2010年01月27日
コンテンツ番号7631
メタボ予防のポイントは食生活と運動
平成21年度「第2回すこやか健康講座」が1月27日(水)、市保健センターで開かれ、各地区から参加した市民約100人が、さまざまな病気の原因になる「メタボリックシンドローム」について学習しました。
講座は、検診受診者や健康づくりに関心のある市民を対象に開かれているもので、毎回テーマを変え、5回の開催が予定されています。
今回は、北秋田市の特定健康診査や保健指導などにも協力いただいている財団法人秋田県総合事業団の医師・浜出直人氏がメタボリックシンドロームの予防について」をテーマに講演しました。
浜出氏ははじめに、メタボリックシンドロームを「肥満や高血圧、脂質異常、高血糖などの異常が、軽度であっても複数あり、その状態が長く続くと動脈の壁が厚く硬くなり、血液が流れなくなって心筋梗塞や脳卒中になる危険性が非常に高くなる。わかりやすく言えば、肥満や高血圧が原因となりコレステロールで血管が詰まりつつある状態」と説明。
また、腹囲や脂質(中性脂肪、HDLコレステロール)、血圧、血糖値などの診断基準を説明しながら、「メタボリックシンドロームの推定該当者は全国で1960万人、40歳から74歳の男性は2人に1人、女性は5人に1人が該当し、女性では更年期以降該当する人が増える傾向にある」と現状を紹介しました。
メタボにより動脈の血管が狭くなっていく様子。
知らず知らずのうちに進行する。
内臓脂肪は腸の粘膜内に付着する。
その上で、「始めは軽度でも知らず知らずのうちに大きな病気につながるのだが、症状が出ないと気がつかず、メタボと診断されても事後指導に来てくれない。重症者ほどその傾向がある」と、健診を進める立場からメタボ予防への認識の低さを指摘しました。
続いて、動脈硬化の進行、メタボと動脈硬化の関係、検査結果の見方などを順に説明。
動脈硬化の進行については、血管の動脈硬化が進む様子をスライドで示しながら、「高塩分、高カロリー、運動不足、飲酒やタバコといった悪い生活習慣が、20年、30年と続くうちに動脈硬化が無症状で進行する。心臓に栄養を運ぶ冠動脈の内径は4程度とせまく、75%以上せまくなると症状が現れる。最近では40代で心筋梗塞、50代後半から脳卒中になるケースも増えている」、と病気の原因が悪い生活習慣の持続によるものであることを強調し、話を進めました。
メタボとの関係については、肥満、特に中性脂肪を多く蓄える内臓脂肪型の肥満を上げ、「中性脂肪は血管の傷を治し血圧を下げる善玉物質を減らすとともにその逆の作用をする悪玉物質を増やす」と解説。
加えて、「コレステロールの意味を正しく理解することが大切。HDLはトラックのようなもので、余分なコレステロールを血管壁から肝臓から運び出すので“善玉”と呼ばれている。しかし、HDLが運べる脂質の量は限られている。中性脂肪と連動し、中性脂肪が多いと減少、少ないと増加する。つまり、HDLコレステロールは血液中の中性脂肪の量によって決まる」、と検査結果の見方を説明しながら中性脂肪を減らすことの大切さを説きました。
メタボの予防については、「まずは内臓脂肪を減らすこと。体重を意識することが大切。朝食前と夕食後に体重を図って記録し、変化を見ることで関心を持つ。週末には体脂肪測定を。合わせて食生活の改善と運動不足の解消を」、と呼びかけました。
食生活では、▽1日3食とる▽ゆっくり噛む。量は腹8分目にする▽夕食後の間食や夜食はしない(夕食後歯を磨く)▽野菜や海草などの食物繊維を多くとる(たんぱく質2、炭水化物1の割合が望ましい)▽糖分や動物性脂肪の多い食品の摂取を減らす▽大豆や青背魚などの善玉物質を含む食品をとる、といったポイントを上げました。
運動については、「たとえば、ショートケーキ1個(360Kcal)は、腹筋100回、腕立て伏せ100回に加え90分のウォーキングを行った運動量に相当する。運動で消費するカロリーは大きくはないが、続けることで中性脂肪が減少し、善玉コレステロールが高くなるだけでなく、心肺機能や筋肉が強くなり骨密度も増す。1日20分以上、階段の上り下りや布団の上げ下ろしなど日常生活の中で無理をせずに小まめに体を動かすことが長く続けるためのコツ」と、その大切さを強調しました。
第3回講座は2月3日(水)、「睡眠時無呼吸症」をテーマに、児玉内科クリニック院長・児玉達彦氏による講演が行われます。聴講は自由ですが、事前に北秋田市健康推進課までご連絡ください(北秋田市保健センターTEL:0186-62-6666)。なお、今後の講座日程はこちらです。
参考/これまでのすこやか健康講座から(抜粋)
(2010.1.27)