、初期消火訓練、火災防ぎょ訓練、中継送水訓練などで消火にあたりました。
このうち、バケツリレーによる初期消火訓練を行った下新町自治会の自主防災組織の会員は、氷点下の気温の中、水を汲む人、水を送る人、火元に水をかける人、空のバケツを戻す人など役割分担し、本番さながらの訓練を展開しました。また、消防団員や消防署員は、むだのない連携とキビキビとした動作で、地域の文化財を守るための消防訓練に真剣に取り組み、万一の事態に備えての行動や対処を確認し合いました。
閉会式では、はじめに北秋田市消防団の北林昭男副団長が「阿仁地区は2年間無火災。これは各家庭の防火意識が高まっているからだと思う。これから寒い時季が続くので、火気の取り扱いには十分に注意してもらいたい。今年も無火災で安心して過ごせるように、皆さんの協力をお願いしたい」などと訓示しました。続いて、北秋田市消防団第11分団の戸島丈夫統括分団長が「われわれ消防団は、日ごろから無火災や災害等に向けて活動しているが、有事の際には地域の自主防災組織が頼りになってくる。皆さんもこのような訓練に積極的に参加して、常に気持ちの準備をしてほしい」などとあいさつしました。最後に北秋田市消防署阿仁分署の小塚儀彦分署長が「通報訓練・避難訓練は、専念寺関係者、住民の皆さんの迅速な対応と協力があり、非常にうまくいった。初期消火訓練は、こちらの指示が伝わらなくて、バケツリレーがうまくいかない場面もあったが、参加された方は有事の際の参考になったと思う。ここ阿仁銀山地区は、住宅密集地であり火災が発生すると延焼して被害が大きくなることが予想される。昨年末の糸魚川市のような火災が起こらないように、火の元に十分注意してもらいたい」と講評を述べました。
なお、文化財防火デーに伴う火災想定訓練は、1月29日(日)に県指定文化財の内館文庫跡(綴子)、国指定重要文化財の金家住宅(本城)、太平寺(上杉)でも行われる予定です。