2008年11月21日
コンテンツ番号2633
「家族、地域の人たちのお陰」
(2008.11.21)
へき地保健衛生功労によりこのほど瑞宝単光章を受章した尾久ヨシ子さん(71)=栄字中綱=が11月21日(金)、市役所を訪れ、岸部市長に受章を報告しました。
尾久さんは、秋田県保健師として36年間、結核予防などでへき地の健康を支えました。東京の看護学院を卒業後、昭和34年に看護婦として学院系列の病院に勤務。その後、秋田県立保健婦学院に学び37年に保健婦(師)として鷹巣保健所に配属され活動をスタートしました。
以後鷹巣、大館両保健所に勤務、管内のへき地保健衛生の向上に尽力され、平成10年に鷹巣保健所の健康課長補佐で退職されました。
現役時代は、交通事情が悪かった当時から管内全域、旧鷹巣や森吉、阿仁町の奥深い集落にも何度も足を運んで保健指導にあたりました。かつては結核予防対策が大きな課題でしたが、その後精神保健衛生の仕事にも携わり、現在は旭町の地域活動支援センター・あんずで指導員として活動されています。
報告では、「たいへんな名誉。これも家族や地域の人たちに支えていただいたお陰」と尾久さん。岸部市長から当時の思い出などを聞かれると、「現在の杣温泉周辺の集落にトロッコ(森林軌道)で訪問したこともあった。怖い思いもしたが、懐かしい思い出。昭和30年代は結核が恐れられていた時代。今のように良い薬もなく、予防に力を注いだ。へき地では病気への理解も浸透しておらず、偏見などから結核にかかった親が周囲に病気を隠し子どもに病気をうつしてしまうこともしばしばだった」と振り返っていました。
市長は、「受章は後進にとっても大きな励みになる。これからも経験を活かし地域医療の推進に協力してほしい」と、受章を称えていました。