2017年03月20日
コンテンツ番号3580
無数の火が闇夜を照らす
(2017年3月20日)
春彼岸の中日にあたる3月20日(月)に、三里、三木田、鎌沢などの合川南地区の各集落で、伝統行事「万灯火(まとび)」が行われました。
万灯火は、合川地区と上小阿仁村の小阿仁川流域で古くから行われ、墓地をはじめ、山の尾根づたいや沢づたい、川原などにたいまつを灯して祖先の霊を迎える伝統行事。もともと、墓の前でワラを燃やし、先祖を供養していたものを、祖先の霊を迎える道しるべとして小高い丘に集落の戸数だけワラを束ねて燃やしたことが始まりとされています。
現在は「ダンポ」と呼ばれている油を染み込ませたソフトボールほどの布玉を、針金で支柱に結びつけて燃やし、先祖をしのぶとともに豊年満作、家内安全を祈願しています。
この日は、あたりが暗くなった午後6時過ぎから、それぞれ地区で点火が始まりました。数百メートルにわたる万灯火や火文字が暗闇に浮かび上がり、幹線道路から見られるものもあることから、ドライバーは万灯火が目に入ると道端に車を停車し、万灯火が闇夜と残雪を照らし出す幻想的な光景に見入っていました。
なお、合川地区ではこの伝統行事を帰省客などにも楽しんでもらうため、お盆の8月14日に夏のイベントとして「合川まと火」を毎年開催しており、会場の合川橋付近を中心として、阿仁川堤防約1.5キロメートルにわたり万灯火が灯されます。