2018年04月14日
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大きくなって帰って来てね
(2018年4月14日)
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業「第8回カムバック・縄文サーモン」が、4月14日(土)に同遺跡近くを流れる湯車川で行われ、市民ら約50人が参加し、サケの稚魚約1万5000匹を放流しました。
この放流事業は、伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録推進の一環として行われたもの。縄文人も遡上するサケを活用していたと考えられていることから、湯車川をサケが遡上するふるさとの川として環境保護を図り、遺跡周辺を「カムバック縄文サーモン」の中心地とし、世界遺産登録推進にも大きく貢献することを目的に、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤善寿代表)、鷹巣漁業協同組合(湊屋啓二組合長)、市教育委員会の共催で行われました。
この日は、同遺跡ワーキンググループのメンバーをはじめ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、地域の方々など約50人が参加。縄文館で行われた開会式では、はじめにワーキンググループの佐藤善寿代表が「伊勢堂岱遺跡には、4つのストーンサークルがあり、世界遺産登録を目指している。その遺跡近くの川にサケが遡上するのは、全国でも珍しいこと。この貴重な環境を守り伝えていく必要があるため、これからも放流事業を続けていきたい。末永くサケが遡上してくることを願っている」などとあいさつ。
続いて、津谷市長が「4000年前から縄文人がこの場所で生活し、その時から湯車川にサケが遡上していた。伊勢堂岱遺跡では、縄文人が仲よく暮らしていた時代。そのことを思い出しながら、サケが大きくなって帰ってくるように願いを込めて放流してほしい。皆さんの成長とともに縄文サーモンが元気に育って帰ってくることを期待したい」などとあいさつ。また、鷹巣漁業協同組合の湊屋組合長は「サケは1日35キロ泳ぐので、4年で湯車川に戻ってくると仮定すると5万1100キロ泳ぐことになる。サケはとても強く生命力がある魚だということがわかる。今日は、サケの稚魚1万5000匹を放流する。4年後には少なくとも150匹は戻ってくる。ぜひ4年後の遡上を楽しみにしてほしい」などとあいさつしました。
参加者らは、漁業の職員からバケツに入ったサケの稚魚を分けてもらい、川岸に並んで「大きくなって帰って来てね」と声をかけて優しく放流し、川の中央に向かって泳いでいく姿を見送りました。放流された稚魚は、春の日差しが差し込む川面を力強く泳ぎ回り、下流に向かって泳いでいきました。
今回放流したサケは、阿仁川漁協で育てられた体長6センチから7センチほどの稚魚で、平均4年で成長して戻ってくるといわれています。近年は放流事業の効果もあり、10月中旬から11月上旬頃に体長約70センチのサケの遡上が複数確認されています。