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秋田県教育委員会では、北秋田市教育委員会、鹿角市教育委員会と連携し、平成18年12月、「ストーンサークル」をユネスコの世界遺産登録に向けた「暫定リスト」に申請しました。
▽世界遺産とは 世界遺産とは、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、人類が共有すべき普遍的な価値を持つ遺跡や景観そして自然など。日本では、奈良法隆寺地域の仏教建造物や原爆ドームなどの文化遺産、白神山地などの自然遺産の13ヵ所が指定されています。
▽世界遺産の登録まで 世界遺産は、登録を求める国や地域の担当政府機関が候補地推薦・暫定リストをユネスコ世界遺産委員会に提出、調査、審議を経て最終的に決まりますが、日本政府(文化庁)からユネスコへの推薦のためには、国内での「ユネスコ世界遺産暫定リスト」に掲載されることが必要です。
▽全国で活発化している登録への動き ここ数年、全国で自然環境や文化財の保全、観光振興などを目的として暫定リストに登録するための運動が活発化しており、日本では現在、▽平泉の文化遺産(岩手県)▽古都鎌倉の寺院・神社ほか(神奈川県)▽彦根城(滋賀県)▽石見銀山遺跡(島根県)の4件がリストに搭載され、推薦を待っており、さらに富士山など30カ所以上でリスト登録への運動が展開されています。
▽秋田県では「ストーンサークル」として申請 伊勢堂岱遺跡も、複数のストーンサークルを有するなど世界でもまれな縄文時代を代表する史跡であることなどから、立候補することにしたものです。秋田県教育委員会では、伊勢堂岱遺跡と鹿角市の大湯環状列石の立候補の意向を受けて、この2つの遺跡を「ストーンサークル」として申請しました。
【申請資料(抜粋)‥‥PDFファイル】
▼提案のコンセプト▼提案のコンセプト(図面)▼遺跡案内図▼遺跡平面図・写真▼遺跡概要(伊勢堂岱遺跡)▼遺跡概要(大湯環状列石▼保存管理計画▼世界遺産の登録基準への該当性
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■伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石の概要
縄文時代後期の北海道を含む北日本には、河原石を利用した直径30m以上の環状列石が出現する。秋田県北東部にある鹿角市の大湯環状列石と、北秋田市の伊勢堂岱遺跡の環状列石もこれらの環状列石と期を同じくして造られるようになる。
大湯環状列石には、万座環状列石と野中堂環状列石の二つのストーンサークルがあり、伊勢堂岱遺跡には環状列石A・B・C・Dの四つのストーンサークルが存在する。大湯環状列石は、日時計状遺構といわれる石組遺構などから構成され、周辺には掘立柱建物が巡ることが調査で判明している。また、石組遺構の下からは、土坑墓が確認されストーンサークルがお墓の集合体であること、また各々のストーンサークルの中心部にある立石を結ぶラインは、夏至の際の太陽の沈む方向と一致することもわかってきている。
伊勢堂岱遺跡の4つのストーンサークルは、近接していて、それぞれが30m以上の直径を描いて石が配置されており、これにも土坑墓や掘立柱建物などが伴っている。両遺跡からは、また数多くの祭祀に伴う遺物も出土していて、これらと供伴する土器からは、このストーンサークルが200年以上にもわたって造られ続け、常に、祭祀の場として縄文人の拠り所となり続けたことがうかがえるのである。
北海道森町の鷲ノ木5遺跡や青森市の小牧野遺跡が一つのストーンサークルであるのに対して、また、鷲ノ木5遺跡の場合が、短期間で造られたというのに対して、大湯環状列石や伊勢堂岱遺跡のストーンサークルの実態は、こうした事実と際だった違いを見せるのである。
ストーンサークルは、葬送儀礼・季節の暦・拠り所として縄文人の精神文化と暮らしに欠くことのできない記念物である。また、他の縄文遺跡が縄文人の生活痕跡を留めるだけであるのに対して、それ自体が、縄文人が見た環状列石とほぼ同じ姿を、われわれ現代人も見ることができるのである。ストーンサークルは、日本の基層文化を作り上げた縄文人の1万年に及ぶ精神構造が昇華した姿であり、私たちが見ることのできる縄文時代の唯一無二のモニュメントなのである。このことから、今後とも大湯環状列石と伊勢堂岱遺跡を世界遺産として保護することが重要である。
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(2007.1.10掲載)
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